「 畑にシラサギが… 」
河津 米子さん 撮影
先日3ヶ月ぶりに東京に行った。病院行きというあまり楽しい事ではない。
湘南新宿ラインの車窓から見える大船から戸塚にかけてのマンションの群立。
武蔵小杉や大崎の発展振り、渋谷の再開発に目を見張る。
3ヶ月前とは又一段と変わった様だ。私が生まれて、育ち、遊んで遊んだ、
そして一寸学んだあの私の東京は何処に行ってしまったのか。
その所為か、その日はやけに疲れた。
座れたから良かったものの、駅に着くとヨイショと声を出し膝に手を置いて
やっと立ち上がる。気を付けてゆっくりとホームに降り立つ。人はどんどん私を
追い越していく。階段ではこの時期あまり触りたくない手摺りをしっかり握って
一段一段降りたり昇ったりする。
情けない姿だ。人が見たら90歳以上の老人に見えるだろうと、自分でもおかしく
なるが、今はもう見栄を張る余裕もない。
2~3ヶ月に1度位の眼への注射なのだが、帰りは眼帯をしてションボリと何処へも
寄らず帰ってくる。視力は右1,2、左は0,02~4(矯正で)であまり変わりはない。
不便は不便なのだがそれなりに片目にも慣れた。ピンポンも何とかやれている。
左側へ来た球とか短い球には距離感が掴みにくく反応できないけれど。
それでも右眼はまだまだ良いので、本も読めるし、パソコンも打てるし、拙い自己流では
あるけれど絵も描けるので助かっている。
眼は二つあって本当に良かったとつくづく思っている。
序でに心臓も二つあればどんなにか良かっただろうに……。