大黒がチームを変えた。バックラインの裏を狙い、再三、スペースへ飛び出す。彼の動きが中盤からボールを引き出し、全体を活性化させた。パスは回すがフィニッシュの形が見えないボールキープゲームに、落とし前をつけた形だ。予選突破は想定内だが、柳沢、大黒という2枚のFWで2点取ったのは大きい。さあ、あとは本大会だ。
前半の立ち上がり、日本のデキは悪くなかった。バーレーン戦同様、相手ボールへの寄せが非常に速く、強い気持ちを感じさせた。ビルドアップもいつものように時間をかけすぎず、テンポがいい。特にグラウンダーのパスにスピードがあり、全体のペースアップにつながっていた。いい流れで立て続けにビッグチャンスを呼び込んだ。
だが前半10分ごろから、集中力が切れたような瞬間がふえてきた。暑さのせいだろうか? フリーランニングがめっきり減り、次第にパスが足元、足元にしか出なくなる。ボールの収めどころがなく、横パスとバックパスが目立つようになった。フィニッシュへ行く形がまるで見えない。「ガス欠」状態だ。
前半が終わり、「引き分けならなんとか……」という暗いムードが漂い始めた。
だがそんな流れをひっくり返したのが大黒だった。後半のド頭から投入されると、裏を狙う動きでチームを活性化させた。「ここへ出せ」とカラダで強烈に示す動きは、自陣で停滞していたボールを敵陣めがけて解放した。
後半の立ち上がりから、サイドをからめて何度もチャンスがくる。サイドを深くえぐり、折り返しに反応した小笠原が前に飛び出すシーンも見られるようになった。
そんな展開に呼応するかのように、スタジアムの外からは日本のサポーターたちの歌声が聞こえてくる。彼らは文字通り、地の果てまでついて行くのだろう。まったくすごいヤツらだ。
後半27分、柳沢のゴールを引き出したのも大黒だった。彼が裏へ抜ける動きにボールが出る。それが競り合いになってこぼれたところを、柳沢がスライディングしながら豪快に決めた。
とはいえこの日、柳沢はワクへ行く強烈なシュートを少なくとも3本、放っている。バーレーン戦同様、非常にアグレッシブだった。日本で最も技術のあるFWのひとりが、唯一、引きずっていた欠点を解消した。そんなふうに見えた。私の中で柳沢はこの日、完全に「信頼できる男」に変わった。本大会も頼むぞ、柳沢。
後半44分の大黒の2点目は見てのとおりだ。この試合、北朝鮮はラインをかなり押し上げるケースが目立った。それが裏を狙う大黒の得意形にハマった形だ。
さあ、あとは本大会だ。大黒、柳沢という積極的に前のスペースへ飛び出すFW2枚にメドが立ったのは大きい。特にバックラインの浅いチームとやるときには有効だ。
これなら引いてカウンター狙いのチームにはポストプレーヤーを、逆に高い位置にゾーンを敷くチームには彼らのようなタイプを、という使い分けもできる。もちろん1試合の中でゲーム展開に応じてカードを切ることも可能だ。
W杯まであとわずか。残された時間、いい準備をして、世界に日本の「脅威」を見せつけてほしい。
ぶちかましてこい! ニッポン。
前半の立ち上がり、日本のデキは悪くなかった。バーレーン戦同様、相手ボールへの寄せが非常に速く、強い気持ちを感じさせた。ビルドアップもいつものように時間をかけすぎず、テンポがいい。特にグラウンダーのパスにスピードがあり、全体のペースアップにつながっていた。いい流れで立て続けにビッグチャンスを呼び込んだ。
だが前半10分ごろから、集中力が切れたような瞬間がふえてきた。暑さのせいだろうか? フリーランニングがめっきり減り、次第にパスが足元、足元にしか出なくなる。ボールの収めどころがなく、横パスとバックパスが目立つようになった。フィニッシュへ行く形がまるで見えない。「ガス欠」状態だ。
前半が終わり、「引き分けならなんとか……」という暗いムードが漂い始めた。
だがそんな流れをひっくり返したのが大黒だった。後半のド頭から投入されると、裏を狙う動きでチームを活性化させた。「ここへ出せ」とカラダで強烈に示す動きは、自陣で停滞していたボールを敵陣めがけて解放した。
後半の立ち上がりから、サイドをからめて何度もチャンスがくる。サイドを深くえぐり、折り返しに反応した小笠原が前に飛び出すシーンも見られるようになった。
そんな展開に呼応するかのように、スタジアムの外からは日本のサポーターたちの歌声が聞こえてくる。彼らは文字通り、地の果てまでついて行くのだろう。まったくすごいヤツらだ。
後半27分、柳沢のゴールを引き出したのも大黒だった。彼が裏へ抜ける動きにボールが出る。それが競り合いになってこぼれたところを、柳沢がスライディングしながら豪快に決めた。
とはいえこの日、柳沢はワクへ行く強烈なシュートを少なくとも3本、放っている。バーレーン戦同様、非常にアグレッシブだった。日本で最も技術のあるFWのひとりが、唯一、引きずっていた欠点を解消した。そんなふうに見えた。私の中で柳沢はこの日、完全に「信頼できる男」に変わった。本大会も頼むぞ、柳沢。
後半44分の大黒の2点目は見てのとおりだ。この試合、北朝鮮はラインをかなり押し上げるケースが目立った。それが裏を狙う大黒の得意形にハマった形だ。
さあ、あとは本大会だ。大黒、柳沢という積極的に前のスペースへ飛び出すFW2枚にメドが立ったのは大きい。特にバックラインの浅いチームとやるときには有効だ。
これなら引いてカウンター狙いのチームにはポストプレーヤーを、逆に高い位置にゾーンを敷くチームには彼らのようなタイプを、という使い分けもできる。もちろん1試合の中でゲーム展開に応じてカードを切ることも可能だ。
W杯まであとわずか。残された時間、いい準備をして、世界に日本の「脅威」を見せつけてほしい。
ぶちかましてこい! ニッポン。