おはようございます^^
虫の音が響く秋の夜ですね・・昨夜は会食がありまして、祇園の会食場所まで送り込んで
やれやれ…ひと仕事を終えて一服するにもたばこは止めてもう二年(微笑)…仕方なく手持無沙汰で見上げますと西の彼方が夕日に薄茜色に染まって
幻想的な眺めに思わず見惚れてしまいました。
さあ…しばらく佇んでいて フッと我に返えるともう現実に祇園の雑然とした街並みがあります。以前はこの辺りは夕方の頃でも
静寂を整えていました。それが観光の名所となってからは大勢の観光客が押し寄せてかつての祇園の落ち着いた風情がなくなってしまいました。
この祇園は元々娼妓の街でした。それがほかの地域と一線を化して 隠れ遊びの処に変わっていきました。
普段は正業に精を出した問屋の旦那さんがほっと一息をついた処だったそうで、お相手はお金持ちの旦那さんでしょう…
それも代々の世襲制を踏襲していましたから、飲み代や遊び代にこだわりはなくて、むしろ気の利いた粋をお遊びとして愉しむために通ったそうです。
それは受け入れるお茶屋さんも心得たもので、旦那さんが家に居るような安らぎと細やかな心遣いでもてなしました。
そして祇園は名士の交流の場となったり 息抜きのための隠れ遊びの処として繁栄してきました。普通 街は繁栄をするとその街中も賑わうものですが、
こと 祇園に関しては繁盛するにつけ街中は静寂に包まれてしまいました。不思議な現象やなぁ・・と思いますが当時の商家にはたいがい家訓が
ありまして、正直な商いを心がける事、一生懸命家業に務める事、薄利で信用を重んじる事・・などと合わせて必ず示しているのが 質素倹約を旨とせよ があります。
他の家訓が事で締めているのに対して この質素倹約だけは せよ と命令になっています。家訓ですから家人はもちろん従業員(奉公人)にも
それが対象になるのは当然ですね。それが 例外として?旦那さんのみが 大枚を叩いて 祇園遊びに耽(ふけ)るのですから やっぱりこの地はそっとしていなくては
ならなかったのでしょうか。