『夕ばえ作戦』
SF作家・光瀬龍の作品『夕ばえ作戦』を
押井守が現代に甦らせました。
ヒロインの風祭陽子様が主ですが
押井守らしいトリビアやギャグも健在です。
風祭陽子様は風魔一族の忍で一族の所領奪還
の為に幕府の代官&伊賀忍者相手に戦いを
繰り広げています
その強さは鬼神の如く修羅の如く
その眼差しは凛として炎のよう
それでいて少女の様に無邪気で時折
寂しげな色を瞳に浮かべます
風祭陽子様だけでなくカオリン先生も好きです♪
めがねの似合う知的な美人先生ですし♪
風間凛おばあちゃん、も名前の通り凛としていて
素敵です♪
風祭陽子様が主ですが、
押井守はどのキャラにも思い入れがあるのか、
全員に出番や見せ場をあげようとしているように
見えます♪
『夕ばえ作戦』にバトーが飼っている
バセットハウンドみたいな犬が出てきたり
飛行船が飛んでいるのも押井守らしいです☆
トリビエは、例えば作中に
「空手は古い型ほどつかえる」とありますが、
押井守は空手を習っているから詳しい
のでしょうね(笑)
戦い方にリアリティがあるのもらしいです。
戦い、といってもどこかユーモラスな
雰囲気が漂う感じになっています。
伊賀忍者がケータイを楽しそうに
イジったりしてますし(笑)
■リアル指向の時代劇?
『夕ばえ作戦』の時代は慶長8年で江戸時代の
初期です。
風魔忍者の生き残りたちVS幕府の代官&伊賀忍者
という対決構造になっています。
『夕ばえ作戦』では「くノ一」ではなく「歩き巫女」と
表現してます。
(陽子様は風魔の血を色濃く引き継いだ別格な存在)
また風魔一族を忍者というだけでなく土着の郷士
と描いたりしています。
普通の時代劇とは違うリアル指向(?)の
活劇です。
読んでいると…戦いやゲリラ戦は、そんなに長く
できるものではない…と思いました(^_^;)
■SFの元祖かもしれません
此度のコミックリュウの押井守の『夕ばえ作戦』
はリメイクです、オリジナルの『夕ばえ作戦』が
出たのは1964年頃ですし。
『夕ばえ作戦』はタイムスリップモノで江戸と
東京を行き来します。
現代に主人公格の男2人がいて江戸時代へ
タイムスリップし風祭陽子様と出会う、
のが話の中心なのですが面倒なので
書いていません(笑)
『夕ばえ作戦』はタイムスリップものの元祖
なのでしょう。
もしかしたら『ダンバイン』も影響を受けた、
かもしれませんね。
でも高枝切りバサミやゴアテックスや枕を
現代から江戸(慶長8年)に持ってきたり
するのは押井守らしいユーモアといいますか
(笑)
一応、消火器や救急箱、ケータイの充電器
など役に立つものを持ってきていますよ(^_^;)
高枝切りバサミ、というと『逮捕しちゃうぞ』
のCDドラマを思い出します。
『夕ばえ作戦』一巻の巻末には「夕ばえ作戦」ガイドが
付いています。
いろいろ面白いのですが、押井守の高校生時代の
貴重なエピソードやタツノコプロなどについて
わかりますよ♪