最近・・・
この10年くらい?・・・
いや、もう少し前からかな?・・・
読譜力が弱っている気がするのです。。。
読むだけの知識はあるのですが、読もうとする気力とか、脳の使い方とかの問題のようにも思いますが。。。
聞き覚えのある曲をひいたり、前から弾きたいと思っていた(既に知っている)曲を弾くのは楽しいものです。
でも、楽譜を見て新しく素敵な曲を発見する楽しみもありますよ
「新譜を演奏する」
このキーワードで思い出す事があります。
確か私が中高生の頃、テレビでメニューインというヴァイオリニストだったと記憶していますが、音楽について何週かのシリーズで語っていた番組がありました。
その番組で子供の頃のエピソードを語っていたのですが、メニューインが子供の頃習っていたヴァイオリンの先生(もちろん超有名人のヴァイオリニスト)のところに、作曲家のラヴェルがやってきて、「新しい曲が出来たんだ。ちょっと弾いてくれたまえ。」と・・・
先生は初見で素晴らしく弾いた後、2度目には既に暗譜で弾いていた。。。
能力のある人は、このような事が出来るんです!
驚くべきことですが。。。
だって、ラヴェルの曲ですよ~~
そんなに簡単なものじゃないでしょ!
ほんとに驚きました。
何10回、、、いえそれ以上、苦労してやっとソナタを暗譜する。
という凡人の私にとって、それは神業としか思えないような行為で
もうひとつ、こんな番組も思い出しました。
これもヴァイオリニストですが、イツァーク・パールマン
私が子供の頃は、よく来日しては素晴らしい演奏を聞かせてくれていました。
どこかのコンサートの中継だったと思います。
日本の曲を演奏されたのですが、日本の情緒を深く理解した演奏でした。
その演奏について、小澤征爾さんが、「彼は楽譜を渡したら、瞬時に曲について理解して非常に情緒豊かな演奏をする事が出来るのです」と。。。
もちろん楽譜をちゃんと弾く・・・という事は当然出来るでしょうが、曲の意味や性格を読みとる事も出来ないと一流の演奏家ではないんですね。
便利なものがたくさんあり、簡単に音源が手に入る昨今、便利さとともに失ってしまう事もあるのでは?
と思います。
便利な事は悪いことではありませんが、脳が未発達の子供たちは、しっかり使わなければ、脳の発達の為に非常にダメージを受けるのではないかと危惧しています。
子供たちの脳は可能性を秘めた素晴らしい脳で、私はいつも子供は大人の何百倍も天才なんだよ!と言っています。
でも使わなければ、体だけ大人に成長しても、非常に未発達な脳・・・感情のコントロールや、考え方、行動etc.、、、の大人になってしまうのでは、、、と恐れています。
成人式で大暴れしたり、ミッキーなどと一緒に踊って喜んでいる姿を見ると、きっと江戸時代以前の15歳で「元服」を迎え、命がけで戦に出かけなければならなかった若者から見たら、恐ろしく幼稚なんだろうなぁ・・・と思わざるを得ません。
その時代から見れば、寿命も長いのですから、まあそれもいいのかな。。。多少大人になるのが遅くなっても。。。と思いますが、脳が未発達なら、年をとって50になっても大人になれない。。ってこともあるのかも。。と思ってしまいます。
子供の時期は、人間に与えられた素晴らしい時期で、この時期に良い刺激を与えれば素晴らしい発達をするのですが、また逆もあり・・・なので、大人は心して子供たちに接しなければならないのではと考えています。
何だか今日は、かたい真面目な話になってしまいましたが、ピアノだけにとどまらない子供たちの未来の重要な事なのでは・・・と考えているところです
そう、便利なものに振り回されないで、しっかり脳と感情と体を使って!!
苦労して読むことに価値はある!!
そう言いきれると思います