ごぶさたしておりました。先週は仕事が忙しい上に風邪をひいていて、体力的にもとてもブログという状態ではありませんでした。熱はないものの一時はのどをやられてしまい「笑福亭系のだみ声(Ⓒみうらじゅん)」か建築家の安藤忠雄氏のような声だったのですが、ようやくハスキーボイスくらいまで回復しました。女性のハスキーボイスなら伊藤沙莉さんのような特徴的な声になりますが、私の場合はあまり人にお聞かせできるものでもありません。早く良くならないかな。
前置きはこの程度にしておいて、以前もご紹介しましたモデルアートの季刊誌「飛行機模型スペシャル」の今回の特集が、航空自衛隊のT-2/F-1となっています。言わずと知れた三菱製の国産初の超音速機で、初めに練習機としてT-2が、後に支援戦闘機(対地、対艦などの任務を行う)のF-1が開発されました(現在はすべて退役)。
国産機と言うこともあり、1/48ではフジミ、ハセガワから、1/72ではハセガワ、プラッツからリリースされています。T-2の場合前期型、後期型に分かれているため塗装も異なりますし、F-1開発の礎となったFST-2改、CCV研究機、もちろんブルーインパルスにアグレッサーとスタイル、カラーリングが豊富です。私もハセガワ1/72で随分作りましたし、プラッツのキットも組み立てを待っています。今号で個人的に目を引いたのは長谷川幸博氏によるXT-2と呼ばれていた試作2号機のモデルで、完成当初はナチュラルメタルでしたので、尾翼や翌端のオレンジなどを除き、銀色の機体となっています。資料が少なく、一部は推測とのことですが、パネルラインでところどころ異なる銀色も含め、異彩を放つモデルです。
T-2に比べますとF-1は配備された戦闘機部隊も3つでしたし、迷彩塗装を一部変えたものもありましたが、ほとんど緑の濃淡と黄土色の迷彩でしたのであまり変化はつきません。それでもミッションによって爆弾か、対艦ミサイルかといった選択ができますので、好みに応じて装備をつけることもできましょう。T-2、F-1の実機説明も、河野嘉之氏により模型誌としては十分な内容がされています。細部写真についても同氏撮影のものが多く掲載されています。
その河野氏によるニューキットの紹介として、ロッキードL-188エレクトラの1/144キット(Xスケールモデルズ)が掲載されています。エレクトラはP-3オライオンシリーズの原型とも言うべき旅客機で、旅客機としてはジェット時代に取り残されてしまったわけですが、それでもかつてはロサンゼルス・ドジャースの専用機として使われたとか、ターボ4発のスマートな機体は魅力があります。
連載・モデリングJASDFでは秋山いさみ氏が1/48でバンパイア(パイロットレプリカ)を製作されています。模型の完成度の高さももちろんのこと、今回は資料写真が豊富で、どうやって撮ったのだろう?というアングルも数多くありました。作者の「バンパイア愛」が伝わってくるじゃないですか。これらの豊富な資料写真を喜ぶのはたぶん日本でも片手くらいしかいないと思いますが(汗)。1/48はクラシックエアフレームのキットを挫折しているので、この細部写真でまた私も「バンパイア作りたい病」になりそうです。
さて、今回はもう一つの連載、為則通洋氏の「綿湯同院」(What are you doing?)がラストを迎えました。為則氏というと前述の河野氏らとともに、神戸を拠点に活躍されてるモデラーで、航空ファン誌のコラムで以前はお見かけしたものです。航空ファン誌時代は模型の話だけでなく、三宮のとんかつや天丼のお店の話が出ていたりして、モデラーの日常を垣間見るような記事がおもしろかったものです。連載だけでなく「70年代から続けてきた散文活動も引退」とあります。今回の記事の中に「「余生で、やってみよう」なんて先延ばしの想いはその万分の一も達成できずに終わる。これが凡人の普通」という件があり、はっとさせられました。スケールモデルにしても鉄道模型にしても、別に「余生でやってみる」なんて思っていなくて、一日が30時間くらい欲しいという生活をずっと続けていましたが、買う一方の模型に手が動いていないのは・・・と気づかされた次第です。でも、どうしようもできないのもまた、事実なのですけどね。