今宵の一枚はセロニアス・モンクの「Something in Blue」1971年11月の録音。レーベルはBlack Lion。Jazzの世界ではステージで踊ったり、何やかやと変人として名が通っているモンク。演奏スタイルも独特で、一聴して誰だかわかるほど、個性が強い。誰にも似ていないのだ。不協和音というといささか大げさだが、「あれあれ。?なんか変だなぁ。」と感じるフレーズが頻繁に出てくる。それでいて一曲通して聴くとキチンと音楽として成り立っているから不思議だ。音色は明るく、一音一音が強く響く。ビル・エバンズやキースのようなリリカルさや華やかさはないけれど、惹かれるものがある。
録音が素晴らしい。音場がスピーカーの左右に広がると同時に奥行きが深く、ピアノの音像がより立体的に捕らえている。後者の再現は難しく、ほとんど聴いたことがないほど優秀。アート・ブレーキーのドラミングの特徴もよく解かり、アルバム全体がフレッシュで音が生きている。ピアノの録音ではあまた数ある録音の中でも指折りではないだろうか。これほど音像が厚いサウンドは稀である。
あいにく本アルバムしかもっていないBlack Lion Records、俄然集めたくなった。もはや輸入盤しか入手できないのが残念。
sideA
1.Blue Sphere
2.hackensack
3.Nice work if you can it
sideB
1.Something in Blue
2.Evidence
3.Jackie-ing
4.Nutty
(personnel)
Thelonious Monk(piano)
Al Mckibbon(bass)
Art Blakey(drums)