寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

バンザイ♪俺役員だ!80万円のスーツ

2011年05月17日 21時11分33秒 | 噂話
さて、臼井新事業本部長の会社をここで説明をしておきましょう。
 会社名は、○○△△・・・と匿名です。これを公表できないのには私個人の問題でありまして(公にしますと今までの暴露がいっぺんに分かってしまうからです。
 分かってしまいますとあれやこれやと役員さんの醜態を発表した手前・・・解雇!となってしまいます。今までの話が事実を基にしたブログだけに非常にまずいわけです。
 どうか私の勝手なお願いですがご了承ください。
・・・続きます。会社は当然東証一部上場であります。おまけに日経平均225社に入っている超一流企業なのですよ。(オホン!)
 従業員数約二万人関連会社五万人を誇ります。
しかし何ですねえ・・・威張れないのは株価です(笑)三桁・・・三桁なんですよねぇ(笑)
 こればっかりは仕方ないですよ。なんせ大型株は動きが遅くておまけに資産株なんて評価されていますから、幸か不幸か屈辱の低位株で甘んじているのです。
 それはそうといたしましても、一流企業であることには変わりありません。
 こんな一流企業は部長ですら社会的な地位は抜群の評価です。(例えばローンを組むときとか・・・)
 それが取締役役員ですよ!!!役員・・・町内会の役員さんとはエライ違いですなぁ(笑)
臼井さんの正式な役職は取締役???事業本部???事業部長・・です(笑)
 な~んか分かったようで・・・分からないでしょうか(苦笑)
兎に角上から数えても25番くらいに入ります。「???」
 いやぁ~大手になるとね、役員さんも大勢いらっしゃいまして新参の役員さんともなるとこれくらいが取り敢えずの席順となります。
 それでも配下には所属の事業部だけでも数千人の従業員がいますが、ちょっとした会社並みの陣容であります。
 役員に任命されますと最初は7月に開かれる株主総会で役員選出の議題提案がありそれを承認されたときの挨拶が初仕事でしょうか。
 それが済みますといよいよ役員生活の始まりであります。
役員さんには色々な特典があります。それは以前ご紹介していますから今回はそれ以外の恩恵を紹介したいと思います。
 まず、スーツです。
これはただのスーツじゃあありません。
 銀座の某高級洋服店の80万円のお仕立てスーツです。なんせここの洋服ときたらやたら高くて、例えば1万円以下の代物なんかありません。一番安くてネクタイの2万円~ですよ。
 「ウエ~ン」・・・誰ですか・・・泣いているのは(笑)
そりゃあ私だって泣きたいですよ(苦笑)私の着ているスーツはAY洋服店の2万円ですから
 幸いにも私の体型はA6ですからいろんなスーツから選べますからまだましですが・・・(苦笑)しかし80万円のスーツ!いつ度袖を通してみたいものですねぇ・・・(溜息)
 
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バンザイ!俺役員だ♪

2011年05月17日 10時55分23秒 | 日記
季節の移り変わりは目まぐるしいもので早くも五月半ばになりました。 組織も新しく稼働し始めています(笑) 先般よりくどくどとカキコしましたので皆さん周知しておられるとは存じますが、臼井事業部長です(笑)
この方実は一年ほど前に食事を奢って頂いた恩人であります。
たたしハンバーグのビックボーイでした…(笑)しかしあの時は驚きましたよ。
『何が…?』はい! ハンバーグステーキですよ。
楕円形の鉄板を兼ねた器でした…(よくあるやつですが)
テーブルに来た時 これってどないして食べるんかい(笑)それくらいジュージュー焼けていましたから(笑)ね
大袈裟ではなく跳ねる油がズボンまで飛び散ったくらいです。顔を近付けようものなら顔面火傷を負うのじゃあないでしょい。ビックリボーイですよ(笑)私こんなファミレスはとんとご縁がありませんから(笑)
焼いている途中で他のオーダーが入ってしまい、『仕方ない!これはもういいか、』
なんて途中で投げ出された代物かと思いましたね。どうするんだよ(笑)オロオロする私に 前に座っていらっしゃった臼井統括本部長(当時)が温和な笑みを浮かべて『こうして食べるんだよ』
とわざわざ教えてくださいました。 私はこのような貴い人に気さくにお声を掛けていただいて大変感激をしたのを今でも覚えています。
だからこのビックボーイの前を通るとあの光景が思い浮かんで来て感涙に堪えません。
その時の実に気さくな兄貴みたいな人で私は一遍にフアンになりました。
あれから一年…
あの気さくな青年を匂わせる臼井本部長は見事役員になられました。
感無量であります。
この役員ともなりますと、一種の儀式みたいなものあがありまして、それを皆さんにお伝えしたいと思います。
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五月晴れにて…

2011年05月16日 10時43分34秒 | 日記
目に青葉山ホトトギス初鰹…
どうでしょうか。 旬を愛でて食する俳句です。
さて私は現在関西系の某電子機器メーカーにお邪魔しています。
薄いグレーカラーの建屋が五月晴れに隆とそびえています。その足元にある駐車場です。 私は役員さんやお付きの本部長を玄関で降ろしてここで待機中(笑)
ここでは一般の業者は入口で業者許可証をゲートの機械に挿入…入場許可書を受け取り入れる訳ですが、実に面倒臭いでしょうね(笑)
私は役員専用車であります、
前もって部課長が許可手続きをしていますから、フリーで入れます。
もちろん警備員さんは最敬礼!
私は軽く頭を下げて静々と進んで行きます。
玄関先には早くも先方の部長クラスがお出迎えの体制でいらっしゃいます。
しかしお得意先を訪問するにしても役員さんともなれば違うものですね。
おっと役員さんの訪問時間は30分が相場ですね(笑)
そうなんですよ(笑)あまりだらだらと長居はしません。 スタンバイして待機しています。 では!
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夢よ!再び…完結編20

2011年05月14日 10時36分48秒 | 日記
『その姉貴が床に伏しているんだよ』
病気?赤井さんは顔を上げました。 『とこにふして…』
すっ頓狂な声をだしたのは長原ちゃんでした(笑)
『なんのこと♪』 『ご病気なんですか』
『ああ正月に帰った時ね、知ったんだけど…』
口を濁す佐川本部長…
いつもの歯切れの良い言葉じゃあないだけに病気の重さが計れました。
そしてその時励ますつもりで事業部長昇進を告げたのでした。
『そうだったのですか…』
事情を知って赤井さんはうなだれました。
本人はもとより自分達だって佐川本部長の事業部長への昇進と思い込んでいましたから。 それが外れて本人が一番傷ついたと思っていましたが、まさかこんなところで…
『姉貴の喜ぶ顔が見たくてつい先走ったんだよね』
遠くを見詰める佐川本部長には焦躁感が見えました。 腕を組むいつもの自信に満ちた姿はありません。
『そんなの誤魔化したらいいじゃあないですか』
おいおい(笑)みんな長原ちゃんみたいにくそ度胸があるわけじゃあないんだぜ(笑)
赤井さんは長原ちゃんを横目で睨みながら 『だめなのでしょ…』
首を振り溜め息混じりに『姉貴は頭のいい人でね、おまけに人一倍勘も鋭いんだよ』
なるほどこの人のお姉さんならきっとそうだろう。赤井さんは思いました。
佐川本部長は今でも姉貴に頭が上がらなくて、例えば軽い嘘なんかついても即座に見破られてしまうのです。
『じゃあ本当の事を話すしかないんじゃあないの』
『はい』赤井さんははじめて長原ちゃんの意見に賛成できました(笑)
『……』
佐川本部長は黙っていましたが、恐らく同じ考えだったのでしょう。
返事はせずにただ水割りのグラスを見詰めていました。
『あの…』声を掛けながらさすがの長原ちゃんも二の句がつけません。 弱ったね、お手上げのポーズで赤井さんを見ますが
愛(いと)しげなまなざしで見守る赤井さん…
長原ちゃんは又々お手上げ状態です。
しばらくその沈黙に付き合っていましたが我慢の限界でした『ママさんビール頼むよ!』
何とか話題を変えようとした作戦でしょうか(笑)
『は~い』
カウンターから明るい返事があるとママさんがビールを持ってきました。
『あらら、あれからあまり飲んでいないんじゃあないの』
『さあ!長原部長おひとつどうぞ♪』袖口をたくしあげる仕草…色っぽいですねぇ(笑)
ヘアヌード全盛の世の中でたかが襟元からのぞくうなじ(首筋です)が妙に色気を感じたり見えそうで見えない袖口や裾に食欲をそそられてしまうとは不思議なことですね。
それを意識してかどうかは謎ですが、この色街に住む女が身につけている性(さが)ではないでしょうか。
果たしてママさんがきてテーブルは華やかになりました。
『佐川さんど~そ』『あぁ』壁にもたれかけた身体を起こしてママさんからグラスを受け取るなり一気に飲み干します。
『あら凄いわ~』『俺も!』
『はいはい!長原さんもどうぞ…』『オッス!』
威勢がいいですなぁ(笑)
『あの~私も』
『あら!ごめんなさいね!』
赤井さんがコップを手にすると
『でも佐川さんは女の子が飲むのはあまり好きじゃあないのよ』
うっ!牽制球です(笑)
『私たちそんなんじゃあありませんから!』
強気な赤井さんは反発しながらママさんをにらみ付けます。
『まぁまぁ…』和やかに飲みましょう(笑)長原ちゃんは二人の間に挟まれて汗をかきます。
このあと佐川本部長は『俺帰るよ』 突然思い出したように席を立ちました。
『もう帰るの…』ママさんは言い過ぎたかな、と思いました。佐川本部長の彼女と見限った赤井さんに意地悪を言ったことを後悔しました。
『あぁ明日も朝が早いからさ…』
明日は…正確には今日ですか金曜日でした。
『そうだな俺も帰ろう!』
長原ちゃんも立ち上がりかけました…『わ…』『赤井さん長原ちゃんに送ってもらったら』赤井さんがじゃあ私も帰りますと言おうとしましたが佐川本部長が遮りました。
『頼むよ長原ちゃん!』念を押されて長原ちゃんは頷きました。
『いいですが、赤井さん家どこだっけ』
『大丈夫です。私四条からタクシー拾いますから』
しんみりした夜だからって油断はできません。なにせ相手は変態部長と異名をとる長原ちゃんです。
『そうか…じゃあ気をつけてね。』『俺何にもしないよ』膨れっ面ですね(笑)
赤井さんは佐川本部長と二人っきりで話をしたがっていました。いえ話を聞いてあげたいなぁ(羨ましい)と思っていたらしいのですが…三人は連立って四条通りに出ました。一時を過ぎた通りはまばらに人が歩いています。角に果物屋が煌煌と明かりを照らしていてフルーツや野菜が行儀よく置かれているのを横目でにらみながら四条大橋まで来ました。名高い鴨川です。川面から風があおっています。
真っ暗な鴨川を眺めて赤井さんが身体を乗り出して『あ~気持ちいい』
風に身をまかせています。
『ほんとだ気持ちいいなぁ』長原ちゃんも並んで欄干にせり出して来ます。
佐川本部長はそれを笑って見ながら歩いていました。この時間は河原町方面に向かう人がパラパラと歩いていますが、逆の祇園に行く人はありません。
祇園は遊ぶところ、遊べばあとは帰るだけ。
みんな漫(そぞ)ろ歩きながらタクシーのある場所まで行くのもこの祇園では見慣れた風景でした。
佐川本部長はタクシーでワンメーターの距離でした。 『もう少し歩こうかな』そんなことを考えてふと橋の向こう側に目をやりました。橋の向こう側に一人背の高い女性が見えました。
和服ではありましたが、水商売ではなさそうです。
この四条大橋は道幅がかなりあります。
若くはないけど品がありそうな女性でした。
何かしら気になるその姿…
佐川本部長は向かいの女性に併せて歩いて行きます。
似ているなぁ…つぶやくと足は一人でに停まっていました。
背を真っ直ぐに伸ばしてゆったりと歩く姿…
思わず橋を渡ろうとしましたが車が佐川本部長を遮りました。
『おっと危ない』車のライトに目を眩ませたのか、一瞬見失います。
『あれっ』橋の向こう側の女性がいません。
ほんの僅かなあいだですから…
佐川本部長は辺りを見渡します。
『どうしたんですか』赤井さんが近付いてきました。 そばからみていたらさぞかし佐川本部長は危なっかしかったのでしょう。
長原ちゃんもゼイゼイ息を弾ませて駆け寄りますが、 『えっそんな人見掛けなかったよなぁ』『ええ私も気がつかなかったわ』二人はやはり橋の向こう側を見渡しますが人影らしきものはありません。
『本部長酔っ払ってるからでしょう』
長原ちゃんが冷やかしますが佐川本部長はそれには答えず橋の向こう側を探しています。 川面の風が突如三人をなめました。『キャ~』赤井さんが頭を押さえました。風は三人を撫でるように通り過ぎると又元のそよ風に落ち着きます。
『いるじゃあないか』
『え!何処に?』赤井さんが同じ方向を見ますが何もありません。
『本部長…』
『姉貴だ!』
佐川本部長は叫びました。
『本部長…』
赤井さんは呆然としました。
佐川本部長の見る先には橋の欄干しかありません。
『姉貴!』
『姉貴…』
佐川本部長が橋を渡ろうととしました。
『えっ』『あの人お姉さんですか』
今度は二人にも見えました。
薄い鶯色の小紋を着た女性がこちらを向いていました。
『姉貴!』佐川本部長が呼ぶ声に女性はコクリと首を振ります。
『姉貴』佐川本部長が橋を渡ろうとすると押しとどめるようにして手を広げました。
無言の彼女は静かに佐川本部長を見ています。
『姉貴、姉貴だろ!』
叫びますが静かに佇んでいるだけで声を発しません。 『姉ちゃん!』
焦れったくなった佐川本部長は子供の時の呼び名を口走っていました。『俺ダメだったよ!』
ついに喋った!
姉貴に本当のこと話そうか、さっきまで佐川本部長は悩んでいました。 病身の姉ががっかりする姿は見たくないし、
『崇史はいつも颯爽(さっそう)としているね』正月の時姉貴が嬉しそうに言った言葉が未だに頭にありました。
佐川本部長はいつも自信にあふれた仕草で仕事をこなしてきました。背筋を伸ばして真っ直ぐ見つめて生きて来たのでした。その姿勢に好感を持つ人もいれば尊大な奴と反感を抱く人もいました。佐川本部長は絶えずそんな視線を受けながら前向きに生きて来たのです。弱音を吐けば負けだ!自分にそう言い聞かせてきた時もあったでしょう。しかし今姉と判ってもう何もかも消え去りました。 本部長であることも、長原ちゃんや赤井さんがいることも背伸びして来たことも全て鴨川の風が吹き去ったようでした。
佐川本部長は子供に帰ったのでした。 空白の頭はただただ姉の顔でいっぱいでした。
『姉ちゃん、あかんかった!』
『あかんかったんや!』
佐川は生まれ育った方言で声の限り叫びました。
道行く人の失笑をかっているのすら分りません。
橋の向こう側の姉が大きく頷いていました。
『大丈夫よ!崇史はいままでがんばったからね!』
そんな風にうなずいています。
『姉ちゃん!』
佐川本部長がもう一度叫びます。
今までの鬱憤を晴らすかのように… その時風が強くなって佐川本部長の髪を撫で上げました。
姉が向こう側で指を立てました。『崇史、目指せ!』佐川本部長がうなずくとはじめて姉が微笑みました。『姉ちゃん…』二人は目を合わすとうなずき合いました。その時です。再び強風が煽り増した。『うわっ』両手で髪を押さえて橋の向こう側を見ると姉の姿はもうありません。
『姉ちゃん…』
声を掛けますがもう誰もいません。 『本部長』『本部長』長原ちゃんと赤井さんが駆け寄りました。
『お姉さんは?』 『どこへ…』
二人も探しますが見当たりません。 『おかしいなぁ…』長原ちゃんがつぶやくと『ここにお姉さんがいるのって…』赤井さんは首をかしげます確かに地方にいるはずの姉が京都にいる訳ありません
『あの…』赤井さんが声を掛けますが佐川本部長は橋の向こう側を見詰めて『わかったよもう一度頑張るよ』まるでそこに姉がいるみたいに… 自分に叱咤しているかのように…

そんな佐川本部長を赤井さんは頼もしく見ていました。
夢よ!再び…『な~に本部長!俺がついていますから』 長原ちゃんが茶化すタイミングがよかったのでしょうか(笑)三人は大笑いをしました。
笑って佐川本部長は吹っ切れました。
そしていつもの颯爽とした姿で四条大橋を渡って行きました。。。
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夢よ!再び…19

2011年05月13日 08時16分31秒 | 日記
お店が急に明かるくなりました。 スローなジャズからボッブスに変わったからでしょうか。
カラオケのない飲み屋もいいもので、酔客の音痴を聞くだけでストレスが発生すれども他に良いことが何一つありません。 そうは言っても私なんかママさんに煽てられてついマイクを持ってしまうのでしたが(笑)。
リズミカルな音色が店内をウキウキした雰囲気に変えてきたのがテーブルまで届きました。
心なしか佐川本部長の声もいつものトーンに戻っています。
『それがねぇ中学までは全くダメでね』
うんうん赤井さんは引き込まれたようにうなずきます。
『姉貴がさぁ、働いてしばらくしてから事故で大けがしてね…』
『見舞いに行った俺の手を取ってね崇史お前は必ず出来るからね!』
神妙に話す佐川本部長…
話は続きます。
『俺はさぁその時にあっ!と気がついたんだよ』
『はい』赤井さんはうなずきます。何に気がついたかは話しませんでしたが、
中学三年生から猛烈に成績を上げていき見事一番の高校に進学しました。
『それで俺は長男だから家の跡を継がなきゃあいけないと思って地元の国立を受けようとしたら姉貴がさぁ…』
『うん、姉貴が…』催促するように長原ちゃんが乗り出します。
『ちょっと部長出過ぎてますよ』
赤井さんが窘(たしな)めていますが
我関せず…(笑)
『それで…』
『うんうん』
『ちょっと部長話が聞けませんよ(怒)』『そうムキになるなよ!』
『ち、違いますよ!』
『そ~ら赤くなった!』
囃子立てる長原ちゃんに佐川本部長は、『ばかだなぁ!』と一言つぶやくと静まるまで待ちました。
苦労する姉貴は佐川本部長に家の事は気にせずに東京で思い切りやりなさい!とアドバイスしました。
『東京…』
今まで全く意識もしなかった地名です。
姉貴は大けがの後嫁に行きましたが両親の家から近いため今でも世話をしながらいるそうで、 たまに佐川本部長が帰ると自分の事のように喜ぶ姉をみて今日まで励んで来たのでした。
怪我がもとでか姉貴には子供ができませんでした。
それだけに年の離れた佐川本部長はとても可愛がられたそうで、東京のことや、『今度ね部長になったをだよ』なんて言うものなら飛び上がって喜んでくれました。
そんな姉貴がいたのですね…
いつぞや幹部の親睦会(家族会)がありました。普通は内助の功で女房を招待するのですが、 この時はお姉さんを招待したそうです。
女房はむろん、このお姉さんは陰になり佐川本部長を応援してくれたのでこんにちがあるのだ、と常日頃思っていたからでしょう。前日からお姉さんはいらっしゃいました。
東京見物をして初老に入ったお姉さんは涙を流して喜びました。
そして『私はいつかこんな風に崇史に東京見物に連れてくれると思っていたわ』
この言葉を聞いてさすがの佐川本部長もホロリです(笑)
『崇史はがんばったのね…』
しみじみ言う姉の横顔を見て佐川本部長はもっともっとやるぞ!と誓いました。
翌日親睦会で佐川本部長は鬼塚専務に姉を紹介しました。
『専務、私の姉です』
『そうですか。鬼塚です』
普段荒くれの鬼塚専務もさすがにこの日はにこやかにしていらっしゃいます。
『いつも崇史がお世話になっております』
一通り挨拶をすませると
『専務私は早くに母を亡くしたおかげでこの姉が母親代わりでして実の親以上に可愛がって育ててくれたのです』と紹介しました。
『そりゃあご苦労されたのでしょう』うんうんうなずきながら鬼塚専務。
実はこの方こんな人情話が大好きでした。
『佐川君は実に優秀でね。ゆくゆくはうちの役員になってもらうつもりですよ』
多分にお世辞も混じっていたのでしょうが、この言葉を聞いたお姉さんは感涙に濡れながらに『不束な弟ですが何卒よろしくお願い致します』
深々と頭を下げてお礼をのべられたと言います。
後に鬼塚専務が『佐川には過ぎたお姉さんだ』と感嘆していらっしゃっそうです。

あの鬼塚専務が褒めるくらいだからこりゃ相当にいい人だ…一時は評判になったくらいでした。
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