今宵の一枚はフィュニアス・ニューボーンJrのHere is Phineas。1956年3月の録音でレーベルはAtlantic。このアルバム、まずもって音が良い。ライナーノートを見ればRecoding Engineer:Rudy Van Gelderの文字が。やはりなぁ、と思わずニアリだ。言わずと知れたjazz界では伝説のミキサーである。オンマイクの録音で有名で御年90歳で健在。僕の持っているCDの中で彼の一番新しいアルバムは、1998年に録音されたPete Malinverniの「A very good year」。なんと74歳の時の作品である。
Blue noteの大半の録音はかれの手によるもので或る意味耳タコではあるが、このアルバムはカッティングレベルが高く、音の鮮度が異様に凄い。音が厚く、とにかくピアノがドーンと真中で主張しているのだ。オスカー・ぺティフォード、ケニークラークという名手がバックを固めているのだが、影が薄い。もちろんサウンドがである。逆説的に言えばフィニアスのピアノの素晴らしさがそうさせているのかもしれない。上手い、とにかく少しクラシック的な響きもあるがJazzの王道をゆく素晴らしい演奏である。録音時若干23歳。ことテクニックに関してはオスカーピーターソンに匹敵しうる。
sideA
1.Barbados
2.All the things you are
3.The More I see you
4.Celia
5.Dahoud
6.Newport Blues
7.I'm beginning to see the light
8.Afternoon in Paris
(Personnel)
1.Phineas Newborn JR.(piano)
2.Oscar Pettiford(bass)
3.Kenny Clarke(ds)
4.Calvin Newborn(guitar)