今公演中の秀山祭9月大歌舞伎。
夜の部で福助様が京鹿子娘道成寺を踊る。
これは昨年の秀山祭が最後の公演になった中村芝翫丈を忍んで、息子の福助様が踊ることになったのだ。
これは観なくてはならない。
でも9月はチケットを手に入れてなかった。
そこであわてて、平日の部(4時開演)を選び木曜日に、打ち合わせを早く済ませて観に行ってしまった。
こういうことが自由にできるのがフリーのいいところ。
でもだらしなくなってしまうところ。
やっぱりどこかで締めなくてはならないと思いつつ、心は舞台へ。
赤の振袖で登場した白拍子花子。
鐘供養から押し出しまでなので、もう亡霊となっていて安珍はいない。
もう花子さんの独り舞台。
引き抜きや、見得や、手つきの優美さや・・・・。
舞台上手にようやく鐘をさげることになりおいてある。
その近くに行くと、亡霊の怪しい目つきになってしまが、舞台中央では美しい踊り手てとして演じ続けるその表情の落差がすごい。
お囃子連中も一流どころで聞きごたえがある。
そして、ついに清姫の怨霊とみやぶられ、角をはやし髪をふりみだし、大館佐馬五郎(松緑)に退治されてしまい、釣鐘の上での見得で終わる。
この長い舞踊を一人で踊りきるのはすごい。
やっぱり見てよかった。
こんどはいつ演じるかわからないから。
そして帰りには、白拍子の花子さんのストラップを買ってほっこりと家路についた。
やっぱりもう、必死の仕事はやめて、ゆるゆると生活できる程度の仕事でいいかな。
まだまだ楽しみたいことがいっぱいあるから。
でも仕事を残してしまったことは後悔している。
そして土日にやろうとして、これまた家の用事と疲れでできなかった。
自由とは本当はわたしみたいな、いい加減な人には不自由なものかもしれない。