突然,不治の病になりましたとさっ。

病気が大っキライです。
何年経っても受容できず、コントロールの愚痴、毎日の出来事を愚痴る後ろ向きブログです。

元主治医センセ

2018年05月12日 | MY主治医と病院

私が、内分泌がご専門ではない呼吸器内科の「元、主治医センセ」に12年掛かっていたことは、いつもネタにしておりましたよね。

最初の頃、元センセの2型治療としか思えないご指導に反発して、「いいえ、センセ」「ですが、センセ」「違います、センセ」とバトルしていたネタは数多いです。

 

 

でもね。

 

今でも、元センセへの信頼は変わりません。

理由は、こーゆー事なんだと思う記事があったので転載します。

 (えっと、著作権の問題があるかと存じますが、私のココはお仲間さん以外は非公開なので、なにとぞご容赦くださいますようお願い申し上げます。)

 

 

   —---- ♪  -----  以下、引用。m3.com 様より。

 

 

ふつうの内科医が目指す“総合内科的医療”の普及

“うちじゃないと言わない”“それ本当?”を大事に
オピニオン 2018年5月11日 (金)配信JCHO星ヶ丘医療センター総合診療部 医長 小嶌 祐介

小嶌 祐介 Yusuke Kojima

JCHO星ヶ丘医療センター総合診療部 医長

中央が筆者

【略歴】奈良県出身。2005年滋賀医科大学医学部卒業後、医仁会武田総合病院初期研修医・消化器内科後期研修修了を経て、2012年から洛和会丸太町病院総合診療科で医員として勤務し、2016年から現職。


 所属学会・取得資格は日本内科学会認定内科医、同学会総合内科専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医、同プライマリ・ケア認定医。

 私は大阪府枚方市にある星ヶ丘医療センター総合内科に勤務しています。急性期とリハビリ病床を合わせて580床の総合病院です。当科では複数の問題を抱える高齢者や主訴が特定の専門科に該当しにくい初診、診断のつかないケース、救急受診、院内からのコンサルテーションへの対応などを担当しています。よく言われることですが患者さんが診断名をぶら下げてやってくるわけではありませんので、結果として多様な疾患を初期対応から診断まで担当し、続いて院内他科への紹介、大学病院への紹介、場合によっては当科で治療を提供することになります。

 現在医師数は7人、入院患者数は平均して20人前後です。疾患名として誤嚥性肺炎や尿路感染が多いことは当然ですが、いわゆるサブスペシャルティでいうところの内分泌疾患や血液疾患、感染症、膠原病、神経疾患などを診療する機会もあります。総合病院といっても専門科のない領域も多く、なるべく院内の隙間を埋めるよう努力しています。一方で肺炎以外の呼吸器疾患や典型的症状で発症する脳梗塞、稀な神経変性疾患、手技的治療の対象となるような消化器および循環器疾患は院内の専門科にお任せすることが多くなっています。もう少し救急や集中治療の領域での仕事が増えることが当面の目標です。

 私がここに就職したのは2年前になりますが特別な経緯はなく、どこかと比較して選んだわけでもなく、単に自宅から通勤できる範囲にある「総合内科」だったからです。前職では上田剛士先生で有名な丸太町病院の総合診療科にいましたが、家庭の都合で転居したため通勤できなくなり、不本意ながら転勤を選びました。有名どころに所属してはいましたが私自身はふつうの内科医であり、総合内科を指揮するつもりも特になく、求められるものに応じて臨機応変に働くことを想定していました。

 星ヶ丘の総合内科は数年前から存在はしていたものの、スタッフ・症例・教育・院内での認識などすべてが不足していて、そのままでは潰れてしまいそうな状態でした。当時は徳田安春先生がJCHOの顧問だったのでときどき教育回診に来られていましたが、院内や地域に告知をしても若手医師は集まらず、熱心な学生が徳田先生目当てでイベントには参加するものの当院自体は研修先に選ばれないままでした。日常の業務においては専門科の狭間に埋没して魅力がない、ということが気の利いた若者にはお見通しだったのかもしれません。

 それでもJCHOと病院の上層部は地域の需要に応じるために総合内科を維持発展させるという意向を示していました。そこで私は総合内科の人員と仕事を増やすことを目標に、まずは自分の知る総合内科らしさを実行することにしました。丸太町病院の真似事ではありますが、少ないスタッフと一緒に回診をして病歴を聴取し身体診察を行い、検査の前に鑑別を挙げて無駄な検査を減らし、夕方には集まってカルテの確認をして、すべてのプロブレムを挙げて、治療には根拠を求め、基本的な知識について教育を提供し、ネットに掲示板を作って参考資料を共有し、製薬会社からの情報提供は受けず、常に英語情報を参照するという態度を見せ、勉強会で症例提示をして院外にも発信しました。最近では多くの病院で同様の実践がなされているようなので、「総合内科はじめました」と言うためには、ここがスタート地点なのだろうと思います。

“うちじゃないと言わない”“それ本当?”を大事に

 総合内科やこういう仕事をしている自分が生き残るために、私は“うちじゃないと言わない”受容的態度と“それ本当?”という批判的精神、この二つの要素を大事にしています。いずれも尊敬する二人の先輩医師からそれぞれ聞いた言葉です。前者については、専門科の隙間で自分の仕事を確保するために取るべき態度です。ふつうの内科医であって特定の専門分野を持たない私には“うち”という領域がないので、“うちじゃない”と言うと仕事が無くなるからです。

 念のために申し上げますが、専門分野に特化して診療している医師を批判する意図はまったくありません。正確に言うと、個人的には外傷と小児と産婦人科は診られないので、すべての初期対応に“うちじゃないと言わない”わけではないし、内科疾患を診断したとしても自分たちで治療を提供してよいかどうかは常に慎重に判断しているので、最終的には“うちじゃないと言っている”場合もあることになります。そのような留保のある受容的態度ではありますが、結果として院内や地域からのいろいろな需要に応じている(と思う)し、無用な軋轢や衝突を未然に防いでいる(かもしれない)し、一人の患者さんに複数の問題があるときに、そのうち一つだけではなく、多くをまとめて扱うことができます。多様な診療機会によって研修医を教育することもできます。もう一つ重要なことですが、そのような態度で得られる経験と知識の蓄積こそが、将来も“うちじゃないと言わない”自分を育てているのであって、他の方法はないと思います。

 二つ目の“それ本当?”という批判的精神は、診断や治療の妥当性を常に吟味するために持ち合わせるべき心構えです。ある診断や治療について“それ本当?”と聞かれたら、

 

・どんな患者さんに(P)
・どのような検査あるいは治療を実施したら(I)
・しない場合あるいは別の手段を実施した場合と比較して(C)
・何がどうなる?(O)


と聞かれていることになります。文脈としておかしいことを言ってるかもしれませんが、そういうことなのです。「誰かが言っていた」とか「前の病院ではそうしていた」では答えになりません。周囲に倣って行っている医療が実は無意味であったりコストが高いだけだったり根拠がいつの間にか覆されていたり、場合によっては有害だったりすることはしばしばあります。

 高齢の患者さんは複数のプロブレムが相互に影響していることも多く、知識が充実したとしても適用する文脈が一致しないこともあります。正しい意思決定を自立して行うためには、具体的に問題を設定し、教科書や文献を確認し、情報を取捨選択して、それを読み解くリテラシーが必要です。個別の価値観へも配慮しないといけません。つまり根拠と患者の要望に基づく医療です。などと偉そうに言っていますが、いまだに英語や統計の理解に困難を感じることがあるし、すべての問題について正解を知ることはできないし、ガイドラインに目を通すだけでやっと、という場面もしばしばあります。それでも年数が経つほど肝腎なことは自分で判断しなければならないので、以上のような意思決定の作法を繰り返して修得することは重要だと思います。

 総合診療科あるいは総合内科という部門に所属する以前の私は、ふつうの総合病院で初期研修を受け、消化器内科の後期研修を修了した後に内視鏡ばかり握っているのが嫌になって市中の一般内科を転々としていました。明確なビジョンがあったわけではありませんが、同じく医者である父親が自分のことを内科医としか言わなかった(言えなかっただけかもしれないが)という影響と、正しいことを広く知りたい、という気持ちが強かったことで特定の専門内科を選べなかったといえます。

スーパーDr.Gじゃない、ふつうの内科医が取り組む意義

 専門を選ばずにやりたいことを優先してきて現在の仕事をしていますが、総合診療や総合内科というものが、数少ないスーパーDr.Gによって布教されるものばかりでなく、ふつうの内科医によって普及されることはそれなりに意義があると思います。高齢者を総合的に診る、専門科の隙間を埋める医師は多くの病院や地域で需要があり、どこにでもいる内科医で対応することが、いくらかの努力を要するもののいちばん簡単ではないでしょうか。その努力の内容についても、自分のようなふつうの内科医にこそよくわかることがあります。直腸診やグラム染色を初めて経験しました、論文など読んだことありません、意思決定は上司の言う通りにしていました、と言う若手医師は過去の自分と同じだからです。

ある日の勉強会風景。各自の端末でデジタルの教材を見ながら進めます。

 すべての研修医が有名病院でスーパーDr.Gの教育を受けられるわけではありません。そのような環境を経験しなかった医師が10年程度をかけて総合内科を実践していくために、自分がこれまでに感じたこと、行動したこと、必要な知識、などを提供していくことで、この分野の裾野というか間口を広げることができると思います。

 なお、総合診療とか総合内科という用語は自分の所属してきた部門に応じて適当に使用しています。紛らわしくてすみませんが、新専門医制度に付随して議論の対象となっている「総合診療」という専門領域の定義とは関係ありません。病院の総合内科を専門領域と認定するべきかどうかという議論にもあまり興味はありません。専門家と認定されなくても仕事は成立するし、多様な問題への正しいアプローチを検討する毎日は楽しくやりがいがあります。

 当科は一部の有名な総合診療科に比べるとものたりない部分もありますが、有名病院で教育を受ける機会のなかった人や、興味の対象を特定の専門分野に絞れない人、専門科へ進む前に内科の基礎を広く経験したい人、うちじゃないと言いたくない人、それ本当?って思っている人、自称“ふつうの内科医”の人、等々は、当科での勤務を検討していただければ嬉しいです。一緒に勉強しましょう(とはいえ、新しい制度で枠組みの設定された総合診療専門研修をしたいという方のために、近隣の協力施設とともに認定されたプログラムもあります)。

 本稿のおしまいに中期的な目標を掲げてみます。まず組織としての目標は、人材の流動性を保ちながら科が存続することです。とてもありがたいことに奈良医大感染症科や阪大総合診療科からも協力をいただき、現在は複数人の後期研修医がいます。このまま総合内科が成長しつつ、患者アウトカムの向上や地域医療への貢献を達成し、若い医師が経験を積むことができればよいと思います。そして個人的な目標は、これまでやってきたこととの連続性を大事にして40代を生きること、人生の後半に向けて自分の社会的価値を稼ぐことです。そのため勤務地域に限らず総合内科の普及に関与したいと考えます。たとえば居住している京都府南部は僻地というほどではないものの高齢者は多く、医師は少なく、総合内科的医療の発展する余地があると思います。私に出来ることは限られていますが、住人のひとりあるいは内科医として、地域を支えている医師の方々と協力して勉強会などを開けないかと思います。地域の関係者の方がもしこの記事を読んでいれば声をかけてください。

 

 

    -----   ♪   ----  引用、終わり。

 

 

元センセのご専門は「呼吸器内科」だったけど、普通の内科医ではなく、総合内科医っていうプロフェショナルだったんだな・・って有難く思っています。

 

ほーんと、シアワセな患者でございます。

 

 

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/602145?dcf_doctor=false&portalId=mailmag&mmp=MD180511&dcf_doctor=false&mc.l=292815764&eml=3e8d9dc0986ac03df55512eb112b4e27

元ネタです。