久々に飛行機のキットの話です。冬の間に作った飛行機の中に、ハセガワ1/72のF-104Jがありました。平成初期のリリースで今となってはベテランキットですが、1/72では入手のしやすさ、価格、ディティール等でベストかと思われます。ストックがあったのと、以前作ったことがある機体ながらちょっと気に入らなかったところがあった関係で、もう一度作ってみようとなったのが、今回ご紹介する2機のF-104Jです。
まずは銀色のこちら。第203飛行隊所属機です。203飛行隊は北海道・千歳基地の所属で、F-15Jに改編されてからも、201飛行隊とともに千歳基地にあり、北方の守りを担っています。
キットはストレートに組んだだけで、特別な付加工作もしていません。胴体が前後と左右で分割されてますので、そこをきれいに接合するのと、銀色は塗装の時に下地の傷が目立ちますので、サーフェーサー吹きをきちんと行い、あらかじめ傷を消しておくことが注意点でしょうか。
コクピットや計器盤はかなり細かくモールドされています。これを初めて見たときは1/72のキットの進化にいたく感動したものです。塗装でもデカールでもいいのですが、私は塗装で再現しました(完成後は見えなくなってしまいますが、それはそれとして)。
塗装ですが、銀色ということで、私はMr.カラーの航空自衛隊機アルミナイズドオールドタイマーカラー(名前が長いな)のアルミナイズドシルバーを吹きました。これは文字通り、航空自衛隊機のオールドタイマー(F86FやF104Jなど)の銀塗装を再現するためのカラーで、最近のMr.カラーの8番の銀色と違い、輝きが抑えられています。光の当たり方によってはこんにふうにグレー色のようになります。
キットにはパイロットフィギュアはありませんが、他のキットからコンバートしたパイロットをコクピットに座らせました。
宇宙服のようなヘルメットですが、これは高高度飛行訓練用のものです。この部分のみエポキシパテで作っています。高高度飛行訓練はF104J、F4EJ等でおこなわれており、60,000フィート以上の高空に進出し、敵を迎撃するためのものでした。ヘルメットだけでなく、専用の与圧服も着用していたそうです。ちなみに与圧服はそれぞれのパイロットの体型に合わせたオーダーメイドだったとか。航空自衛隊のパイロットとして活躍し、退官後にアクロバット飛行でも知られた"ROCK"岩﨑貴弘氏(故人)によれば、年に一回は必ず行う必要がある訓練で、高高度まで上がると空の色も違っていたそうです。こうした訓練はミサイルの性能向上などで不要となったそうですが、生粋のインターセプターである「マルヨン」ことF-104Jを象徴しているように感じ、この姿としました。
航空自衛隊のF104Jといえば、胴体後部の無塗装部分が特徴的で、これをどう表現するかというのも、モデラーの腕の見せ所でもあります。だいぶ古い資料ではありますが、モデルアート2000年10月号特集におおくらとしお氏が詳細な説明をされており、それを参考にしています。なお、垂直尾翼直下のクロームシルバーの部分はMr.カラーのスーパークロームシルバー2を吹きつけました。
塗り分けはなかなか難しく、私の腕ではこんなところです。
以前も203飛行隊のF104Jを作ったことがあるのですが、その時はクロームシルバー部分を塗ってから磨きだすタイプの塗料を使っており、磨きだしが上手にできなかったことなどもあり、今回再チャレンジ、となりました。ただ塗るだけですから今回の方が手軽です(輝きの方は少し足りなかったかも)。ちなみに1/144で再現する際はアルミテープや糊つきアルミ箔などを使っています。
第203飛行隊はF-15Jに改編された後も千歳基地にありますが、尾翼の部隊マークが変わっていないというのも特徴的です。こうしたマークは機種改編時に変わることが多く、しかもF-104Jの場合は垂直尾翼いっぱいにどの部隊もさまざまなマークを描いておりましたのでF15Jの小さな日の丸のサイズに合わせるとなると、マークも変更せざるをえなかったのでしょう。しかし第203飛行隊の場合、赤で数字の2と3を、そしてそれに挟まれた形で白と黒で熊(パンダではありません)を描いたマークは変えることなく、今に至っています。
(昔のパッチ(ワッペン)も個性的なものが多いです。こちらは復刻されたものを買っています)
さて、せっかくですので浜松広報館にある実機の写真から、細部部分をお目にかけましょう。古いものもありますが、マーキングの参考にしていただければ幸いです。ライトグレー塗装の機体ですが、無塗装部分などはそのままになっています。
コクピットは一部テープで保護、補強があります。
コクピット後方、Mr.カラー44番で塗装指示がある部分です(笑)。
機首からインテークにかけて。真横から撮っていますのでマーキングの参考にしていただければ
尾部の無塗装部分です。
参考文献 世界の傑作機№104 ロッキードF-104J/DJ "栄光" こちらにはさきのロック岩﨑氏が演習でF-104Jで米軍のF-15を「撃墜」した顛末が書かれており、興味深く読みました。
モデルアート2000年10月号 こちらはハセガワ1/48でF-104がリリースされたのに合わせて特集が組まれました。
まずは銀色のこちら。第203飛行隊所属機です。203飛行隊は北海道・千歳基地の所属で、F-15Jに改編されてからも、201飛行隊とともに千歳基地にあり、北方の守りを担っています。
キットはストレートに組んだだけで、特別な付加工作もしていません。胴体が前後と左右で分割されてますので、そこをきれいに接合するのと、銀色は塗装の時に下地の傷が目立ちますので、サーフェーサー吹きをきちんと行い、あらかじめ傷を消しておくことが注意点でしょうか。
コクピットや計器盤はかなり細かくモールドされています。これを初めて見たときは1/72のキットの進化にいたく感動したものです。塗装でもデカールでもいいのですが、私は塗装で再現しました(完成後は見えなくなってしまいますが、それはそれとして)。
塗装ですが、銀色ということで、私はMr.カラーの航空自衛隊機アルミナイズドオールドタイマーカラー(名前が長いな)のアルミナイズドシルバーを吹きました。これは文字通り、航空自衛隊機のオールドタイマー(F86FやF104Jなど)の銀塗装を再現するためのカラーで、最近のMr.カラーの8番の銀色と違い、輝きが抑えられています。光の当たり方によってはこんにふうにグレー色のようになります。
キットにはパイロットフィギュアはありませんが、他のキットからコンバートしたパイロットをコクピットに座らせました。
宇宙服のようなヘルメットですが、これは高高度飛行訓練用のものです。この部分のみエポキシパテで作っています。高高度飛行訓練はF104J、F4EJ等でおこなわれており、60,000フィート以上の高空に進出し、敵を迎撃するためのものでした。ヘルメットだけでなく、専用の与圧服も着用していたそうです。ちなみに与圧服はそれぞれのパイロットの体型に合わせたオーダーメイドだったとか。航空自衛隊のパイロットとして活躍し、退官後にアクロバット飛行でも知られた"ROCK"岩﨑貴弘氏(故人)によれば、年に一回は必ず行う必要がある訓練で、高高度まで上がると空の色も違っていたそうです。こうした訓練はミサイルの性能向上などで不要となったそうですが、生粋のインターセプターである「マルヨン」ことF-104Jを象徴しているように感じ、この姿としました。
航空自衛隊のF104Jといえば、胴体後部の無塗装部分が特徴的で、これをどう表現するかというのも、モデラーの腕の見せ所でもあります。だいぶ古い資料ではありますが、モデルアート2000年10月号特集におおくらとしお氏が詳細な説明をされており、それを参考にしています。なお、垂直尾翼直下のクロームシルバーの部分はMr.カラーのスーパークロームシルバー2を吹きつけました。
塗り分けはなかなか難しく、私の腕ではこんなところです。
以前も203飛行隊のF104Jを作ったことがあるのですが、その時はクロームシルバー部分を塗ってから磨きだすタイプの塗料を使っており、磨きだしが上手にできなかったことなどもあり、今回再チャレンジ、となりました。ただ塗るだけですから今回の方が手軽です(輝きの方は少し足りなかったかも)。ちなみに1/144で再現する際はアルミテープや糊つきアルミ箔などを使っています。
第203飛行隊はF-15Jに改編された後も千歳基地にありますが、尾翼の部隊マークが変わっていないというのも特徴的です。こうしたマークは機種改編時に変わることが多く、しかもF-104Jの場合は垂直尾翼いっぱいにどの部隊もさまざまなマークを描いておりましたのでF15Jの小さな日の丸のサイズに合わせるとなると、マークも変更せざるをえなかったのでしょう。しかし第203飛行隊の場合、赤で数字の2と3を、そしてそれに挟まれた形で白と黒で熊(パンダではありません)を描いたマークは変えることなく、今に至っています。
(昔のパッチ(ワッペン)も個性的なものが多いです。こちらは復刻されたものを買っています)
さて、せっかくですので浜松広報館にある実機の写真から、細部部分をお目にかけましょう。古いものもありますが、マーキングの参考にしていただければ幸いです。ライトグレー塗装の機体ですが、無塗装部分などはそのままになっています。
コクピットは一部テープで保護、補強があります。
コクピット後方、Mr.カラー44番で塗装指示がある部分です(笑)。
機首からインテークにかけて。真横から撮っていますのでマーキングの参考にしていただければ
尾部の無塗装部分です。
参考文献 世界の傑作機№104 ロッキードF-104J/DJ "栄光" こちらにはさきのロック岩﨑氏が演習でF-104Jで米軍のF-15を「撃墜」した顛末が書かれており、興味深く読みました。
モデルアート2000年10月号 こちらはハセガワ1/48でF-104がリリースされたのに合わせて特集が組まれました。