今日は岩倉にある「妙満寺(みょうまんじ)」へ行ってきました。妙満寺を創建した日什大正師(にちじゅうだいしょうし)は、もと天台宗の高僧でしたが、故郷の会津で日蓮大聖人の教えに触れられると、67才という高齢にもかかわらず宗を改め、そして68歳の時に六条坊門室町に「妙塔山妙満寺」を建立し、根本道場とされたそうです。
その後、数々の兵火や困難に遭い、天正11年(1583)豊臣秀吉の時代に寺町二条に移され400年にわたり「寺町二条の妙満寺」と親しまれてきましたが、近代になり都市化が進み日毎に増す喧騒と環境悪化を避けるため、昭和43年に「昭和の大遷堂」を挙行し、現在の岩倉の地に移っています。右上写真:半夏生 左下写真:菩提樹の花
門をくぐると、まず仏舎利大塔に目が行きます。昭和48年に、インド・ブッダガヤ大塔をかたどって建立されたものです。
ちなみに、インド・ブッダガヤ大塔は、お釈迦さまが悟りを開かれた地に建つ高さ52mの大塔で、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
本堂からは比叡山がきれいに見えます。仏舎利大塔と比叡山・・・なんだか印象的で不思議な眺めです。
本堂内部、方丈を拝観することができます。(拝観料:300円)方丈には、縁あってこの寺に安置された「安珍・清姫の鐘」があります。歌舞伎「娘道成寺」のもとになった「安珍・清姫の恨みの鐘」の話を聞いた「秀吉根来攻め(1585)」の大将・仙石権兵衛が鐘を掘り起こし京都に持ち帰り、妙満寺の僧正の法華経による供養で怨念を解かれたと伝えられています。
方丈の庭は、俳諧(俳句)の祖といわれる松永貞徳の造営した枯山水の庭で「雪の庭」と呼ばれています。現在は清水寺本坊である成就院の「月の庭」【前ぶろぐ】、北野(一説に祇園)の「花の庭」(現存しない)とともに、いずれも当初は、成就院にあったことから成就院「雪・月・花の三名園」と並び称されていたそうです。昭和43年に妙満寺が寺町二条からこの岩倉の地に遷堂した際、雪の庭の石組みをそのままに移築し、本坊の庭として復興されたそうです。
「雪の庭」の名の通り、冠雪の比叡山を借景とした眺望が最も美しい庭だそうです。雪のない今の季節も、十分美しいです。昨日に引き続き猛暑の京都でしたが、縁側に座ると、時折風が吹き、とても心地よかったです。今日は、他に訪ねる人もなく、庭を独り占めできました。
総本山 妙満寺 http://www.kyoto.zaq.ne.jp/myomanji/index.htm 参拝自由
駐車場(無料)あり 拝観料(本堂・方丈)300円 拝観所要時間:30分~