永遠の0
ある1人の特攻隊員と家族の絆の確認の物語。
宮部久蔵
主人公は特攻隊員の宮部久蔵(みやべきゅうぞう)
ですが、青年・佐伯の視点で話は進みます。
宮部久蔵は優秀なパイロットですがかなり慎重な
性格で、それが仲間からは臆病に見られています。
しかし、それは愛する家族の元へと帰りたい、という
強い思いからきています。
また非情に仲間思いでもあります。
宮部久蔵は立派な人物なのですが・・・好感を
持てば持つほど後半の展開に納得がいかなくなるのも
事実です。
【以下ネタばれ】
要はあれほど家族の元へ帰りたい、と強く思っていた
宮部がなぜ最後に特攻隊に志願したのか?
狂言回しの佐伯健太郎が特攻隊員の生き残りに
祖父の宮部久蔵の話を聞いていく構成なので
宮部についての話は断片的です。
なので構成上、宮部が最後に特攻を志願した理由や
心理描写がすっぽり抜け落ちてしまい、
「なぜあのメモを残したのか?」などの理由が最後まで
不明のままなのです!
これはやきもきしますよね。
「どうしてそうなったんですか~?」と思っても
答えがないんですから(^-^;)
ですが最後に宮部久蔵の「生きるんだ」という教えや
意思が1つになっていくかのような描写は
とても良かったです。
あと宮部の妻のピンチを助けたのは、あのヤクザなんですよね?
それと佐伯健太郎と血の繋がらないおじいちゃんとの
家族の絆のシーンは「じ~ん」と感動しました。
そっか、そういうことだったのね、と。
『永遠の0』の映画はとても良かったのですが
いくつか気になるシーンもありましたので
それも書きたいと思います。
やや辛口です。
佐伯健太郎の描写
狂言回し的な佐伯健太郎くん、現代っ子らしく
いささか無気力なんですが宮部久蔵について知る内
に特攻隊員について興味を持ち彼らの人生を調べる
のですが・・・
それがですね・・・【何かに目覚めてしまいました】
な感じなんですよ(^-^;)
その最たる例が合コンのシーン。
佐伯健太郎くんは親友たちにキレるんですが
(この親友をまた本当にイヤな感じに演出してます)
これが「オレは特攻隊員のことを知ってるんだ!」
「お前らとはちがうんだ!」で、とにかく居心地の悪さ
を感じてしまいました。
風化しつつある歴史を語りつぐ、というのは大事な
ことだとは思います。
リアル『永遠の0』に会いました
私の家の側に老人ホームがありまして、
そこに入居してるあるおじいさんは
海軍のパイロットだったそうです!
このおじいさんは耳が遠いのですが飛行機の機関銃の
大きい音でやられてしまったそうです。
機関銃の音が大きいのは宮崎駿や半藤一利も言っています
このおじいさんの仲間はほとんど戦死してしまった
そうですが、
「この歳まで生きれるとは思いませんでした」
「まさかこんな平和な時代が来るとは
思っていませんでした」と語っていました。
なにか、この一言が重いというか説得力がありますよね。
このおじいさんは江田島学校出というエリート
だそうですが耳が遠いので私が聞いても
全然聞こえません(笑)
いつもほぼおじいさんが一方的に話しています(笑)
東京に家族がいるそうで
「明日迎えに来てくれるんですよ」
とよく言っているんですが一度も帰れないそうです・・・
『永遠の0』もそうですが、
おじいちゃん、おばあちゃんは
大事にした方がいいと思いました。