「秋の薄雲にかすむ満月」
高橋 嘉子さん 撮影
最近は家族葬というのがすっかり定着した。確かに簡単で遺族にも弔問側にも
負担が少なくなって、この高齢社会ではますます増えていきそうだ。
何だか一寸冷淡で不義理とか申し訳ない様な気もする。しかし例えば今遠くから
葬儀の案内を貰っても、気持ちはあってもおいそれとは行ける状態や体調ではない。
そういう人も多いと思う。
何の弔意も表せず、心に悶々とした気持ちを抱えながら過ごすうちに、やがてそれも
忘れてしまうと言うケースが多いのではかろうか。
そこで郵便局の宣伝に協力するわけではないが、私はそんな時には郵便局で売っている
「お線香パッケージ」を利用している。先日のM氏にもこれを送った。
小綺麗なパッケージで(高級線香が二束入り)、一寸したメモも付けられ1100円、
それに250円の切手を貼ってそのまま送れるのである。
これなら遺族にも返礼だの何だのと気を遣わせないで済むし、こちらも手軽である。
このお線香がいつかは仏前でたかれて、少しは気持ちが伝わる様な気がして幾らかは
気が休まるのである。
これから我々の年代を考えると家族葬にはこのやり方が最低限の気持ちを伝えることが
出来る最良の方法のような気がする。
もし郵便局の人がこの日記を見たら宣伝のお礼にと、その「お線香パッケージ」を送って
呉れるかも知れないな。