米子 西野ピアノ教室 musica felice

米子市のピアノ教室・・日々思うこと徒然なるままに。
幼児から受験生、大人の方いらしてます。
音楽は心の対話ですね。

樂家一子相伝の芸術…茶碗の中の宇宙

2017-01-07 06:23:30 | アート・文化
年末年始、瀬戸内海の初日の出を拝んだり、京都を散策したりしておりました。
京都国立近代美術館で開催されている“茶碗の中の宇宙”という展覧会を観る事、そしてこれに合わせて開催されている対談を聞くための京都行き。

樂家…ご存知の方もあるかと思いますが、茶の湯の世界。
高いお着物を着て高価な茶碗で…という事には興味は抱けないのですが、利休や織部、近代では川喜多半泥子…その思想には心打たれるものがあります。

対談は、樂家15代当主樂吉左衛門さんと小山薫堂さんという取り合わせ。
その前には、鷲田清一先生(京都芸術大学学長、前大阪大学総長、哲学者)や山極寿一先生(京都大学総長)とも対談されていて、もし知っていたら、、時間が作れたら、、是非拝聴したかったなぁ・・と思う興味深いものです。


小山薫堂さんは放送作家で、多くのヒット作を手掛けていらっしゃいます。
映画「おくりびと」や、“くまモン”の生みの親でもあります。
マイルドな人柄で分かり易い切り口でお話されるので、それに対する15代当主が語られることも大変分かり易く共感しました。

“一子相伝”とは、技術や学問などの秘伝や奥義を、代を継ぐ一人の子に伝えてゆく行為だそうです。
子供の頃から間近に代々(450年!)の歴史を経た茶碗があったり、こういう石がええんや・・などと、日常的に肌身で知らされること…。
しかしまた、釉薬(ゆうやく)は教えられず自らの力で作り出さなくてはならないそうです。


450年の歴史の中で何かがあったのだろう…と…。
何でもかんでも手取り足取り教える訳ではない…。
継承されるもの、受け継がれるものは「土」だけ…。
あとは自ら格闘して作り上げてゆくしかない。
そこに“不連続の連続”があるのだと。

これは目に見える「もの」を受け継ぐのではなく「精神性」が受け継がれてゆくのかな、、と、解釈しています。


このブログでも度々書いてきましたように「習いなきを極意とする」という利休の言葉があります。
「守破離」という言葉もあります。

極意とはたいそう厳しく孤独なもので、誰に頼ることも出来ません。
そうして苦しみ抜いて作り上げられたものの中にこそ本物があるのだと思います。
教えを守り、破り、離れる…なんと過酷な道なのだろうと思いますが、そうしなければ近付けない深い世界がある。
破るとは、教えや決まり事を、、というより、もしかしたら最終的には“己…おのれ”自らの“殻”なのかも知れません。

本居宣長も、いかんせんいかんせん(どうしたら良いか)と、弟子に問われるから教えてきたが、このように教えるという事は、本当に良かったのだろうか・・それとも、「思いのほかあしきことならんや(思う以上に悪い事なのではなかろうか)」と、打ち明けています。


こうして樂家の焼き物は長い伝統を有していますが、伝統という言葉では片付けられない不連続の連続であると言える…と語られています。

ものづくりの中に込められた世界の中にその思想を読み取る。
その中に、宇宙の全てが含まれている。
“私”そのものがミクロコスモスで、この中にこそ宇宙が繋がっている。

そのように感じました。

権力に対しても切り込んでゆく鋭さ、全ての装飾や美しい形を捨て、削ぎ落とした造形美…その中に“無限の宇宙”が存在する。

削ぎ落とし削ぎ落とし、、そうして見えた世界が真実なのでしょう。



ちょっと今日のお話はカタかったでしょうか??


最後に、、15代当主と言いますと、きちんとしたお着物を着て、、と思われるかも知れませんが、全然違います。
足首のところでしまっている綿のパンツに黒皮のジャケット、非常な切れ者、、でもユーモアもある、、大変な芸術家だと感じました。

ピアノには関係ない??・・・いいえ殆どそのまま受け取って良いと感じています
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2017年1月の予定

2017-01-04 18:55:59 | お知らせ
1月の幼児グループ&リトミック&聴音グループレッスンなどのお知らせです。

聴音Aグループ(5~6歳)・・・・1/14、1/28(土)9:45~10:30*次回よりBグループとして表示します。 

聴音AAグループ(4~5歳)・・・1/12、1/26(木)3:00~3:30*次回よりAグループとして表示します。

聴音Bグループ(5~7歳)・・・・1/14、1/28(日)9:45~10:30*A+Bとなります


聴音Cグループ(小・低学年)・・1/7、1/21(土)9:30~10:30

聴音Dグループ(小・高学年)・・・・毎(水)6:15~6:45、毎(月)5:45~6:15   
                                                  
聴音Eグループ(中学生)・・・・・1/7、1/8、1/21、1/28(土)17:00~18:00*聴音、ソルフェージュ、楽典を行います。


ちびっこリトミック・・・・・・・1/16、1/23、1/30(月)2:30~3:20(月3回50分)

幼児グループレッスン(月イチ)・・1/10(火)2:30~3:20(月1回60分)

幼児グループレッスン(通常)・・・1/17、1/24、1/31(火)2:30~3:30(月3回60分)

English Rhythmics英語で歌って踊ろう・・・1/13、1/20、1/27(金)2:30~3:20(3ヶ月10回50分)

English Rhythmics英語で歌って踊ろう1~3月期はじまります。
今月から1冊テキストも使いますが、初期はあくまで音声獲得が大切なので、耳から感じとってくださいね。
そして同時にお母さん達も英語力アップさせて生活の色々な面で楽しんでください~



今月もよろしくお願い致します

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Happy New Year!…内声を聴こう

2017-01-03 20:49:46 | おもうこと
明けましておめでとうございます!


                    
2017年も3日目が過ぎようとしています。
新年いかがお過ごしでしょうか?

年末年始、友人のお宅へお邪魔し、瀬戸内の初日の出を見てきました
画像を友人から送ってもらいましたのでアップしました!
本当に素晴らしい眺めで、瀬戸内ならではの穏やかな美しいご来光、、水面に映る光も大変美しく感動的なものでした。


主題(この場合は太陽)を取り囲む景色や、反射する光、支配する空気、飛び立つ鳥たち、待ち受ける人々の敬虔なる気持ち、、そういったもの全てが、この主題である“日の出”に参加してハーモニーを紡ぎだしているとも言えるなぁ…と感じます。

主題だけでは成り立たない…まるで音楽が織りなすシンフォニーのようですね


“主役”である“主旋律―メロディー”に気がいきがち。。
でも、主題に命を吹き込むのは、一般的にはあまり気に留められない(しかしプロはよーく聴いている)内声の動きやベースライン、ハーモニーのちょっとした移り変わりなど。

映画などでも、“名脇役”…と良く言われますが、主役はデビューし立ての若い方、、でも脇はベテランで固める…そのように思って頂いてもいいかも知れません。

目立たないところにこそ、大切なものが潜んでいる。

気にも止められない様な、ちょっとした“何でもないところ”を、よーく聴いてみましょう。

大切なものは、聴こえにくい、見えにくい。

でもそこを本当に聴いて、本当に見ないと、何ひとつわからない。

クラスでも会社でも、色んな所で、むしろ目立たず、きちんと“要――かなめ”として働いている人、、そんな人に目を向けてみましょう。

素晴らしいシンフォニーは、こうして成り立っていることを、決して忘れず、それが分かる人になる、わかる人を育てる。 
―――今年の一番大切なことと思って、皆さんでよく聴きましょうね。

                        

あらためて・・・

Happy New Ears!

Yearの間違いじゃないかって?
いいえ~これで良いのです。しかもこれは朝日新聞“折々のことば”鷲田清一先生の受け売りです。悪しからず
今年は“耳”を澄まして、よーく聴きたいものです。
“よい耳”で…本当の声は??

ではでは~~            


参考☆朝日新聞“折々のことば”より
Happy New Ears(英語の語呂合わせ)
今年こそ耳の人になろう。長く圧(お)し殺されてきた声、出かけては呑(の)み込まれた声、ぼそっと漏らされた短すぎる声、恐る恐る絞り出されたくぐもった声、今にも途切れそうな声。それらにじっと耳を傾けられる人に。「聡明(そうめい)」には耳がある。「省庁(廳〈ちょう〉)」にも。そこは天の声、民の語を聴く場所だった。その声を最もよく聴く人が「聖」。天声人語(vox populi vox dei)は「民の聲(こえ)は神の聲」という意味。
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