米子 西野ピアノ教室 musica felice

米子市のピアノ教室・・日々思うこと徒然なるままに。
幼児から受験生、大人の方いらしてます。
音楽は心の対話ですね。

大切なこと

2013-02-28 08:22:24 | ちびっこリトミックの考え方

もう20年も前の事です。



Kちゃんという、とても賢くてかわいらしい5歳の子がレッスンに通い始めた頃でした。



某大手学習塾に行っていたKちゃんは、「・・馬車・・」という言葉が曲名についているのを見て



「馬車っていう漢字書ける!」



と言ったのですが・・・




「Kちゃん!音楽する時はね、馬車っていう漢字が書けるより、馬車に乗ったらどんな感じがするのかな~ゆらゆらするのかな~ガタゴトするのかな~って、そういうことの方が大切なんだよ」



と、わたし・・・




私は、どちらかというと、幼い時に頭だけ使う学習に疑問を抱いています。



むしろ否定的・・・と言っても良いと思います。



幼い時は、感覚や感性が素晴らしく発達する時期。





自然に覚えたのなら良いのですが、幼い時期にあえて学習塾でこんなことを覚える必要性が全く感じられません。



このような素晴らしい時期には、その時期にこそ相応しいものを与えてあげたいと思うのです。



人間というのは、本当に複雑で繊細な生き物です。



そして、他の生物と同じように、宇宙の摂理の中で生きている・・・



それぞれの年齢や時期に、それぞれ大切な「何か」があると感じていますが、特に生まれてから7年間ぐらい・・・



小学校に上がるぐらいまででしょうか・・・この時期は特別「魔法」の時期と言いたいぐらいなのです。



たくさんの自然に触れ、お父さんやお母さん、きょうだいと楽しく過ごし、自然の素材のもので遊ぶ。。。



できれば・・・理想ですね。



自然界は驚くほど素晴らしいものを与えてくれるはずです。



本当は難しい事ではなく、身近な公園や原っぱで、あるいは米子の地ならではの、海や山で楽しく遊ぶ。



そこに、もしプラスして頂けるなら、音楽があれば素敵だな~と思います。



音楽も自然界の法則にのっとったもので、大きくなれば楽曲分析、時代考察、作曲家の人生や人生観など、



考える事、頭を使う事はたくさんあります。



またピアニストとしての肉体をどう鍛え使うか、という問題も出てきます。



前にも書いた事がありますし、レッスンでもたびたび言う事ですが、まず音楽を感じ、多くの事を考え、



どのように体を使うか・・・そういう事が一体となって演奏が成り立ちます。



筋肉や骨格が未発達な時期は、もちろん無理に指などを酷使するような演奏には不向きです。



何が一番大切かというと、どういう風に感じるか・・・という事なのです。



楽しい、悲しい、心配、せつない、元気いっぱい、怒ってる、困ってる、開いてる、閉じてる、登ってる、ハッとする、、、



書きあげたらキリがないですね。



こういうことを感じ、表現する事が、音楽活動となって、リトミックのレッスンが展開しています。



これに肉体が伴うようになれば、少しづつ演奏できます。



頭を使って楽譜を読みます。



心で感じます。



もう少し大きくなれば、こういう和声だから、開放した感じ、、不安な感じ、、先に進む感じがするんだ。。。



このフレーズはここに繋がる、、、等々、楽曲分析をしてゆく第一歩が始まります。



音楽は深く、人生の長い道のりに、音楽を携えていける事は、慰め、喜び以上のものがあります。



半世紀以上生きて来て、つくずく音楽とともに歩いて来れて良かったな。。。と感じています。



リトミックの話をかこうと思ったけど、ちょっとかたい話になっちゃいましたね―――



この世に誕生したばかりの子供たち。



素晴らしい未来が待っている事と思います。



音楽とともに歩めれば、なお一層素敵ですよ。



心で感じる大切さ・・・



伝えてゆけたら・・・と願っています





生き方も学びも古い考えを脱ぎ捨て、そろそろ新しい扉を開けなければならない・・・そんな時代になりましたね



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体の使い方

2013-02-22 10:29:51 | 音楽

このあいだ、中学生のNちゃんのレッスンをしている時、気になっている体の使い方について聞いてみました。



ピアノも上手だし、女の子らしいNちゃんですが、普段のちょっとしたしぐさ・・・体の使い方のクセ・・・のようなもの



それがピアノ弾く時にもちょいちょい顔をのぞかせ、気になるのでレッスンで常々指摘はしていたんですが・・・



「ねえNちゃん、テニス習ってたじゃん。 テニスの先生の指導で、何か言われている事なかった?」



「うーん」



「たとえば無駄な動きがあるから打球が思う方向に飛ばなかったり、球のスピードや威力が落ちてしまったり・・・そう言う事指摘されなかった?」



「あぁ、言われてました!」



体を使って自身のエネルギーを球や音などで表現するという意味では、スポーツも共通するところがたくさんあります。



ピアノもアスリートの側面があると言えるかもしれませんね。



野球のピッチャーの動きなど、指先で掴んで、その掴み方の変化でカーブとかスライダーとか・・・いろいろな球種を投げ分けるんですよね。



まあ詳しくはレッスンでお話ししていますが、感情や心、楽譜から読み取る知性、そして体をどう使うか、、、



心技体と言いますが、持っているすべて使って表現しているんですね。



なので、音楽以外の他の分野の極めているトップクラスの方のお話は、共通点があって興味深いです。



大人のピアノレッスン生の方が「こんなに色々な方向からやるんですね。奥が深いです。」



とおっしゃっていましたが、本当にそうですよね。



だから面白いんです



汲めども尽きぬ・・・です



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富田勲さんと宮沢賢治

2013-02-04 01:01:44 | 本の話

富田勲さんが宮沢賢治の世界を音楽で表現する試みをされたそうです。

「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」「風の又三郎」等々、これら賢治の作品の不思議な世界観を、大友直人指揮のオーケストラや合唱団で表現していました・・・でも驚きだったのはソリストとして迎えたのはボーカロイドの初音ミク!!

80歳を迎えた作曲家、富田勲さんの常に新しい試み・・・でもただ新しいからでは全くなく!その独特の不思議な世界観を、たまたまテレビで耳にした初音ミクの声で表現しようとされたのです。

さすが! 世界の富田勲!!

シンセサイザーの第一人者で、海外からのアーティストも来日した際、トミタに会いたい!

というほどスゴイ人。

学生の頃、初めて耳にした富田勲さんの作品の中でも非常に親しみやすかったのは、ドビュッシーの名曲をシンセサイザーで表現したもので、非常に新鮮な解釈の音作りでした。

話しは変わりますが、この富田勲さんももちろん大好きな人ですが、宮沢賢治は特別好きな人で、こういうところで繋がると私としては非常に嬉しいのです。

小6の時、国語の教科書に「やまなし」という話が載っていて・・・くらむぼんはかぷかぷわらったよ・・・

という文章を、とても不思議な世界だと感じながら読んだのを、昨日の事のように思い出します。

その時に、有名な「雨ニモ負ケズ・・・」を暗唱したのですが、なぜ暗記しようとしたか・・・?・・・子供ながらに、何か大切なものだと感じたのでしょうね。

丈夫な体を持ち、欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている。。。

でくの坊と呼ばれ、褒められもせず、苦にもされず、そういうものに私はなりたい。

特にこの部分には賢治の理想の人間像が浮き彫りにされていて、どこまでも理想を追い求めて生きた純粋過ぎる賢治の生き方が痛々しく伝わります。

「虔十(けんじゅう)公園林」

2013_0202_122105img_3692あ――ピンボケですね~~

この物語はその中でも特別に好きな話しで、おそらく賢治の理想とする人物が描かれています。

ご存知の方もあるかとは思いますが・・・

この本を友人との集まりで朗読した時、涙が止まりませんでした。

まだ読まれた事がなかったら、是非ご一読いただければ、、、と思います。

ついでに、その昔暗記した雨にも負けずも、久しぶりに声に出して読んでみました。

もしよろしければどうぞ

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル
一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニワタシハナリタイ

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