たまたまRBB主催の「激動するトリプルプレイ・FTTH放送事業に迫る」に参加する機会をもらったので、いそいそと会社を抜け出し参加、CATV、スカパー、NTTのトリプルプレイ戦略について聞いた。この人選を見ても、やはり、制度的に枠をはめられ同時に「責任」を求められる通信業界では、Yahoo!というのはまだまだ異端児でしかないのだろう。
印象としては、伊藤編集長の言葉にもあったが、放送と通信の融合と言われつつ実体は伝送路として光ケーブルが使えるようになっただけ。融合と呼ぶには道まだ遠く、他社に遅れまいという姿勢が伝わってきた。そんな中で「4thメディア」だけがが新しいビジネスモデルにかかんに挑戦しているといった感じだ。
トリプルプレイ(「映像」「電話」「インターネット」)を考えるに当たっては機能的にいくつかの階層にわけて考えると整理しやすいかもしれない。まず「インフラ」、これは文字通りNTTの局舎などからユーザー宅までの物理的な伝送媒体のこと。実際には「光ケーブル」か「同軸ケーブル」あるいは「ADSL」などのメタルケーブルのいずれを利用するか、また自社で敷設するか、NTTや自治体などの敷設済みのケーブルを借りるかといった、サービスとして利用するかといった形態がある。
続いて「プラットフォーム」、細かい区分はいろいろあるのだが、ここではざっと「提供主体」「課金機能」「場の提供」「全体のコーディネート」くらいの意味でとってもらえばいいと思う。そうして「コンテンツ」部分にあたるものとして、「ISP」と「IP電話」、そして「映像」の中でも「放送」と「VOD」に分けて考えてみたい。
この「インフラ」「プラットフォーム」「放送」「VOD」「ISP」「IP電話」という機能について、どのように考え、どう展開していくかについて各社の違いが現れている。
ジュピターテレコム(CATV事業者)はそもそも放送から出発していることもあり、また既に全てを提供していることもあり、6つの機能を「垂直統合」し、全てを自社で提供しようとしている。NTTなどのインフラに頼らずとも既に自社でユーザー宅までケーブルを敷設していることが強みであり(アクセスチャージなどが必要ない)、「光化」をどこまで行うかはコストととの見合いで決定するというスタンスだ。
これに対しスカパーの子会社であるはオプティキャストはあくまで衛星放送の補完という位置付けで、「放送」と「プラットフォーム」を強化するという位置付けで、「VOD」「IP電話」を自社で展開すもる予定はなく、また「インフラ」について他社を利用しつつ展開していく。
「CoDen光サービス」(NTTコミュニケーションズ)は通信会社らしく、(「インフラ」)「プラットフォーム」「ISP」「IP電話」「VOD」を自社で提供しつつ、「放送」はスカパーやCATV事業者などと提携し見かけ上の「垂直統合」を目指す。
今、「トリプルプレイ」が盛んに叫ばれている理由の1つとして、複数のサービスを1つのインフラで提供することでユーザーに対しては割安感を、事業者にとってはARPUの増大を目指すことがあげられるだろう。この目的を考えた時、CATV会社やNTTコミュニケーションズのとった戦略というのは、それぞれの立場から非常に妥当な選択たろう。「垂直統合」によって自社の顧客に提供するサービスを高めつつ、面的な拡大を果たす。そこには取り立てて新しい魅力はないものの必要最低限の要素を満たしているといった感じだ。
これに対して、興味深かったのが「4thメディア」だ。多少、ごまかされた感はあったものの、基本的には直接サービスを提供するというよりは「場」の提供を目指すというスタンスに立ち、今回参加した事業者の中では最も「放送」と「通信」の融合に取り組もうとしている。
4thメディアが目指すものが「プラットフォーム」部分だ。後はそれぞれの事業者がその「場」を利用してエンドユーザーにサービスを提供する。ただし現状そこまで市場が成立していないので、4thメディア(orぷらら)が中心となって「放送」や「VOD」を提供しているが、必ずしも「4thメディア」が提供する必要はない。インフラにはNTT東西が、ISPにはぷららを始めBIGLOBE、@Nifty、hi-ho、So-Netが提供可能であり、目指すのはあくまで各事業者の裏側で「場」を提供する「水平統合」モデルだ。(まぁ、ここに参加しているNTTよりのISPの深慮遠謀を測ることはできないのだけれど…)
これまでの電話交換網モデルの崩壊後、ただのケーブル屋さんに成り下がりつつあるNTTが、新たなるプラットフォームの提供を目指すというのが「4thメディア」の役割というところなのだろう。
では、この4thメディアが今後の「放送」と「通信」の融合で中核的な役割を果たすかというと、これもなかなか簡単ではない。
まず安定運用のために、またあくまでも「映像」部分を中心とした水平統合モデルということもあって、「ISP」「IP電話」「映像」といった三つのIP網の統合効果が薄い。事実、ぷららでは3っのIP網を物理的にも分けているという。今後、一段と価格競争が激化するということが予想される中で、果たしてこのモデルで耐えうるのか。
もう1点、質問にもあったがあくまで「IP放送」を目指すため、最大のコンテンツホルダーでもある「地デジ」を含めた「地上波」の再送信が技術的・制度的にもできない。言ってみれば4thメディアの目指す「放送」とは「スカパー」なのだ。地上波のマスを対象に乱雑に吐き出される番組ではなく、ある程度セグメント化された層を対象としたチャンネルをIP化し放送するのだ。
これはユーザーからすると「地上波」を受信する仕組みに加えて、4thメディアと契約するということになる。せっかくNDRのような興味深いサービスが検討されているだけに、このことは非常に残念だ。
CATVはその地域密着の方針のため、極端な話市町村単位で事業者が存在し、どうしても高コスト体質にならざろうえないだろう。NTTコミュニケーションズは現実的な対応として、「放送」部分を他社と組むことを選択したわけであるが、言い換えればIP化によるコスト削減効果の一部を預けた形であり、どうしても出来合いのものを並べた感が強く、ユーザーに新しい価値を提供するものではない。いみじくも講演中に言われたとおり、「代わりあるサービス」の集合体でしかないのだ。
現段階ではインターネット用に引き込んだ「光ケーブル」の余りの心線にTV放送を流しましょうといったくらいの融合しか進んでないのだ。
印象としては、伊藤編集長の言葉にもあったが、放送と通信の融合と言われつつ実体は伝送路として光ケーブルが使えるようになっただけ。融合と呼ぶには道まだ遠く、他社に遅れまいという姿勢が伝わってきた。そんな中で「4thメディア」だけがが新しいビジネスモデルにかかんに挑戦しているといった感じだ。
トリプルプレイ(「映像」「電話」「インターネット」)を考えるに当たっては機能的にいくつかの階層にわけて考えると整理しやすいかもしれない。まず「インフラ」、これは文字通りNTTの局舎などからユーザー宅までの物理的な伝送媒体のこと。実際には「光ケーブル」か「同軸ケーブル」あるいは「ADSL」などのメタルケーブルのいずれを利用するか、また自社で敷設するか、NTTや自治体などの敷設済みのケーブルを借りるかといった、サービスとして利用するかといった形態がある。
続いて「プラットフォーム」、細かい区分はいろいろあるのだが、ここではざっと「提供主体」「課金機能」「場の提供」「全体のコーディネート」くらいの意味でとってもらえばいいと思う。そうして「コンテンツ」部分にあたるものとして、「ISP」と「IP電話」、そして「映像」の中でも「放送」と「VOD」に分けて考えてみたい。
この「インフラ」「プラットフォーム」「放送」「VOD」「ISP」「IP電話」という機能について、どのように考え、どう展開していくかについて各社の違いが現れている。
ジュピターテレコム(CATV事業者)はそもそも放送から出発していることもあり、また既に全てを提供していることもあり、6つの機能を「垂直統合」し、全てを自社で提供しようとしている。NTTなどのインフラに頼らずとも既に自社でユーザー宅までケーブルを敷設していることが強みであり(アクセスチャージなどが必要ない)、「光化」をどこまで行うかはコストととの見合いで決定するというスタンスだ。
これに対しスカパーの子会社であるはオプティキャストはあくまで衛星放送の補完という位置付けで、「放送」と「プラットフォーム」を強化するという位置付けで、「VOD」「IP電話」を自社で展開すもる予定はなく、また「インフラ」について他社を利用しつつ展開していく。
「CoDen光サービス」(NTTコミュニケーションズ)は通信会社らしく、(「インフラ」)「プラットフォーム」「ISP」「IP電話」「VOD」を自社で提供しつつ、「放送」はスカパーやCATV事業者などと提携し見かけ上の「垂直統合」を目指す。
今、「トリプルプレイ」が盛んに叫ばれている理由の1つとして、複数のサービスを1つのインフラで提供することでユーザーに対しては割安感を、事業者にとってはARPUの増大を目指すことがあげられるだろう。この目的を考えた時、CATV会社やNTTコミュニケーションズのとった戦略というのは、それぞれの立場から非常に妥当な選択たろう。「垂直統合」によって自社の顧客に提供するサービスを高めつつ、面的な拡大を果たす。そこには取り立てて新しい魅力はないものの必要最低限の要素を満たしているといった感じだ。
これに対して、興味深かったのが「4thメディア」だ。多少、ごまかされた感はあったものの、基本的には直接サービスを提供するというよりは「場」の提供を目指すというスタンスに立ち、今回参加した事業者の中では最も「放送」と「通信」の融合に取り組もうとしている。
4thメディアが目指すものが「プラットフォーム」部分だ。後はそれぞれの事業者がその「場」を利用してエンドユーザーにサービスを提供する。ただし現状そこまで市場が成立していないので、4thメディア(orぷらら)が中心となって「放送」や「VOD」を提供しているが、必ずしも「4thメディア」が提供する必要はない。インフラにはNTT東西が、ISPにはぷららを始めBIGLOBE、@Nifty、hi-ho、So-Netが提供可能であり、目指すのはあくまで各事業者の裏側で「場」を提供する「水平統合」モデルだ。(まぁ、ここに参加しているNTTよりのISPの深慮遠謀を測ることはできないのだけれど…)
これまでの電話交換網モデルの崩壊後、ただのケーブル屋さんに成り下がりつつあるNTTが、新たなるプラットフォームの提供を目指すというのが「4thメディア」の役割というところなのだろう。
では、この4thメディアが今後の「放送」と「通信」の融合で中核的な役割を果たすかというと、これもなかなか簡単ではない。
まず安定運用のために、またあくまでも「映像」部分を中心とした水平統合モデルということもあって、「ISP」「IP電話」「映像」といった三つのIP網の統合効果が薄い。事実、ぷららでは3っのIP網を物理的にも分けているという。今後、一段と価格競争が激化するということが予想される中で、果たしてこのモデルで耐えうるのか。
もう1点、質問にもあったがあくまで「IP放送」を目指すため、最大のコンテンツホルダーでもある「地デジ」を含めた「地上波」の再送信が技術的・制度的にもできない。言ってみれば4thメディアの目指す「放送」とは「スカパー」なのだ。地上波のマスを対象に乱雑に吐き出される番組ではなく、ある程度セグメント化された層を対象としたチャンネルをIP化し放送するのだ。
これはユーザーからすると「地上波」を受信する仕組みに加えて、4thメディアと契約するということになる。せっかくNDRのような興味深いサービスが検討されているだけに、このことは非常に残念だ。
CATVはその地域密着の方針のため、極端な話市町村単位で事業者が存在し、どうしても高コスト体質にならざろうえないだろう。NTTコミュニケーションズは現実的な対応として、「放送」部分を他社と組むことを選択したわけであるが、言い換えればIP化によるコスト削減効果の一部を預けた形であり、どうしても出来合いのものを並べた感が強く、ユーザーに新しい価値を提供するものではない。いみじくも講演中に言われたとおり、「代わりあるサービス」の集合体でしかないのだ。
現段階ではインターネット用に引き込んだ「光ケーブル」の余りの心線にTV放送を流しましょうといったくらいの融合しか進んでないのだ。
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