すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【れいわの政権交代】れいわ新選組が「Z世代」を取り込み政権交代するには?

2025-01-05 11:59:33 | 政治経済
れいわ新選組は衆院選で国民民主に入れた「新規の客」を取れたはずだ

 先日の衆議院選挙で大躍進しキャスティングボートを握った国民民主党は、新規のお客さんをごっそり取った。

 だが本当なら国民民主に今回、新しく投票した非正規雇用や派遣社員などワーキングプア層の経済的な欲求を満たすのは、大胆な財政政策を掲げる「れいわ新選組」だったはずだ。

 おそらく本来なられいわの山本太郎代表は彼らの支持を得て、今の国民民主の地位を取りたかっただろう。だから今回の選挙に勝ったとはいえ、太郎氏は悔しそうだった。

 ではなぜれいわはそれを成し遂げられず、国民民主に次ぐ2番手になり下がったのか?

 まずいえるのは、国民民主の玉木代表が「我々は与党の延命に協力しますよ」というスタンスを取り、いわゆる「ゆ党」のそぶりをしながら自民側と交渉したのが大きかった。

 これなら確かに有権者の目から見て、いかにも国民民主の政策が実現しそうに見える。与党に反発し、ひたすら声を荒げて突っ張るれいわ・山本代表とは好対照だ。

 第二に大きいのは、れいわの政治的な見た目がいかにも「人権を重視しそう」な左派の典型に見える点だ。

 一方、衆院選で国民民主党へ大量に雪崩れ込んだ有権者層は、18歳以上〜30代の「Z世代」である。

 彼らは生まれたときから世の中に、ほぼ右派しかなかった世代だ。その意味では生まれついての意識せざる生粋の右派ともいえる。

 そんな彼らのなかには衆院選で国民民主党の「手取りを増やす」のキャッチフレーズを見て、今回まったく初めて選挙へ行った人も多い。

 つまり彼らは、有権者全体のパイを新たに掘り起こす役目を担ったわけだ。

「z世代」が固着していた票のバランスを破壊する

 彼らの多くはいままで投票を棄権してきた人々だ。ゆえに今後の政権交代を起こすに当たり、重要な役割を担う層になる。

 というのも今までの選挙では自民・公明が(投票された票のうち)過半数の票を取り、あとは野党で四分五裂に分け合っていたからだ。

 そして残りの有権者全体の50%近くを占める大半は、選挙へまったく行かない棄権者層になる。彼ら「z世代」は、今までずっと選挙を棄権し続けていた。

 かくてこれまでは票の配分が完全に固着し、自公政権がすっかり定着して動かなかった。だが選挙へ行かなかった「z世代」の多くの票がまったく新たに加わることで、票の配分バランスが大きく変わった。

 これで自公以外の第三勢力にも、政権奪取の可能性が大きく生まれる。

 つまり今まで棄権していた彼らが新しく政治参加すれば、従来の完全に固定化していた各党間の得票バランスがまるで変わる。で、政権交代が起こる。

 彼ら「Z世代」が生まれた時には、実は左右の対立なんてとっくに終わっていた。ほぼもう、右派しかいなかった。だから彼らが右派になるのも、水が上から下に流れるように自然だった。

 ゆえに「Z世代」は自分が右派であることにさえ、さほど自覚的じゃない。それだけ自分が右派なのが、自然で当たり前の時代に生まれたわけだ。

 だから雰囲気・左派のれいわ新選組と噛み合わない。ここが致命的なマイナスポイントになる。これを今後どう、解決するかだ。

おいしい「Z世代」にリーチするにはれいわは左派色を抜け

 だが実は山本代表は「左」など意図すらしていない。

 実際、彼はこれからの政治は左右対立ではなく「上下の戦い」、つまり上流階級 vs 下層階級の戦いになると読んでいる。

 これは「既得権益層」と「持たざる者たち」という対立軸であり、「抑圧者(支配層) vs  非抑圧者(被支配層)」の対決でもある。すなわちこの記事でも解説した「1% vs 99%」のせめぎ合いだ。

 だがそれならなおのこと、れいわの今の「見た目」は大いに改善の余地があるといえる。

 いかんせん、彼らは見かけが明らかに「左」なのだ。だから依然として、れいわ新選組は誤解され続ける。

 だからあの国民民主党を見て政治に初めて新規参入した「Z世代」というおいしい右派層にも、リーチできなかった。

 しかし実は経済政策的には、むしろワープアが多い彼ら「Z世代」のニーズを本当の意味で満たすのは国民民主党じゃなくれいわ新選組だ。

 例えばもしれいわが仮に右派で、あの「z世代」という階層を丸ごと取れていればどうなるか? 下手すれば今ごろ政権交代(とまでは行かずとも大規模な政界再編くらいは)起きていたかもしれない。

 結論として最近では、右寄りだからこそそれに近いことができたのが、(1)衆院選で躍進した玉木代表の国民民主、(2)兵庫県知事選挙で斎藤知事を当選させた立花孝志氏、(3)都知事選で大旋風を起こした石丸伸二氏ーーだったわけだ。

 一方、れいわ新選組が小異を捨てて大同につき、政治的な左右を合流させるのは永続的には無理かもしれない。

 ならば彼らがあくまで経済財政政策だけをメインの旗印にした場合、先行きはどうか?

 これで世界からすっかり取り残された日本経済を再生するため、一時的な救国政権を作る。そういう国民的な時限的プロジェクトを組むには、マッチするかもしれない。

 あるいはもっと長く政権を取り続けるには、あの小泉改革みたいなシングルイシュー戦略しかない。徹底的に「積極財政」オンリーで政策を絞り、選挙に臨むのだ。

勝負はいかに「1% vs 99%」の戦いに引きずり込むか?

 繰り返しになるがれいわ新選組にとって勝負すべき土俵は、旧来から政治的なイデオロギーとして根付いている左右対決のような古い舞台じゃない。

 いかに「1% vs 99%」の戦いに持ち込むか? 「エリート富裕層などの既得権益層」 vs 「持たざる貧しく抑圧された99%を占める庶民層の戦い」へ持っていくかだろう。

 決して左右でなく、上流と下流がせめぎ合う「上下の戦い」にどう持ち込むかの勝負だ。

 それには生まれた時からネットがあった初めての世代である10〜30代の「Z世代」をSNS戦略で取り込むような、いくつかの方策が考えられる。

 生まれた時から右寄りの彼らが納得するような、左右の古い価値観にこだわらない政策を取ることが肝心だ。

 それにはれいわは現状のように、障害者を3人も立てて話題作りする策を取ってはダメかもしれない。あるいは地震が起きれば率先して能登に行くのも、イメージ的にいかにも左派色を印象付けてしまう。

 これをやれば「ああ、あいつらは人権を重視する左派だな」と見える。

 れいわが今後、本気で多数を占めて政権奪取を狙うなら、こうした抜本的なイメージ作りから考え直す必要があるかもしれない。

 くれぐれも太郎氏は、「経済以外」の部分でややもすると何かしら左派的な色を出してしまうこだわりを捨て去ることだ。

 でなければ曲解され、組織の分断や崩壊を招く。あくまで左右にこだらず、上下のみを押し出す姿勢を見せ続ける。そして小異を捨て、大同につく印象を打ち出すのが正しい。

 ある種のこだわりが強い彼にもしこれができなければ、政権奪取は夢のまた夢。理想論は木っ端微塵に吹き飛び、政権を取る構想は実現しないかもしれない。

積極財政のインフルエンサーも揃って右派だ

 こうして左派に見える要素を払拭できれば、あとはインフルエンサーを味方につけることができるかどうかも大きい。

 というのも日本で積極財政を喧伝するインフルエンサーたちは、ほぼ揃って「右」なのだ。その意味でも、左派色を抜くことが重要になる。

 例えば考えられる候補は、まず著作家の三橋貴明さん(YouTubeチャンネル「三橋TV」運営者)、中野剛志(評論家)さん、室伏謙一(室伏政策研究室・代表)さん、藤井聡さん(京大教授)、ジャーナリストの鮫島浩(元朝日新聞)さん、元明石市長の泉房穂さんあたり。

 このほか議員としてなら小沢一郎さん(立憲民主党)や、須藤元気さん(元立憲民主党)か。

 さらには立憲民主党に30〜40人ほどいる積極財政を唱える若手の「太郎シンパ」が揃って脱党してくれば、勢力としてはかなり有望になる。彼ら積極財政派を経済政策のワンイシューですべて糾合することが肝要だ。

「そろそろヘンなこだわりは捨て、ひとつにまとまろうよ」とでも呼びかければ、糾合できる可能性はある。

 かつてなら、なりふり構わずこれができたのが立憲民主党の小沢一郎氏だった。だが今の彼にそれが可能だろうか?

 あるいは脱皮したニュー・山本太郎がやることになるか? いずれにしろ令和時代の新しい政界の仕掛け人が必要になりそうだ。

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【新型コロナ定期接種】高齢者人口を減らして社会保障費を削る狙いの「棄民政策」か?

2025-01-04 11:38:12 | 新型コロナ
危険を承知でなぜ定期接種を始めたのか

 情報通の人はもうすでに知っていると思うが、新型コロナ対策として開発・導入された「mRSAワクチン」にはさまざまな弊害があることが各種専門機関の研究で明らかになっている。

 例えば札幌医科大学の医学部附属がん研究所・ゲノム医科学部門の研究分析によれば、mRNAワクチンを打つと却って免疫力が低下することがわかってきた。接種した人の体内では、免疫を抑制する抗体「IgG4」が誘導されるのだ。

 その結果、感染症やがん、IgG4関連疾患など「あらゆる病気」が発症しやすくなる可能性があることがわかっている。これはもちろん「陰謀論」でもなんでもない。専門の研究機関による客観的な調査結果である。

 弊害はそれだけじゃない。

 mRNAワクチンの「スパイクタンパク」自体、毒性が強く、全身に血栓ができやすくなる。これが血栓症や血栓塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こすのだ。

 またスパイクタンパクを発現した細胞が、却って自分の免疫細胞に攻撃されることも判明している。「自己免疫疾患」と呼ばれるものだ。

公的に認定された死者だけで約800人も

 日本では新型コロナワクチンによる副反応や後遺症などの健康被害を救うため、厚労省が「新型コロナワクチン・予防接種健康被害救済制度」という仕組みを作っている。

 これはワクチン被害者が自分から申告して審査を求め、「あなたの症例は確かにワクチン被害だと認めます」と認定されれば所定の救済制度が適用されるものだ。

 現在、この制度で「認定されたケース」だけでも死者は約800人、死んだのではないが何らか健康被害があったと認定されたケースは約7000人もいる(2024年9月現在)。まだまだ今後、ウナギ登りで増えるだろう。

 またこれとは別に国は「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」、および「薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を合同で開催し、安全性について評価を行っている。

 こちらでは、計上された死者数は「2000人以上」にのぼっている。

 もちろんこれらは厚労省に自分から申請してきた人「限定」の人数だけで、だ。

 その上、公的機関はなるべく自分の責任を認めたがらない。だから被害を少なく見せようとするだろう。で、審査はどうしても辛くなるはずだ。

 とすれば、そんな「救済制度では認定されなかったが、本当はワクチン起因であるケース」まで含めれば、死亡例や被害例ははるかに多くなるだろう。

 ならば判明している数字は、氷山の一角にすぎない可能性が高い。

海外先進諸国ではとっくに打つのをやめたのに?

 そんなわけで日本に先行してワクチン接種を進めていた海外先進諸国では、いち早く「これは危ないぞ」と気づいた。

 で、2回程度しかワクチン接種してない段階で、各国はもうすでに接種をやめてしまっている。

 しかもアメリカは特に、トランプ次期大統領への政権交代が決まっている。

 だから先のバイデン政権下におけるmRNAワクチン採用をめぐる腐敗した政府機関の策謀や、政府と製薬業界との長年にわたる癒着関係がメディア報道や公聴会等で次々に明らかにされている。

 前政権の旧悪は、こうしてあとから暴かれるものだ。

 そんなわけで、すでにこんな「黒い業界構造」が存在することはわかっている。

 だが日本だけはバカみたいに、その後も今だに7回、8回とバカスカ打ちまくっている。

 こんなものは海外先進諸国ですでに実例として研究・採取された客観的な被害医療データや、接種起因による死亡者・被害者数などを調べればmRNAワクチンの危険性などすぐにわかるはずなのに。

 にもかかわらず、日本はまだ打つのをやめない。ということは「これは何か隠された意図があるとしか考えられない」と思わざるを得ない。

 だって被害が出るのは、海外における事例ですでに証明されているのだから。

「日本政府はこんなことにも気づかない単なる間抜けなんだ」などと、好意的に考える人などいないだろう。

 ならば相変わらず日本政府だけがmRNAワクチン接種を続ける「合理的な理由」を探すとすれば、これはもう打ち続けることによって国民を殺して人口を減らし、政府が将来支払うべき年金その他の政府支出を少しでも少なくしようとしているとしか思えないのだ。

それ以外に理由は考えられない

 繰り返しになるが、これは別に「陰謀論」でもなんでもない。

 特に少子高齢化が進む一方の日本では、それでも相変わらず有効な政府による政策がまるで打たれないままズルズル行っている。これでは政府が高齢者層に支払う年金だけでも、もう相当な額になることはどんなバカでも容易に想像できる。

 そこへ持ってきて日本では、そんな年金の原資を負担するはずの将来世代が「少子化」でどんどん減っている。

 これにより何が起きるか?

 すでに各種統計や研究によって少子高齢化で子どもが増えない日本では、高齢者の年金支給や医療費等の支出で国の財政がパンクすることは確定していることがわかっている。

 なのに政府は根本的な解決策を打とうとしない。

 まるでやる気がないのだ。

「65才以上」限定で定期接種を始めた理由とは?

 しかも政府は昨年10月から「65才以上を対象にした新型コロナワクチンの定期接種」をスタートさせた。危険だとわかり切っているのに、まだそれをしかも「定期」でやるという。

 おまけに「65才以上の高齢者」に限定してだ。

 てことはこれは意図的にお年寄りの人口を減らして人口バランスを人為的に修正し、政府が支払う高齢者の年金その他の諸手当や経費を節約しようとしているのではないか?

 つまり日本政府は「わかった上でわざとやっている」としか思えない。

 だってすでに海外先進諸国の知見や事例で、mRNAワクチンの危険性はもう確定している。なのに、それをやめずに打ち続ける「合理的な理由」がいったいどこにあるのか?

 もしあったら、ぜひ教えて欲しいものである。

 いや政府にもしこれを問い詰めたら「高齢者は新型コロナにかかったときの後遺症が重い。だからワクチン接種は、高齢者優先なんだ」とかなんとか、見え透いた言い訳をするのは目に見えているのだが。

 そのほか「ワクチンを政府ぐるみで大量消費することで公共事業化し、政府とグルの関係にある製薬業界に利益供与しよう」なんて「合理的な理由」もあるのかもしれないが。

 どっちにしろ、「やれやれ」であることはいうまでもない。

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【現代の真相】政治に新風を吹き込むビッグ3「石丸・玉木・立花」はなぜ揃って右なのか?

2025-01-03 17:06:30 | 政治経済
支持層は生まれた時から日本が右傾化していた「Z世代」だ

 先日の都知事選で有力候補だった蓮舫氏を抜き「2位」になり、旋風を巻き起こした石丸伸二氏とその支持層がまず1つめに存在する。

 それらと、衆院選で玉木雄一郎代表の国民民主党に投票した人々、および兵庫県知事選で斎藤知事を勝たせる立役者になったN党党首・立花孝志氏の支持層のキャラクターという「3つの支持層」は、ぴったり重なる。

 まあ同じとまでは行かずとも、かなり近しい属性といえるだろう。

 それらの支持層は世代的にも思想的にも、かなり似ている。年齢的には「Z世代」と呼ばれる人々が主体だ。

 これは1990年代半ば〜2010年代序盤に生まれた世代であり、2025年現在ではおよそ14歳~30歳相当に当たる。

 彼らは生まれたときから当たり前のようにインターネット(=SNS)があった、初めての世代だ。

 また同時に生まれたときから当時の日本は、とっくの昔に右傾化していた。というより逆に、ほぼ「右派しか」存在してなかった。

 だからその右しかない真っ只中で世に出た彼らは、自分が必然的に「右であること」すら意識することがない。それほど右でいることが自然でいる。

「生まれつきの右」、あるいは「右に生まれついた」と言ってもいい。

 一方、彼らは赤ちゃんがおもちゃを使いこなすかのように、SNSを自在に操る存在でもある。

 そんな彼らとガッチリ噛み合うように「石丸・玉木・立花」の3政治家ともまた、もちろんYouTubeやX(旧ツイッター)をフルに使った「ネット選挙」を展開する点でも共通している。

 しかもみんな右派である。

分類すれば「右派ポピュリズム」を信奉する人々だ

 そんな揃って右派の支持者たちは、まぁ大半は軽めの「右派ポピュリズム」(右の大衆迎合主義)といえる。

 この右派ポピュリストとは、右寄りの政治とポピュリストを結びつける政治上のイデオロギーを指す。

 例えば同志社大学・政策学部(政治学者)の吉田徹教授によれば、この後者に当たる思想の「ポピュリズム」は、まず既成の政治や経済、文化エリートに対し異議申し立てをする。

 第二に、社会から無視されている農民や労働者階級、自営業者、手工業者らの名誉を広め、その地位を高めようと盛んに動く。

 第三にポピュリズムは、カリスマ的な指導者が扇動することが最大の特徴だ。すなわちそれらのリーダーが、石丸、玉木、立花の3者に当たる。

 定義にドンピシャで当てはまる。

 もっとも彼らは典型的な右派ポピュリストであるトランプ次期米大統領や、フランスのルペン前「国民連合」党首みたいに「破壊的」じゃない。

 加えて典型的なネトウヨ層も彼らの中には相当数、含まれているだろう。

支持者は学生や派遣、非正規などワープアが中心だ

 次に社会的な属性でみれば、彼らは学生さんから派遣社員、非正規雇用などのワーキングプアが中心だ。あまり裕福じゃない人々がコア層になる。

 だから彼らは将来を悲観している。

 いまの政治は腐敗の極みにあり、人びとの敵をやっつける強い指導者が必要だと感じてる。それがまさに彼らに取っての玉木氏であり、石丸氏であり、立花氏なのだ。

 裏を返せば彼らの政治的関心をイチから呼び起こすトリガーになったのは、そもそも玉木・石丸・立花の3キャラクターだったのである。

 一方、いま社会構造の対立軸を政策の結果として見れば、完全に「1% vs 99%」の関係になっている。

 それぞれ具体的に「1%」と「99%」に例を当てはめれば、「オールドメディア、および富裕層など社会の支配者階級と既得権益層」(1%) vs 「SNSになじんだ単なる平民の被支配者層と被抑圧者層」(99%)という関係にある。

 だから彼らは当然、後者に当たる99%(ふつうの人たち)の声を政治的に重んじるべきだと考える。

 また彼らはどちらかといえば今まで支持する政治家がおらず(無意識的な無党派層だ)、ゆえに選挙へ行かなかった「棄権者」の層もかなりいる。

 最近になって政治参加した新世代の有権者も、多く含まれるはずだ。

最初に政治的成果を挙げたのは国民民主の支持層だった

 経済的、社会的に満たされない彼らは、国民民主党が掲げた「手取りを増やす」というキャッチーなコピーに飛びついた。

 それだけ彼らは新しい(特に経済的な)政治欲求が強いのだ。

 で、その経済政策に対し、支持者は強く反応した。(ただし、その国民民主党の政策は以下の通り、実際には「うわべの見せかけにすぎない」のだが。詳しくは以下、3本の記事をご参照下さい)

【国民民主党】やっぱり騙された? 公約の「消費減税5%」を反故に【衆院選2024】

【国政の七不思議】なぜいまだに国民民主党の政党支持率が高いのか?

【社会保険】「106万円の壁」が撤廃されて大増税に【国民・玉木代表と裏取引きか?】

衆院選で勝った国民民主がキャスティングボートを握った

 こんなふうに3グループに分かれる新世代の政治参加者のうち、まず目に見える実績をあげたのが国民民主党の支持層だった。

 かくて国民民主は衆院選で議席を大幅に伸ばし、キャスティングボートを握ることになる。

 彼らの支持者による政治への新規参入が、あんなふうに衆院選での国民民主の大躍進を生んだのだ。

 残る2派の実質的な躍動はまだこれからだが、注目すべきは今後、「右で99%を占めるSNSネット世代」のこれら3層の共同戦線があるのかどうか? だ。

玉木勢と石丸勢はマッチしそうだが立花勢は?

 個別に見れば、おそらく玉木勢と石丸勢は比較的、組むことにも柔軟に見える。

 だが立花勢は、ひときわユニークな個性とこだわりが強いだけに共闘はしにくいかもしれない。ただし、よく話し合い共通の政策に限定して政策を掲げれば、また話は別だが。

 最後に(客観的にではなく)極めて主観的で、個人的な意見を言わせてもらおう。

 外野の私からすれば、これら3派のリーダーは(少なくとも政治的には)悪く言えばうわべだけ。ややもすれば雰囲気のみであり、現実としての政策的には空気みたいに無意味な存在に見える。

 石丸氏には何も具体的な政策がないし、立花氏も(頭はすごくキレるが)政治的には同様だ。

 それにくらべ玉木氏の場合は(本当は経済政策としてやるべきことを)確実にわかっているはずだが、それをやれば「自身が破滅する」から本気でやる気はないだろう。

 玉木氏は日本再生には何が必要か? 本当はわかっている。だが、やることをやらずにうわべの勢力(数の力)だけを稼ぐ戦法を取るはずだ。

 したがって万一、国民民主党が仮に連立政権に加わった場合も、政策的には結局、中身がカラっぽで真空だろう。世の中はなんにも変わらない。

 単に当たり障りがないだけだ。もっとも利権政治で腐敗し切った自民党よりは、もちろんまだマシだろうが。

玉木氏が真の意味で「積極財政のカード」を切るなどあり得ない

 大蔵省(現・財務省)出身の玉木氏がそうとわかっている「本当にやるべき経済政策」をやれば、日本は真の意味で改革を成し遂げて経済成長できる。

 だが彼はそれが自分の身を滅ぼすことを恐れ、やらないはずだ。

 すなわち「それ」とは、国債発行した上での大幅な財政支出を伴う「積極財政政策」を指す。

 もちろん積極財政をやれば、日本の経済は立ち直り、国民は幸せになる。

 だがその結果として、政治的なパワーバランスがどんな結果になるか?

 直接的には、党はまず財務省と真っ向から対立する。ひいてはやがてアメリカとも、コトを構えるガチンコ勝負になってしまう。

 そうなれば玉木氏は、故・安倍晋三氏や故・中川昭一氏、故・石井紘基のようになりかねない。もちろんそこまで本気じゃない彼は、当然そんなことまでやる気はない。

 だから「玉木改革」は見せかけで終わり、何もなし得ない。これは確実だ。

 それに引き換え、れいわ新選組山本太郎代表は「本当に死ぬ気で積極財政をやるつもり」でいる。

 だがいかんせん、あそこは党の見かけが「左」に見えるせいで多数の支持を得られない。よって政権に参画できない。

 で、結局、いまの日本はこんなふうに、妙にフン詰まりした歪なパワーバランスであり続けるわけだ。

 やれやれ。

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