うーん。 難しいデス。
純愛なのかもしれません。
作品の前半と、後半では、すこし、感想が違います。
私は、自分の立場(職業欄に書くであろう事)からいえば、主人公にも、ヒロインにも感情移入は出来ませんでした。
両極の世界も、私には無縁だったし、これからも、まったく接点無く過ごすでしょう。
小説としては、あまり、好きな部類ではありません。
ハッピーエンドじゃないんで・・・。
そんなわけで、全篇を通して、心をうたれるとは言い難かったのですが、何箇所か、共感する一節がありました。
著作権の問題もあるので、引用は出来ませんが、
サカガミさんというベテランの1型患者さんの言葉が、一番、私の心に残っています。
「親にもカミングアウトできなかった事」
「時折、インスリンセットを、二階の窓から放り出したくなった事」
また、主人公が、
「1型糖尿病患者は、いつも、身体(血糖値)を最優先に考えなきゃならないこと」
ヒロインが、
「発症前に戻れたら・・」
以下、作品としてでなく、「1型」部分の、私の感想デス。
二十代で結婚後に発症した、三十三歳のヒロインなら、発症して10年くらいかな・・と想像しました。
インスリンを食後射ちにしているところからも、神経障害による胃排泄遅延なのかな。
ソレまでのコントロールは良くなかったんだろうな・・・。
合併症で肝機能の低下は、今まで聞いた事がなかったけど・・。
食事の場面は何度も出てきたけど、インスリンを射つ描写は少なかったし、
なにより、SMBGの場面は一度もなかったので、
コントロールがつかないなら、測定すべきじゃないかな。
ビール、射たないで呑んだら上がるよぉ。
あとがきに、「文中の1型糖尿病に関しての文責は著者にあります。」とあったのと、1型DMの支援団体のことが記述されていたのは、嬉しく思ったけど、小説の内容は、1型の啓蒙と言う点では、どうなんでしょうか・・・・。
ただ・・・。
時折、医療者が、「1型患者は、毎日、注射しなくちゃならないことが辛いんだ」と勘違いしていることよりは、患者寄りの内容だったように思いました。
コレは、私の個人的な感想デス。
真逆の感想も、人それぞれデス。
IDDMの内容でなければ、自分の感想を、ココまで書くことはなかったでしょう。
病気が大っキライなせいだと思います。