まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

無限問題 (その2)・ステーキ分割

2010-01-28 19:07:42 | 哲学・倫理学ファック
肉食系の私は昔からステーキとか大好きです。
やはりコースの最後は肉でガツンと締めたいところですね。
厚めの肉を左から順番に切り分けて食べていきます。
だいたい2㎝くらいの幅に切っているんでしょうか。
はじめのうちは肉そのものの味を楽しみ、
だんだんソースをたっぷりからめてハーモニーを確かめ、
そして赤ワインとのマリアージュを堪能する。
至福のひとときです

しかし、人生とは空しいもので、
あれだけ大きかったステーキもいつの間にか、
右端の方が少しだけ残っているのみになってしまいます。
そういうとき皆さんはどうなさっているでしょうか?
これまでと同じペースで切り分けていき、
最後の一切れもえいやっと呑みこんでしまいますか?
私は往生際が悪いのでそういうことができないのです。
私の場合はだんだんと一切れの大きさが小さくなっていきます。
早くなくなってしまわないようにです。
そして、ワイン飲んだり、パンやサラダなど他の食べ物に手を伸ばしたり、
いろいろと手を尽くして大団円を先延ばしにします。
しかし、いくらがんばっても本当に最後の一切れという瞬間はやってきてしまいます。

ところが、哲学者の私はここで 「アキレスと亀」 を使うのです。
最後の一切れのはずを、半分に切って食べるのです。
すると、半分の大きさになった最後の一切れがまだ残っています。
そして、どうするか。
もちろん、また半分に切って食べるのです。
するとまだ残っています。
そしてまた半分。
もちろん、最後のはずの一切れはどんどん小さくなっていきますから、
そのうち、筋肉の繊維1本だけみたいな情けないことになっていきますが、
それでも気にせずさらに半分に切っていきます。
普通のステーキ用ナイフでは切りにくくなってきたら、
医療用のメスを借りて半分に切り、それを爪楊枝で刺して食べます。
だんだんミクロの世界に入っていき、
電子顕微鏡とかも必要になってくるかもしれませんが、
しかしどこまでいっても必ず半分に切ることは可能なはずです。
こうして私は永遠にステーキを食べ続けることができるのです。

ちなみに、この永遠にステーキを食べ続けるワザは、
レストランで女性と一緒にお食事とかいうときにはやめておいたほうがいいでしょう。
こちらが1人で永遠に食べ続けていると、相手が退屈してしまいますから…。