myself

私はそんなに強くないし
私はそんなに優しくもない

だから
ひとの好意に甘えているかもしれないし
ネガティブな気持ちにもなっている

今までの私はごく普通の暮らし
仕事も面白くなっていて
好きなものも自由に食べられて
時々は芝居をみたり旅に出たり・・・

しかし私は黒天使に会ってしまった
その翼のおこす風の冷たさ激しさは
前向きに進むのにはつらすぎた

ようやく少しずつ
一歩ずつ前を見て進んでいるつもりなのに
私の経験した病のことを
何も知らない人には言われたくない
人それぞれの進み方があるのだから
私の歩き方が遅いからって
もっと大変な思いをしている人がポジティブだからって
それまでの道のりは個々に違う

人はそんなにすぐには変われない
私はまだまだ誰かの力にすがるかもしれない
甘えるかもしれない
後戻りしてしまうかもしれない

それでも
与えられた命があるかぎり
生きることをやめはしない

いのち

今年はみかんがたった１つ
いつもはたわわに実るのに
庭木の手入れに来てくれた人が言った
「去年、病気だったんじゃないか？」
どきっとした
私のこと？
「このみかん、去年すす病だったんじゃないかな。だから今年数が少ないんだよ」
病気はみかんのことだった
でも私も去年は病気でみかんの手入れができなかった
花の季節に白い花が咲いていたか覚えていない

それでもみかんは大きな一つの実をつけた
強い台風にも負けずに色づいた
父が大事に育てていたみかん
この木には父の想いがつまっている

そして今年のこのみかん
これはきっと父の魂
この一粒は奇跡のみかん
きっとこれは父からの「頑張れ」というメッセージ