米子 西野ピアノ教室 musica felice

米子市のピアノ教室・・日々思うこと徒然なるままに。
幼児から受験生、大人の方いらしてます。
音楽は心の対話ですね。

楽譜を読む

2013-01-21 08:48:53 | おもうこと

最近・・・



この10年くらい?・・・



いや、もう少し前からかな?・・・



読譜力が弱っている気がするのです。。。



読むだけの知識はあるのですが、読もうとする気力とか、脳の使い方とかの問題のようにも思いますが。。。



聞き覚えのある曲をひいたり、前から弾きたいと思っていた(既に知っている)曲を弾くのは楽しいものです。



でも、楽譜を見て新しく素敵な曲を発見する楽しみもありますよ



「新譜を演奏する」



このキーワードで思い出す事があります。



確か私が中高生の頃、テレビでメニューインというヴァイオリニストだったと記憶していますが、音楽について何週かのシリーズで語っていた番組がありました。



その番組で子供の頃のエピソードを語っていたのですが、メニューインが子供の頃習っていたヴァイオリンの先生(もちろん超有名人のヴァイオリニスト)のところに、作曲家のラヴェルがやってきて、「新しい曲が出来たんだ。ちょっと弾いてくれたまえ。」と・・・



先生は初見で素晴らしく弾いた後、2度目には既に暗譜で弾いていた。。。



能力のある人は、このような事が出来るんです!



驚くべきことですが。。。



だって、ラヴェルの曲ですよ~~



そんなに簡単なものじゃないでしょ!



ほんとに驚きました。



何10回、、、いえそれ以上、苦労してやっとソナタを暗譜する。



という凡人の私にとって、それは神業としか思えないような行為で



もうひとつ、こんな番組も思い出しました。



これもヴァイオリニストですが、イツァーク・パールマン



私が子供の頃は、よく来日しては素晴らしい演奏を聞かせてくれていました。



どこかのコンサートの中継だったと思います。



日本の曲を演奏されたのですが、日本の情緒を深く理解した演奏でした。



その演奏について、小澤征爾さんが、「彼は楽譜を渡したら、瞬時に曲について理解して非常に情緒豊かな演奏をする事が出来るのです」と。。。



もちろん楽譜をちゃんと弾く・・・という事は当然出来るでしょうが、曲の意味や性格を読みとる事も出来ないと一流の演奏家ではないんですね。



便利なものがたくさんあり、簡単に音源が手に入る昨今、便利さとともに失ってしまう事もあるのでは?



と思います。



便利な事は悪いことではありませんが、脳が未発達の子供たちは、しっかり使わなければ、脳の発達の為に非常にダメージを受けるのではないかと危惧しています。



子供たちの脳は可能性を秘めた素晴らしい脳で、私はいつも子供は大人の何百倍も天才なんだよ!と言っています。



でも使わなければ、体だけ大人に成長しても、非常に未発達な脳・・・感情のコントロールや、考え方、行動etc.、、、の大人になってしまうのでは、、、と恐れています。



成人式で大暴れしたり、ミッキーなどと一緒に踊って喜んでいる姿を見ると、きっと江戸時代以前の15歳で「元服」を迎え、命がけで戦に出かけなければならなかった若者から見たら、恐ろしく幼稚なんだろうなぁ・・・と思わざるを得ません。



その時代から見れば、寿命も長いのですから、まあそれもいいのかな。。。多少大人になるのが遅くなっても。。。と思いますが、脳が未発達なら、年をとって50になっても大人になれない。。ってこともあるのかも。。と思ってしまいます。



子供の時期は、人間に与えられた素晴らしい時期で、この時期に良い刺激を与えれば素晴らしい発達をするのですが、また逆もあり・・・なので、大人は心して子供たちに接しなければならないのではと考えています。



何だか今日は、かたい真面目な話になってしまいましたが、ピアノだけにとどまらない子供たちの未来の重要な事なのでは・・・と考えているところです



そう、便利なものに振り回されないで、しっかり脳と感情と体を使って!!



苦労して読むことに価値はある!!



そう言いきれると思います





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最近の読書

2013-01-16 06:02:36 | 本の話

いづみこさんの本たちが面白くて、はまっています

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2013_0111_052517img_3651


画像がぼやけててすみません

ちゃちゃっと撮った写真は、こんなもんですね

青柳いづみこさんは、フランス文学者青柳瑞穂さんを祖父にもつ文才に長けたピアニスト。

なんでも、芸大時代に恩師である安川加寿子先生に「私は文章を書く方がしたいんですけど」

って言ったら、

「ピアノがもう少し整理されると文章も整理されていくでしょう」

と言われたとか・・・

さすが大物、安川先生

こうして音大教授とピアニストをしながらも文筆家として活躍する人になられてるんですね!

めちゃ面白いです

もうちょっと書きたい事あるけど、なんだか眠くなってきた・・・

すこーしだけ朝寝しようっと~~どんだけ自由なんだ~~

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ピアノ、音楽を学ぶ意味について・・・

2013-01-05 02:04:50 | おもうこと

あえて「学ぶ」



と書いてみました。



私たちは何故ピアノをはじめとする芸術を必要とするのでしょうか?



ピアノを習わせる時、



「音楽を好きになってもらいたい」



「大人になっても音楽を友として欲しい」



もちろんそうです。。。



歳を重ねても、心の友としてピアノなど楽器が弾けたりすると、どんなに素敵でしょうか。



しかし、もう少し深い意味もあると思うのです。



「芸術家」と言われる人たち・・・詩人、作家、作曲家、画家が、戦時下で一番にやり玉に挙げられるのはどうしてなのでしょうか?



ソビエト政権下での作曲家ショスタコービッチや作家ソルジェニーチン、チェリストのミッシャー・マイスキー。ドイツナチス政権下での多くの作家や画家の弾圧もありました。 特にヒットラーは若い頃画家を志し挫折したことから、前衛芸術家達とその作品を弾圧しました。



イケメンで有名なショパンコンクールの覇者、中国のユンディ・リーの先生であるタン教授も毛沢東政権下での過酷な労働を経験しています。



まだまだ多くの芸術家たちが、想像を絶する体験をしています。



もちろん日本でも戦争中は過酷な現実がありました。



私の知らない事もまだまだ多くあるはずです。



芸術家がそんな時に弾圧される・・・



何故なのでしょう?



それは、「芸術」というものが、ものの本質を見抜こうとする行為そのものだからにほかなりません。



真実とは何か?



生きるとは何か?



愛するとは?



人はどこから来てどこへ行くのか?



多くの芸術や学問がこれらの事を問い続けてきました。



自分なりにその事を問い続けながら、人生を歩いてゆくのだと思います。



より美しいもの



より正しいもの



より優しいもの



より強いもの



etc.



色々な形で、真実を探し続けてゆくのでしょう。



もちろん私も探している途中です。



おそらく10代の頃よりは近付いている気がします。



でも時には幼い人から学ぶ事もあるでしょう。



よく考える。



よく感じる。



あるときは真面目に。



ある時は愉快に。



ある時は少しふざけて。



ある時は悲しみの中で。



怒りや喜びもあるでしょう。



多くの感情の本質に迫る事が出来るように。



でも、正しいだけでもない。



楽しいだけでもない。



音楽をはじめとする「芸術作品」を前に、作家や作曲家と向き合い語れたら。。。



そんな風になるまでピアノを続けたいと思うのです。



決して難しい曲をひかなければ近付けない世界ではないかも知れませんが、とことん向き合わなければ見えて来ないのかも知れません。



耳をすまし心を開いて、本質に迫りたいと願っているのです。

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