百合とオレンヂ城Ⅱ

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八ヶ嶽の魔人 その3

2006-05-17 19:58:41 | 歴史小説
 このころ葉之助はダークサイドを転がり落ちて
いました。
 (あれだけ呪いが重なれば・…)
母親の歯型も人面そ、さながらに益々不気味に
なります。
  
 鏡家に養子になるさいいろいろ面倒を見てくれた
好漢医師・天野北山のはからいで大槻玄卿という
医師がくさい、とにらんだ葉之助が無謀にも
単身のりこみますがしびれ薬を盛られて
悪者にういきょうの肥やしとばかりに埋められて
しまいます。

「こんなところで死んでたまるか!」

とあがくと突然土が陥没し地下神殿へ。
そこは、なんと久田姫の水狐族の
男教主と女教主のアジトだった!!


とまぁ、この後は猛獣使いが出たり神殿や江戸
市中で水狐族と過人族が争ったりします。
 で三悪党は全員倒し葉之助は本懐を遂げ
ます。
 この作品完結した、というより一区切り
ついただけです。
 男・女教主もまだいるし、まだまだ戦いは
続くな感じです。
 甲冑だって溶かして金になって過人は里に帰
れないし。
 
 
 八ヶ嶽の魔人を呼んで
「吉川英治?」と思ったシーン。

 諏訪因幡守が諏訪湖から信玄の楯無しの鎧
が入った柩を引き上げようとするのですが
これ「神州天馬侠」にそっくりです。
 それとも武田信玄にモトになった伝承が
あるのでしょうか?
 
 
 あと過人というとサンカという山岳民族を
思いだしますが、
事実作者・国枝史郎も作中でサンカと言っています。
 水狐族はキリスト教を信仰していますが
これも吉川英治の「江戸三国志」を連想します。
 この作品にも山岳キリシタン民族が出てくる
のでそっくりです。
 
 念のため。江戸三国志は三国志とは関係ないです。

 あと国枝史郎には
「神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)」という
作品がありますが、この作品に昔、夢中になったのが
田中芳樹先生で面白い、書きたいの気持ちを込めて
書いた作品が「纐纈城忌憚(こうけつじょうきたん)」
(挿絵・藤田和日郎)であります。

八ヶ嶽の魔人 その2

2006-05-16 20:26:04 | 歴史小説
「いろいろ」あって鏡家の養子になった葉之助
ですがメチャクチャ強い。
 どれぐらい強いかというと見るからにザコな
人を倒すのに自分で技の解説をいれるくらい
強い!
 
 そんな葉之助に殿様・内藤駿河守から、なにかと
世話になってるけど、あまり評判の良くない
大鳥井紋兵衛(実は父親であり仇の多四郎)の
護衛を頼みます。
 この紋兵衛を苦しめているモノの正体は黄金の
甲冑を返せ返せと追い詰めている過人族です。

 母親の歯型が「そいつを殺せ殺せ」と
うずきましたが、
 なんとか過人を追い払った葉之助に、またも
殿から「諏訪因幡守がさ~」なんて頼まれます。
 諏訪因幡守にとりつき精力を吸い取っている
水藻という美少女、彼女はなんと冒頭の柵の
妹(実は娘)である久田姫でした。
 久田姫はここで同志を集め水狐族をつくり
あげましたが

一体、久田姫はいくつなんでしょう?

苦戦した葉之助ですが

なぞの白法師

からアイテム「平安朝型のやり」をもらい
なんとか久田姫を成仏させましたが呪いを
もらってしまいました。
 

そんな時巨大な陰謀がひそかに進んでいました。
 森帯刀という名前からして悪そうな侍が若君を
暗殺して家を乗っ取ろうと、大鳥井紋兵衛
医師・大槻玄卿と組み「お主も悪よのう」
「帯刀さまこそ」という声が聞こえそうな
ほど陰謀を巡らします。

大槻玄卿?

ういきょう(エロキロス)という薬で白蛇を使う
のです。
 
 つづく

八ヶ嶽の魔神 国枝史郎

2006-05-15 17:40:28 | 歴史小説
八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)  


時は正親町天皇天正年間
 諏訪湖にて十四年間戦い続ける二人の兄弟、
橘宗介と夏彦、荒れた古城で婚約者・夏彦を
待ちつづけるキリシタンの柵(しがらみ)
その妹(実は娘)久田姫。
 弟を倒し柵を力づくで奪おうとした宗介だが柵は
すでにこときれていた。
 宗介は八ヶ嶽へ走り魔人となった。 


杉右兵衛門「これが、わしらのご先祖さまの宗介様
なんだーな。で不幸な目にあった眷属をあつめてな
過人となのったそうな」

 はい、驚くべきことですが、じいさんの昔話で、
まだ、本編は始まってすらいなかったのです。
 
なぞの白法師
 
杉右兵衛門は頭領でもありますが美しい娘・山吹
がハッタリ都会人・多四郎を愛してしまいます。
 もちろん禁忌にふれることです。
馬鹿男・多四郎は山吹を騙し、過人の宝
「宗介天狗の甲冑(純金製・時価一万両)」を盗み
山吹を置いて逃げます。
 山吹は捨てられた恨みをはらすべく、
(子供にあたったり自害しないだけマシな母親)
我が子・猪太郎に歯型をつけます。
 哀れ山吹は衰弱死。
 
 この猪太郎こそ本編の主人公・うるわしの美少年
鏡葉之助であります。
 
 つづく

中国の歴史 手塚&陳

2006-04-28 23:10:00 | 歴史小説
>図書館にて
 「中国の歴史」中央公論社
 監修・手塚治虫&陳舜臣、シナリオ武上純希
 90年刊行なのでほぼ晩年の仕事ですが先見の明
というか意外というかです。
 
 二巻しか読めませんでしたが内容は、
 楊貴妃、水滸伝、チンギス・ハン、鄭和、
毛沢東の長征、西太閤と義和団です。
(楊貴妃の絵が小林智美)
 
 武上純希が読みやすく演出しています。
昔のスニーカー文庫みたいな感じで、楊貴妃の
場合は悲恋を楊貴妃の庶民時代の恋人(たぶん
創作)をからめ、さらにそれに高力士を加え
ひとひねりした話になってます。
 少年時代の鄭和が海賊退治したり、水滸伝は
登場人物を林中、魯智深、宋江武松だけにしぼり
ダメ首領暗殺とか官軍と戦うとか見せ場重視。 
 あと高球とか徽宗、楊国忠など悪い奴は
どこまでも悪くなっています。
(でも違和感なし)
 
 あと武上純希って細身の
筋肉質タイプが好きなんですなぁw
 あと私はつくづく少年の成長談とか好きなんだ
と思いました。
 
 面白く描いた方が良いですな。
でなきゃ深く調べねぇ。小難しいとか言うと
苦手意識持たれて離れてしまうかもw
 史実はああだこうだ言う前に最初に面白いと
思った時の気持ちを思いだしましょう。
 
 変わらない、ようでいて変わるのが歴史ですが、
 図書館で最近の歴史本を読む
(マンガとか子供向けが面白いしてっとりばやい)と
今、こういう歴史観(?)を教えているのかな?
とかこんな人私の時は習わなかったとか新鮮な発見
があります。
 改めていろんな歴史観があると思いました。

狼の星座・横山光輝

2006-04-25 20:30:00 | 歴史小説
 横山光輝先生の「狼の星座」を読んでいたら
解説に、
「ヒロインの名前・朱銀玲は実在の馬賊・小日向
白郎の妻・銀鳳がモデルである。
 横山光輝氏もこの銀玲を気に入ったのか
「その名は101」で銀鈴の名で再登場させ、
さらにジャイアントロボのヒロイン銀鈴と
なった」とありました。
 銀鈴にもモデルがいたんですか~っ!?
 
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