先日、携帯ブログでお伝えしたように、東福寺の方丈へ行ってきました。東福寺は紅葉の名所として知られていますが、この季節は新緑がとてもきれいです。東福寺を訪ねるのは、今月に入って2回目です。1回目は通天橋と開山堂を訪ねました。
今回は、方丈です。方丈とは、禅寺における僧侶の住居で、後には応接の間の役割が強くなった建物です。明治14年の火災により、仏殿、法堂、庫裏(くり)とともに焼失しましたが、明治23年に再建されました。方丈には、東西南北に庭が配され「八相の庭」と称されています。禅寺の方丈には多くの名園が残されていますが、四周に庭園を巡らせたものは東福寺の方丈のみだそうです。作庭家の重森三玲氏によって昭和14年に完成されたものです。東福寺の創建年代の鎌倉時代庭園と近代の抽象的構図を取り入れた名園です。
建物に入って最初に見るのは「南庭」です。
庭を面して座ると、左(東)の石は、古来中国の思想の仙人が住むという4つの島を表し、渦巻く砂紋によって「八海」を表しています。お寺の方に伺ったら月に2回ほど、庭師の方が早朝に整備されるそうです。ちなみに前回紹介した開山堂の市松の砂紋は、雲水さん(修行僧)が整備されているそうです。なお、右(西)の築山は「五山」を表しています。
続いて「西庭」です。さつきの刈り込みと砂地、くず石で市松模様ができています。また、途中には「通天台」と呼ばれる舞台が設けられています。眼下には峡谷に広がる新緑の海が見え、法堂から開山堂にかけられている通天橋を眺めることができます。かつて通天橋がなかった頃、法堂から開山堂へ行くのには、一度下に降りて谷を渡っていました。その僧たちの労苦を救うために通天橋が創建から100年以上すぎてから架けられたのだそうです。
続いて「北庭」です。秋には、背景の紅葉の赤と、唐楓の黄金色とのコントラストがとてもきれいだそうです。丸い形のサツキと市松模様が印象深いです。
市松模様は、ウマスギゴケ・・・おいしそうなお名前(^^)と敷石です。野鳥が良い声で鳴いて遊んでいました。セキレイの仲間かな?
そして「東庭」です。円柱の石で北斗七星を表しています。この石は、先にご紹介した東司(トイレ)の柱石の余石を利用したものです。なお、廊下をはさんで反対側は、先ほどご紹介した「南庭」です。
これで方丈を1周です。この日は、早く出かけたため、人も少なく、ほとんど貸切状態で静かに庭を眺めることができました。庭を眺めながら、何を表しているのかな?などと考えていましたが・・・やがて「無」の境地となります。早い話が、何も考えず、ぼぉーってしてるってことですけど・・・。すいません。(^^;)
この後は、通天橋の下に広がる峡谷など、まだまだ境内をご紹介します。次のブログにて。