すちゃらかな日常 松岡美樹

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【国民民主党】やっぱり騙された? 公約の「消費減税5%」が反故に【衆院選2024】

2024-11-06 16:24:50 | 政治経済
ハッシュタグ通りの展開だ

 2024年の第50回・衆議院選挙が終わった。実質、勝ったのは「103万円の壁」が話題になった国民民主党と、れいわ新選組、参政党だけだ。

 そして今回、もうひとつ話題になったのは、X(旧ツイッター)上で「#国民民主党に騙されるな」というハッシュタグが踊ったことだ。あのタグを見た瞬間には、思わず笑ってしまった。それが何を意味しているのか、すぐにわかったからだ。

 ひとことで言えば、同党・玉木雄一郎代表がよくやる「二枚舌」である。

 具体例をあげよう。

 例えば国民民主党は今回の衆院選で、選挙前に「消費税の5%減税」を大きく謳っていた。

 一例として以下の読売新聞(10月9日付)の記事には、「国民民主党は8日、衆院選の公約を発表した。『手取りを増やす』をキャッチフレーズに、消費税や所得税の減税、社会保険料の軽減などによる家計支援に重点を置いた」と書かれている。

 そして下段には、「名目賃金上昇率が一定水準に達するまで、消費税率を5%に下げると謳った」と明記されている。

国民民主党が公約発表、「消費税率を5%に」など家計支援に重点…キャッチフレーズは、手取りを増やす』(読売新聞オンライン)

 一方、以下に挙げたNHKの選挙特集ページ「衆院選・選挙Web」でも、同党の公約ページに「国民民主党は衆議院選挙の公約を発表しました。『令和の所得倍増計画』を実現するとして、賃上げを促進し、消費税を減税するとしています」とハッキリ書いている。

国民民主党の公約』(NHK・選挙WEB)

 つまり国民民主党のメイン公約は、どこをどう見ても「消費税の5%減税だった」ことがわかる。

選挙が終わるや言うことが変わる

 ところが同党の玉木代表は選挙が終わるやいなや、パッタリ「消費減税5%」を言わなくなった。

 いつも通りの展開だ。

 そこで確認のため、「選挙後」に収録・配信されたYouTube動画で複数の報道番組における玉木代表の言動を追ってみた。

 するとある番組では、消費税にひとこと言及しただけ。しかも「消費税減税は時間がかかる。決めてから数ヶ月、いや何年もかかるから……」と、あいまいに言葉を濁していた。

 またある番組では、まったく消費税の話に触れない。そして番組の最後になって、司会者に言われて初めて「いや、消費減税はごく短期間だけ、やる話だから」のひとことで済ませた。

 いかにも、やりたくなさそうだ(笑)

 その証拠に以下の同党公式・選挙特設ページでは、なるべく目立たないように「一定期間だけ、消費税5%減税をやります」(趣旨)という意味のことが書かれている。

国民民主党 第50回・衆議院議員総選挙 特設ページ

 該当箇所は、「経済政策」のところだ。

 冒頭で大きく「令和の所得倍増計画」とハデに銘打ち、その少し下段の「税・社会保険料と債務の減免」という項目で「賃金上昇率が物価+2%に達するまでの間、増税や社会保険料アップ、給付削減などによる家計負担増は行わず、消費税減税(10%→5%)を行います」と書かれている。

 だが、まず消費減税の項目がどこにあるのか、場所がすごくわかりにくい。しかも該当箇所の文章の意味も読み取りづらい。繰り返しになるが、つまり自分たちの「公式ページ」では、(まるでアリバイ作りのように)消費減税は目立たない場所にわかりにくい表現で小さく書いてあるのだ。

 おそらく実際には、結局うやむやになるのだろう。まあ玉木代表の出身である大蔵省(現・財務省)の「伝家の宝刀」が消費税なのだから、それも道理である。

次の選挙では気をつけましょう

 蛇足だが、今回の衆院選に先立ち更新した私のブログ記事「【衆院選2024】積極財政で景気や暮らしを守る政党を選べ」では、日本が置かれた深刻な経済情勢をカンタンに解説した。

 その上で、参考までに「今の日本には積極財政が必要だ。その積極財政を掲げている政党は、れいわ新選組と国民民主党、参政党だ」と書いた。実際、その3党が勝っている。

 ただ、この手のひら返しはあらかじめ読めていたので、予防線として「なかには選挙が終われば、コロッと言うことが180度変わる政党もあるので注意が必要だ」と1行だけ書き添えておいたのだが……。

 やれやれ。

 今回の衆院選で国民民主党に投票した人には、いいクスリになっただろう。

 みなさん、次の選挙では気をつけましょう。

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