工作台の休日

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(私だけ!?)東急8000を語りたい

2022年08月23日 | 鉄道・鉄道模型
 先月発売の鉄道ピクトリアル(9月号)では「惜別 東急電鉄8000系」と題して、引退の近い東急8500系に合わせた特集を組んでいました。このブログを始めたごく最初の頃に、東急8000系が好き、という話を書いているくらいですから、この号も買いました。

(鉄道ピクトリアルでは2017年にも東急8000系特集を組みました(写真左))
 ご存知の方も多いとは思いますが、東急8000系と言いますと大きく三つのグループに分けることができます。長男というべき8000系が登場したのは1969(昭和44)年のことでした。新玉川線用の「次男」8500系は1975(昭和50)年に、三男の8090系は1980(昭和55)年に登場しています。8000系「ファミリー」ではありますが、共通しているのは20m4扉、一段下降タイプの側窓くらいで、特に8090系はコルゲートの少ない軽量車体を採用していますので車体断面も違い、あまり似ていない「三男」と言えるでしょう。8090系については後に前面貫通扉がついた8590というグループも出てきます。

(写真右から8000系、8500系、8090系)

(8090系(左)と比べると8000、8500とは別形式に見えます)
 ただし、8000系も8500系も製造時期によって細部が微妙に異なるところがあり、そこがファンの探求心をくすぐるものでもありました。もともとは18m3扉車の7200系という車輌がいて、一段下降窓などはこのデザインを受け継いでいます。東急のステンレスカーについてはデザイン的に連続性が見られた時代があり、側扉の窓の形、デザインなどは7000系のデザインを基本にしているように見えます。また、8090系の製造に先立って、軽量車体のデハ8400形を試作し、8000系の編成に組み込んでいますので、8090系が8000系の「ファミリー」というのはこのあたりにも表れています。先ほども述べた「デザインの連続性」については鉄道会社のポリシーみたいなものとして感じられ、そこも東急の車輌が好きな理由の一つです。飛行機ではイギリスの戦闘機スピットファイアのように、エンジンを換装したこともあって大戦初期と後半に登場したグループでは全く異なる機体に見えますが、名称を変えずにファミリーとなっていた事例もありますね。

(左が7200系、右が8000系)

(同じく7200系と8000系のサイドビュー。車体長、ドア数の違いはありますが、それ以外で共通点が見られます)
 20m車ということもあって、18mの7000系と異なり、地方での払下げもそれほど多くないのですが、8500系についてはインドネシア・ジャカルタで第二の人生を送っているものもいます。私もジャカルタに数年前出張したことがあるのですが、その時は旧東京メトロ車を見かけただけでした。
 さて、私は高校時代に毎日のように東急のステンレスカーにお世話になりましたが、その頃は東横線の各停が8000系、急行に8090系、一部の急行と各停に8500系が入っており、田園都市線は8500系が占めていました。模型でもこの時代を再現しています。東急のステンレスカーの「銀色」は毎日実物を見ていたのでこだわりたいところです。
 8000系についてはグリーンマックスの板状キットを組んでいますので、8500系と車体が共通のため、正確には乗務員扉の位置が少し違うのですが、車体色についてはMr.カラー8番の銀色をよくかき混ぜた上で上半分を別の瓶に入れ、そこに少量のクリアーブルーを入れ、エアブラシで吹きました。また、インレタ等の保護を兼ねてクリアーに少量のクリアーブルーを混ぜたものを薄く吹き付けています。間近で見るとステンレス車体はクリアー系の塗料で保護をかけたようなつやがあるので、模型でもそれを再現しました。屋根は東横線の仕様では少し青みがかった明るい灰色なので、Mr.カラー308番などを中心に調色しました。
 8500系はクロスポイントの未塗装車体一体成型のキットです。車体色はMr.カラーのスーパーファインシルバーとし、こちらもインレタ等の保護を兼ねてクリアーを薄く吹いています。これでスーパーファインシルバーのややぎらついた銀色の輝きが抑えられる感じです。屋根は地下鉄乗り入れ車と言うことで汚しをかけており、屋根の色そのものもジャーマングレーなどを調色して吹き付け、さらに茶系の色をオーバースプレーしています。
 8090系ですが、こちらも板状キットです。JRの205系と同様に窓回り、ドアなどの銀色はつやが無いのが特徴ですが、自分の腕が伴わず、上手に再現できていません。いずれリベンジしたいのですが、なにせマスキングが大変なので気力がもつかどうか・・・。
 長男8000系は前面に赤帯を入れた時期もありましたが、あとはあまり塗装等の変化はありませんでした。それに比べると8500系は青い帯を入れたりして、こちらも似合っておりました。

(青帯、シャボン玉塗装はGMの完成品です)
私の拙い作例のご紹介も兼ねつつ、東急8000系列について説明いたしました。8000系、8090系が一足先に姿を消している中、8500系はまだ若い車輛のように思っていましたが、本線上から引退というのは、やはり時代の流れを感じます。本線上を走っているのが当たり前すぎて「わざわざ乗りに行く」車輌ではないのですが、学生時代だけでなく、大人になってからも随分とお世話になったと、この稿を書きながら思い返しておりました。
 
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