堂場舜一氏の刑事もの小説にはまっている。
知人から、この人のは面白いよと言われて、「アナザーフェイス」を買ったのが最初。
このシリーズも楽しくあっという間に全作読んでしまった。
そのあと「ルーキー」という新作を読み、次に「刑事 鳴沢了シリーズ」を手に取ってしまった。
これがいけなかった。
ほんの1~2冊、シリーズのさわりだけ読んで、堂場作品に触れるつもりだったのが、どっぷりとはまって、1週間に1冊(電車の中で)のペースで1巻の「雪虫」から9巻「偽装」まで一気によんでしまった。
まるで中毒になったように、むさぼるように読みふけった。
新潟県警から出発した鳴沢了が、事件を通して親との葛藤、祖父への悔恨、そして警視庁に転勤し、友人との別れ、新しい相棒、恋人の登場・・・。
1作ごとに人は繋がり、そして別れる。
その人生ドラマに事件がかかわっている。
だから読んでいても、ただの推理小説と違う面白さがある。
小節の中の登場人物が、違う巻でもまたでてきたりと、一遍の連続ドラマを見ているようだった。
そして最後はハードボイルドな犯人逮捕。
もう、手に汗握る描写なのだ。
最後の部分だけでなく、ストーリー全体にわたっての人物や背景の性格、描写も細かく、まるでTVドラマを見ているように、読んでいる風景が目の前に広がってくるようだ。
今、9巻を読み終わったのだが、最後の10、11巻は上下で「久遠」というタイトル。
なぜか終わってしまうのが惜しくて、手を出せずにいる。
そのかわり新作の「複合捜査」を買ってきた。
その作家の本が気に入ると、そればっかりを読むというクセがある。
ある時は田辺聖子ばっかりの時もあった。
またある時は、むさぼるように池波正太郎の梅安シリーズを読んだ。
ジャンルを問わず面白かったら、お腹が一杯になるまで読むのが私流。
きっと鳴沢了シリーズも最終巻をいつかは買うかもしれない。
そして満腹感を味わうことだろう。
でも終わってしまったという空虚感も一緒に味わわなければならないのが残念だ。
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