すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカーW杯3次予選】放映権料の高騰で地上波なし? じゃあバカ儲けしてるNHKは?

2024-09-14 08:33:59 | サッカー日本代表
1節の中国戦と4節の豪州戦オンリー、しかもホームのみだ

 サッカー日本代表が戦う北中米W杯・アジア3次予選(日本にとってはたぶん「最終予選」)のテレビ地上波中継が、すごいことになっている。

 なんでも放映権料の高騰とやらで、あのぼったくりで有名なDAZNでしか放送しないのだ。

 それに引き換え、ABEMAなんてEURO2024を「全試合無料放送」したんだよ?

 しかもドえらいことに地上波の日本代表・テレビ放送は、9月5日(木)の中国戦と10月15日(火)オーストラリア戦のたった2試合のみだ。

 これじゃあ、サッカー熱もしぼみかねない。(さすがにもうそれはないか?)

 しかし「放映権料が高騰している」ったって、あのNHKなんてえらい儲けてるんだ。

 例えばNHKは、2022年の連結剰余金残高(9月末時点)が、なんと5135億円と史上最高を記録している。

 おまけにその後も順調に稼いでる。

 で、「儲けすぎだ」と国会で厳しい批判を浴び、そのせいで「還元目的積立金」に相応額を組み入れたが…………それでもまだまだカネはガッポリある。

 これ、なんとかならないんだろうか?

 NHKは国民から受信料を取ってるし、おまけに国民の要望に応えるべき公共放送だ。

 そのNHKと民法がタッグを組み、なんとかならないのだろうか?

 あっ、いえ、あのド高いDAZNに入ってまで観る気はないので、悪しからず。

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【2026年北中米W杯】アジア3次予選の初戦で日本が大勝、中国はシュートすら打てず 〜日本7-0中国

2024-09-05 23:08:29 | サッカー日本代表
コンパクトな3バックと素速い攻守の切り替え

 2026年北中米W杯アジア3次予選(日本にとってはたぶん「最終」予選)が9月5日に行われた。とうとう日本は初戦を迎えた。相手は中国だ。

 厳しい展開も予想されたが、日本は締まった試合展開でゲームを進めた。中国はFIFAランキング87位と、18位の日本よりかなり劣る。だがクセ者の中国は現・イヴァンコビッチ監督が、前回のアジア最終予選で日本から勝ち星を上げている、

 そんな手練れの敵将は4-4-2で試合に臨んだ。だが彼らは何か仕掛けてくるかと思ったが……そうでもなかった。

 中国は途中から引き気味になり、そのまま日本に打撃を与えることなく試合が終わった。敵は基本的には引いて遠くからロングボールを入れてくるスタイルだった。

 だがあのやり方では、自分たち(中国)は安全でも、日本に与える「脅威」が少ない。

 こちらとしては、とにかく飛んでくるロングボールさえいったんうまく処理すればいい形だった。

 敵がボールをくれて、また日本の攻撃が始まる。そんな感じだ。

 ゆえに腰のひけた相手のロングボール攻撃は、点差ほど圧倒的な印象はなかった。それに対し日本は、全体にシンプルなボール捌きで危なげなかった。

 遠藤航が口火を切るゴールを挙げたほか、南野拓実が驚きの2ゴール、久保建英や三苫薫らのスター選手も順当に点を取る。

 また途中出場で待望の伊東純也(スタッド・ランス/フランス)、次に前田大然(セルティック/スコットランド)もゴールを奪った。圧巻だ。

 やや久保に元気がないのは気になるが……チーム全体としては万全に近いデキだろう。

日本はワントップ・2シャドーの3-4-2-1で臨む

 日本は3バックだ。フォーメーションはワントップ2シャドーの3-4-2-1。2DMFである。

 スタメンはGKが鈴木彩艶(パルマ・カルチョ/イタリア)、最終ラインは右から板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)、谷口彰悟(シント・トロイデン/ベルギー)、町田浩樹(ユニオン・サン・ジロワーズ/ベルギー)。

 中盤はディフェンシヴMFに右から遠藤航(リヴァプール/イングランド)、守田英正(スポルティング/ポルトガル)を配し、右サイドには堂安律(フライブルク/ドイツ)、左サイドに三笘薫(ブライトン/イングランド)を置く。

 2シャドーは右に久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)、左に南野拓実(モナコ/フランス)だ。ワントップは上田綺世(フェイエノールト/オランダ)である。

 南野は苦手なサイドではなく、中央寄りのシャドーに入れてもらっている。いや、この差は大きいのだ。彼が生きるかどうか? が全然違ってくる。

 その南野は、プレスバックからの守備も非常によかった。で、ピンチをチャンスに変えていた。

 前半9分までに三笘薫はすでに3回、(結実しなかったが)決定的なチャンスを作っている。日本は誰がキーなのか? が明確だ。一方、右サイドにいる堂安もよく効いている。

遠藤が久保の左CKから初得点を取る

 先制ゴールは遠藤だった。前半12分だ。左のCKを久保が蹴り、それを中央にいた遠藤がヘッドできれいにゴール右スミに決めた。形通りだ。(こういうセットプレイコーチとかは誰かいるのだろうか? 最近はサッカーをあまり掘ってないのでよくわかってない)

 日本は2DMFが遠藤と守田だと、実に安心して見られる。その後ろにいるCBの谷口とともに、センターの逆三角形が鉄壁のゾーンを誇っている。

 中国はさほど日本の脅威になるような動きは見られない。レベルはそう低くはないが、逆に高くもない。彼らは前半の早々にイバンコビッチ監督の指示で引き気味になった。全員が自陣に引くケースも頻出した。

 まあ格上の日本に対し、常識的だ。

 前半30分くらいまでで日本のボール支配率は69.8%ある。前半32分には日本がゴールに詰めた形になったが、相手GKが捕球しノーゴール。だが明らかにあれはゴールラインを完全に割っているようにも見えたが……。

 続く41分。右サイドで中国の選手がリスキーな形でヤマカンのバックパスをしたところをうまく奪い取った。

 日本はそのもらったボールを逆サイドに振り、サイドから敵のライン裏を狙う絶妙なスルーパスを入れる。だがボールには誰も触れず詰められなかった。

 そして前半アディショナルタイム。右サイドから堂安がダイアゴナルなクロスを入れ、ウラに飛び出した三苫がどフリーでヘッドだ。しっかり決めた。47分だった。やっぱり想像通りだ。彼はおいしいところを次々に持って行く。

 これで日本は遠藤と三苫のゴールで2点を先取し、かくて前半を折り返した。

後半の中国は攻撃的にくるのか?

 中国としても、このまま手をこまねいてむざむざ負けるわけには行かないだろう。前半は守備的に戦っておき、後半にイヴァンコビッチが何か勝負を仕掛けてくるのではないか?

 だがその予想を裏切り、中国は逆に攻撃的な選手を引っ込め、後半は5バックに変えた。5-3-2だ。「予選は長い。ここで無理して致命的なケガをするのは避けよう」というところだろうか。

 ならば逆に日本は積極的な選手交代で、いろんな選手を試したい。

 と、52分に三苫とのパス交換から南野がボールを受け、ドリブルで2タッチしてから中国ゴールの右スミへ鮮やかに決めた。彼はこんなふうに気持ちでプレイするタイプだ。

 だから今回はこれでリズムに乗り、きっとキレキレのいい試合ができるだろう。

 それでなくとも日本はこのあと中3日で、次のバーレーン戦が待っている。そう考えると、日本は選手交代で多くの選手が持ち回りし時間をうまく使いたい。

 すると南野がまたやってくれた。今度は58分だ。上田のボールの落としを受け、南野がドリブルで切り込んでゴール右へシュートを見事に決めた。4-0だ。

 やっぱり、である。南野の気持ちのノリが出た。彼は一時の低迷を抜け出し、すっかり好調だ。

伊東がゴールを挙げ復活宣言する

 日本は今度は三苫と堂安が下がり、伊東純也と前田大然が途中から出てきた。すごい歓声だ。伊東は右サイド、前田は左サイドに入った。

 その次は田中碧(リーズ/イングランド)の出番である。遠藤に代わり出場した。そして高井幸大(川崎フロンターレ/日本)が、右CBで板倉との交代で出場した。A代表、初の試合だ。まだそのゲームは20分近くある。

 日本は全体に2タッチ縛りのリズミカルなプレーテンポや、攻守の速い切り替えの意識が光った。

 特にマイボールを失った直後も、ひと休みせず絶対に足を止めない圧倒的な敵へのプレッシング、チェイシングがすごかった。これができるチームは強い。

 そして伊東がやや右から足を振ると、実にあっさりゴール左スミに5点目が入った。77分だった。

 かくて今度は小川航基(NEC/オランダ)が、上田に代わりトップに入った。

 87分には伊東が右サイドから大きくボールを中に入れると、受けた前田がひとつ弾ませて頭で押し込む。6-0だ。

 このあと伊東からボールを受けた久保が、左足で95分にゴールのど真ん中をブチ抜いた。

 そしてゲームが終わった。

 日本が7-0で大勝だ。

2ゴールの南野はやはりサイドより中央で生きた

 南野も2点を取り、大収穫だった。彼はどちらのゴールもカンタンに2タッチしただけで決め切った。このカンタンにプレーする、というのがサッカーでは大事なポイントだ。しかも彼はそんなプレーがいちばん得意である。

 特に1点目は突っ込んできた敵をボールワンタッチで簡単にかわし、次のタッチでもうあっさりゴールを決めている。これでノリノリのままやれるだろう。彼は気持ちの波に左右されるぶん、いったん乗れば大きな力になる。

 個人的には玄人好みする鎌田大地(クリスタルパレス/イングランド)も見たかったが……まあ日本は役者が多いので仕方ない。

 さて次はバーレーン戦だ。

 カマしてこい!

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サッカー日本代表は宮本新体制で「終わりの始まり」を迎える

2024-03-01 16:16:10 | サッカー日本代表
4月から会長になるツネ様は傀儡にすぎない

 サッカー日本代表の森保監督は、悪い意味で「選手の自主性を重んじる」監督だ。あのカタール2023・アジアカップ準々決勝におけるイラン戦の敗戦は、それがクッキリ浮き彫りになった。

 しかも同様に選手まかせだったジーコ・ジャパンが、2006年W杯ドイツ大会でオーストラリアに食らった同じ負け方、つまりロングボールの放り込みでやられた点までそっくりだった。

 例えばペップのポジショナルプレイや、クロップのストーミングみたいな魔法の杖は森保監督にはない。なぜなら森保監督は学級民主主義を重んじる「金八先生」型の監督だからだ。

「みんなで話し合って民主的に決めよう」

 それが村のルールである。だがあのイラン戦みたいに、ロングボールをガンガン放り込まれる最中に打ち合わせする時間なんてない。

 その意味では結局、サッカー日本代表はあの2006年W杯で惨敗したジーコ・ジャパンから何も進歩してないことがわかった。

利権を貪り合う「村落共同体」が続く

 だが田島幸三・日本サッカー協会(JFA)会長は、もちろんその体制を容認してきた。

 なぜなら森保監督は同じ日本人であり、ナアナアの関係が通用するキャラだからだ。森保監督は「サッカー協会を改革するにはこうすべきだ」なんて余計なコトは絶対言わない。

 つまり協会が利権を貪るのにジャマな正論など主張しない。たがいに日本人的な「慣例」を重んじ、領分を守る。決してそこに口を挟まないお仲間だ。すなわち目的を共有する利益共同体である。

 そこがあの「自分をもっている」がゆえにウザい異論(=持論)をぶつけてくる、田島会長から見て「余計なことを言い張る」トルシエやハリルとは大きくちがう。

 つまり協会にとってトルシエやハリルは邪魔なヤツらでしかなかった。だが森保監督は逆に「自分がない」。だから体制側にとってはおいしい人材だ。自分たちに都合よく立ち回ってくれるはず。そう計算が立つ。

 ひとことで言えば森保監督って体制側の「そこは言いっこなしね」が暗黙のうちに通用する相手だ。すなわち彼らはローカルな内輪のルールを守り合う村落共同体なのである。

 だから当然、田島会長は森保監督を擁護してきた。たがいにいらぬ口出しはしない。むろん「改革」なんてとんでもない。いままで歴史的に通用してきたローカルルールを共有し、たがいに利益を貪り合おうぜ、って話だ。

宮本新体制は「村の伝統」を守る

 そして今年4月からサッカー協会の会長になる(予定の)ツネ様、宮本恒靖・専務理事は、田島会長の傀儡にすぎない。次期体制では実質的に田島会長の院政が敷かれる。

 現に宮本氏は会長へと臨んだ際のマニュフェストでも、「自分は引っ張るタイプのリーダーじゃない。仲間の考えを大事にし、みなさんと調和しながら共に進みたい」という趣旨を示している。

 つまり森保監督と同じく、体制側とベッタリな関係だ。

 そもそも昨年12月に行われるはずだった会長選挙へ正式に立候補するには、16人以上のJFA評議員の推薦が必要だった。しかしそのJFA評議員による推薦は、「裏切り者は誰か?」がハッキリわかる形で念入りに行われた。

 必然的に対立候補の鈴木徳昭氏(Jリーグチェアマン特命担当オフィサー)は、推薦数を集められず正式な立候補すらできなかった。いわば無風の実質、会長確定だった。既定路線だ。

 とすれば現在の固着した「解けないパズル」はそのままになる。ならば、もうサッカー日本代表は少なくとも向こう何年も癒着の構造が丸ごと残る。

 終わりの始まりだ。

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【森保ジャパン】「金八先生」型サッカーの限界が見えた

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【森保ジャパン】「金八先生」型サッカーの限界が見えた

2024-02-20 13:48:44 | サッカー日本代表
プロの世界に「学級民主主義」を持ち込むな

 森保監督が考えるサッカーは、ひとことで言えば「金八先生」型である。何より「生徒」の人権と意志を尊重してプレーさせる。いわゆるボトムアップというやつだ。

 だがプロサッカー集団の運営と、学級の育成や運営はまったくの別物である。プロサッカーに生徒を優先する過度な民主主義なんて必要ない。

 そういうふうにプロサッカー集団と子供の学級を同一視し、「ボトムアップで育てる」などと生徒会を重視する誤認を犯している点が森保監督の大きな欠陥といえる。

 なぜならプロは負けたら終わりだからだ。

 だが一方、子供は人生に一度負けてもまだ未来がある。敗者復活戦を戦える。しかも「子供のうちに一回負けておく」ことで学べる人生哲学という大きな財産さえ得られる可能性がある。そこが両者の根本的な違いである。

 ゆえに負けたら終わりのプロは絶対に負けないよう、トップダウンで一戦必勝をめざす。ペップによるポジショナルプレー然り、クロップのストーミング然りだ。プロの世界は監督の戦術とそれによるチーム運営で勝てるかどうか? がすべてである。

 この点で生徒の人権を過剰に尊重しすぎる森保ジャパンは、大いなるカン違いだといえる。

「ボトムアップ」という名の洗脳から脱出せよ

 さて、ちょっと話題が飛ぶが………軍部が国民を洗脳し主導したあの戦争に負けた日本人は、その反省から(無意識のうちに)スポーツにおけるいい意味での全体主義をも完全否定し、極端な学級民主主義に陥ってしまいがちだ。

 プロのサッカー監督と、抑圧的で非民主的な「軍部」とを同一視し、ことさら生徒優先のチームを作りたがる。しかもそのチームというのが国の象徴であるサッカー日本代表なのだから皮肉が効いている。

 人間の脳は、信じたことを実現しようとする。

 すなわちこれらの異常な現象はすべて、日本人が自己洗脳に陥っているために起こる出来事だ。これこそ戦後、日本人がハマっている集合的無意識の正体である。

 例えば日本サッカー協会が得意げに掲げる「夢フィールド」なるネーミング自体が、すでに洗脳臭い。いかにも学級や子供を大切にしそうな臭いがプンプンする。

 しかもサッカー協会は別に「国民をハメてやろう」などと考えてこのネーミングを掲げているわけでは無論ない。すべては無意識のなせるワザだ。

 つまり協会が(意図的にではなく)「夢フィールド」という洗脳ワードを使っている時点で、森保監督と同様、すでに自らが背負う歴史の足枷に嵌っている可能性すらある。

 そろそろ日本人は、こうした「敗戦という名の洗脳」から卒業すべきではないだろうか?

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【アジア杯】捨て身で放った守田の「直言」をムダにするな

2024-02-05 13:00:35 | サッカー日本代表
ここで膿を出さなきゃ次のW杯でツケを払うことになる

 アジア杯のイラン戦で負けたあと、MF守田英正が強い思いを絞り出した。

「いろいろ考えすぎて頭がパンクした」「外からのアドバイスが欲しい」

 それは悲鳴にも似た本音だった。

 選手は「監督に戦術がない」なんて絶対に口が裂けても言えない。だが守田は相当な危機感にかられたのだろう。チームを追放されることを覚悟の上で、「外部からアドバイスがほしい」と率直に吐露した。

 ちなみに守田が所属するスポルティングCPの監督は名将ルベン・アモリムだ。それだけじゃない。アーセナルに所属する冨安はミケル・アルテタ監督の薫陶を受けているし、遠藤は言うまでもなくあのユルゲン・クロップと戦術を語り日夜、接している。

 いまや世界の第一線で活躍する日本代表の選手たちは、そんなハイレベルな自チームの名将たちと森保監督とを日々くらべているはずだ。

 これでは日本は世界で戦えないーー。

 選手たちの想いはそんなところだろう。だが選手はそれを口が裂けても言えないのだ。

 その意味では今回の守田による勇気ある「直言」は、まさに選手たちの「うめき」であり、悲鳴でもある。

 そのアピールを生かすのか、殺すのかは、2026年北中米W杯での結果に直結してくるだろう。

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【アジア杯】アジアでたかがベスト8の日本がW杯で「優勝を狙う」だって? 〜日本 1-2 イラン

2024-02-04 14:25:46 | サッカー日本代表
ロングボールにやられっぱなしの日本

 森保監督からはなんの指示もないように見えた。

 敵が打つ手に対し修正がまるでなかった。

 特に後半のイランは最前線に4枚のアタッカーをフラットに並べ、そこへロングボールを入れ徹底的にこぼれ球を狙う作戦だった。標的はDF板倉だ。これをしつこくやってきた。

 対する日本代表というチームは、伝統的に単純なロングボールの放り込みをやられるとパニックになるのが常だ。めっきり思考能力を奪われバタバタする。

 緻密にボールを繋いでくるチームには強いが、ロングボールをガンガン入れてフィジカルでの競り合いを迫るチームには、からきし弱い。

 この日の日本もそうだった。

 かたやイランは、グループリーグ第2戦で日本が喫したイラク戦での敗戦を隅々まで研究し尽くしているような感じだった。

 対する日本はこのイランによるロングボール攻撃に対し、森保監督がなんの指示も出してないように見えた。本当にこの監督でW杯の本番を戦えるのか?

 たかがアジアカップで「2敗も」し、ベスト8止まりの日本が「W杯で優勝をめざす」なんてまったくヘソが茶を沸かす。「それはアジア軽視だ」「アジアは難しいんだ」などと、ワケ知り顔で言う輩は退出願いたいものだ。

「W杯優勝」なんて一体どこのバカが言い出したのかわからないが、日本はドイツやスペインに勝ったからといってそういう安直な思考そのものを根本的に見直す必要がある。

 もっと一歩一歩、地道で確実に辛抱強くじっくり階段を登る覚悟が必要だ。

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【アジアカップ】日本の未来は明るいがサッカーの未来は…… 〜日本 4-2 ベトナム

2024-01-17 20:45:20 | サッカー日本代表
南野と中村が大活躍だ

 あ、アジアカップ、始まってたのね(^^;

 辺境アジアの大会なんてぜんぜん興味がないので知らなかった……。

 なのでダイジェストで見ただけだが、ベトナム戦で南野拓実は爆発してたね。彼の良さがよく出ていた。いつぞやの試合みたいに変に力まず、肩の力がすっかり抜けて良いところに力が入っていた。

 南野はあれでコツを掴んだかな?

 あと相変わらず中村敬斗はシュートがうまい。氷の心臓だ。ボックス外からファーにきれいなコントロール・ショットを見舞った。ほかに左サイドはもちろん三笘薫もいるし、日本の将来は明るい。

 また、なんか知らない間に遠藤航がリバプールでみるみる活躍してると思ったら…………ベトナム戦でも良かったみたいだね。上田綺世も点を取ったし、良いんじゃないかな。

 まあ、あんなサギまがいのDAZNに入ってまでアジアカップなんて観る気は毛頭ないけど。観ても地上波オンリーだ。だいたいサッカーってもう「90分間」なんてコンテンツとして持たないでしょ。

 世の中、時代的にコンテンツの短サイクル化がどんどん進んでいる。たとえば今やYouTubeだって1本当たり10分〜15分が相場だ。それ以上、長いコンテンツなんて見る気がしないし、集中力が持たない。

 もうサッカーも抜本的にルール改正するなりして短時間化を進めないと、すっかり時代に乗り遅れた「恐竜化」して人気が寂れて終わるだろう。

 ついて行けるやつだけがサッカーを観る。そんな時代になるんだろうね。

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【悪徳商法】DAZNにハメられた

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【W杯アジア2次予選】好調・日本はターンオーバーで勝ち抜く

2023-11-23 05:02:33 | サッカー日本代表
見えてきた2次予選の戦い方

 2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選は、第二戦のシリア戦が終わり徐々に日本の戦い方が見えてきた。

 シリア戦では第一戦のミャンマー戦からスタメンをごっそり9人入れ替えてターンオーバーした。日本は今後もこのやり方が常套手段になりそうだ。

 しかもそのなかで新しく追加招集されたMF佐野海舟(鹿島アントラーズ)がミャンマー戦で攻守に活躍した。他方、同じく追加招集のFW細谷真大(柏レイソル)もシリア戦で代表初ゴールを決めている。

 日本は新しく出てくる人材が必ず活躍するイケイケの好循環にあるようだ。

Jリーグにはまだ原石が眠っているのでは?

 おまけに日本はこれでも三笘薫や中村敬斗、鎌田大地、板倉滉、古橋亨梧、旗手怜央、前田大然、伊藤敦樹ら主力クラスがごっそりケガで脱落しているのだ。

 にもかかわらず、こうしてターンオーバーがきく。おそるべき選手層である。かつてない分厚さを誇っている。あの1993年のカタール・ドーハで、左SBの都並敏史がケガで欠場しただけで四苦八苦していたのが夢のようだ。

 特に佐野や細谷の躍動ぶりを見れば、まだまだJリーグには磨けば光る宝石が眠っているような気がするのは私だけだろうか?

 これでケガ人が続々戻ってくれば、めざすW杯本大会に向け明るい話題しかない状態になりそうだ。

ただし有頂天になってはいけない

 また既存の選手たちもそれぞれ活躍している。ミャンマー戦では南野拓実が絶妙なアシストをして復調の兆しを見せたし、伸び悩んでいた浅野はこのところ攻守に進境著しい。ミャンマー戦でハットトリックした上田綺世も、シリア戦でまた2点を取った。入れ食いだ。

 ほかにも常時安定の伊東純也はシリア戦で4アシストし、同様に1ゴール1アシストした久保健英は超ド級のプレーぶりでいまやチームの柱だ。

 一方、両SBの菅原由勢と伊藤洋輝も攻撃力が爆発しているし、ミャンマー戦では右SBの毎熊晟矢がいいプレーをしていた。菅原とはいいライバルだ。また遠藤航と森田英正を交えた冨安健洋や谷口彰悟ら守備陣の鉄板ぶりも安心できる。

 ただしこの連戦連勝で、くれぐれも有頂天にならないことが肝心だ。メディアは浮かれて煽るだろうが、舞台はまだアジア2次予選。相手ははるか格下だ。これぐらいできて当たり前なのだ。問題は、W杯本大会の決勝トーナメントでどこまでできるか? そんな厳しい心構えで次戦に臨みたい。

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【W杯アジア2次予選】点差こそ開いたがシリアは勇敢だった ~シリア 0-5 日本

2023-11-22 02:58:22 | サッカー日本代表
両者の攻防がおもしろい試合だ

 さて問題の敵地でのシリア戦である。2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の第二戦であるシリア対日本戦は、結局すったもんだの挙句にテレビ中継はなかった。

 また公式にはネット配信も「なし」ということになっていたが……ネットをさ迷っていたらYouTubeでシリアの公営放送らしきものをライブ中継しているのを見つけた。で、それを観させてもらった。

 画面は小さいしコンディションは悪いが、贅沢は言えない。

 日本は初戦のミャンマー戦から9人のスタメンを入れ替えてきた。フォーメーションは4-2-3-1だ。先発したのは、まずGKが鈴木彩艶。最終ラインは右から菅原由勢、谷口彰悟、冨安健洋、伊藤洋輝の並びだ。

 中盤には遠藤航と森田英正のダブルボランチが陣取る。また2列目には右から伊東純也、久保建英、浅野拓磨。そしてワントップは上田綺世だ。一方のシリアは4-1-4-1である。

 このゲーム、日本の選手たちは非常にコンディションがいい。彼らは機敏で実に運動量豊富だ。まるで映像を早送りしたかのようにビシバシ走っていた。プレースピードがとても速い。

 ポゼッション率は日本のほうが圧倒的に高いが、シリアもボールを持たないわけではない。彼らは思ったほど自陣へ引き込むでもなく、日本の攻めに合わせてよく上下動していた。

 シリアはミャンマーのように引きっぱなしじゃない。堂々と日本と殴り合った。彼らは勇敢に戦っていた。ただし日本のほうはゴールを5つ取ったが、シリアは無得点であることが大きな違いだ。

先制点は久保の豪快なゴールだった

 日本の先制点は前半33分だった。久保がボックス外からゴール右に豪快なシュートを決めた。続く37分には左SBの伊藤洋輝がサイドからクロスを入れ、それを逆サイドの伊東が中へ折り返し最後は上田がゴールに叩き込んだ。

 40分にはボールが中央の久保から伊東へと渡り、またもや上田がシュートを決めた。日本は3-0で前半を折り返した。

 後半に入り47分だった。ボックス手前で上田が倒されて迎えた日本のフリーキック。キッカーの久保がヒールでボールを後ろへそらし、受けた菅原が見事な弾丸シュートを決めた。デザインされたFKで4点目だ。

 後半のシリアはけっこうボールを繋いでくる。あの感じだと、おそらくこのグループは日本とシリアが突破を決めるだろう。彼らは1対1もけっこう強い。

シリアは激しくハイプレスでくる

 最終ラインでボールを保持した日本に対し、シリアは激しくハイプレスをかけてくる。戦術的だ。というのもシリア代表のエクトル・クーペル監督は、歴戦の名将なのである。

 彼は現役時代はアルゼンチン代表のセンターバックでならした。90年代後半からはリーガ・エスパニョーラのマヨルカの監督を務めた。

 そして1998-99シーズンにはUEFAカップウィナーズカップに堂々出場し、準決勝でスコットランドのハート・オブ・ミドロシアンFCを破って決勝に進出した。惜しくも決勝ではイタリアのラツィオに敗れたが、その功績は讃えられてしかるべきだろう。

 またこのシーズンのリーグ戦では、FCバルセロナとレアル・マドリードに次いでクラブ史上最高の3位に躍進。翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得している。

 続く1999年にはバレンシアの監督に就任。なんと1999-2000シーズン、および2000-01シーズンの2季連続でチャンピオンズリーグの決勝に進出し惜しくも敗れた。以降はイタリアのインテルでも2位や3位を獲ったりしている。

途中出場の細谷が5点目を獲った

 さて試合に戻ろう。日本は65分に上田と浅野が退き、代わって南野拓実と細谷真大が投入された。南野は左サイド、細谷はワントップだ。また75分には久保が引っ込んでMF堂安律が、冨安と交代でDF町田浩樹が出場した。

 日本の5点目は82分だった。左サイドにいた伊東からのクロスを、途中出場の細谷が胸でワントラップし2タッチ目できっちりゴールへ押し込んだ。U-22日本代表から追加招集された細谷がいきなり結果を出した。かくて83分には遠藤に代えて田中碧が投入される。

 そしてタイムアップ。点差こそかなり開いたが、シリアはなかなかいいチームだ。非常におもしろい試合だった。彼らは日本に決してひるむことなく、最後まであきらめず健闘していた。シリアには敬意を表したい。

 日本は2次予選のこのB組で唯一、連勝し、勝ち点を6に積み上げた。フル出場した伊東純也はなんと4アシストだ。また細谷は記念すべき代表初ゴールを決めた。チームはまさに絶好調。次の試合は3月の北朝鮮とのホーム&アウェー2連戦だ。このまま最後まで突っ走ろう。

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【U-17W杯2023】攻めが遅いのんびりジャパン ~スペイン 2-1 日本

2023-11-21 09:59:05 | サッカー日本代表
スペインにボールを持たせてカウンターを狙うが……

 インドネシアで開かれている「U-17ワールドカップ2023」はラウンド16を迎えた。11月20日、アジアカップで優勝しているU-17日本代表はスペインと戦った。試合は常に日本が先行される展開で、1-2で日本が力負けした。

 なにしろ日本が入ったヤマは、スペインはいるわドイツはいるはブラジルはいるはアルゼンチンはいるわ、という地獄のような組み分けだ。もし勝ち進んでも前途多難だっただろう。

 さてこのゲーム、基本はスペインがボールを持ち、日本は4-4-2のブロックを作って守る展開で進んだ。相手にボールを持たせて打ち取ろうという作戦だ。だが後述するが、彼らは決定的にそのためのノウハウに欠けていた。彼らはカウンター攻撃のやり方を知らないのだ。

 立ち上がりから、日本は最終ラインでマイボールになっても、きちんとビルドアップしようとしない。単にロングボールを放り込むだけでガッカリした。そんな日本にチャンスがあるとすればショートカウンターだろう。

 それにしても日本はのんびりプレイするチームだ。プレイスピードとボールスピード、判断のスピードが致命的に遅い。トランジションにも鋭さがなく、インテンシティも低い。たまに速く鋭い縦パスが入るが、基本はのんびりムードだ。

なんでもかんでも遅攻にしてしまう

 このU-17日本代表は今年7月に行われたアジアカップで優勝したときもそうだったが、(せっかく速攻が利く状況でも)なんでもかんでも遅攻にしてしまう。戦況に合わせて臨機応変に戦うのではなく、常に「自分たちのサッカー=遅攻」だけをやっている感じだ。

 彼らはとにかく攻めが遅いので、たまにマイボールにできてもすぐ敵に引かれて自陣にブロックを作られてしまう。必要もないのにバックパスし、その間に敵に守備の態勢を整えられてしまう。

 皮肉に言えば、彼らは敵がブロックを作るのを「待ってやってから」攻めているのだ。とにかく切り替えが遅い。

 このゲームの日本はスペインにボールを持たせているのだから、敵は常に前がかりになっている状態だ。つまりスペインは守備の態勢が崩れている。ならばボールを奪ったら速く攻めなければダメだ。敵の守備隊形が整っていないうちに攻め切ってしまわなければ勝機はない。このチームはもっと「縦への速さ」が必要なのだ。(これは「縦にロングボールを入れろ」という意味ではない)

 日本は男子のフル代表だけが縦に速いサッカーをやっているが、それが各年代に浸透していない。日本は(フル代表を除き)女子も含めて各年代とも遅攻に偏ったチームばかりだ。彼らは局面に応じたサッカーができていない。

スペインの鋭い攻めを浴びる

 さて試合はスペインが前でボールを奪うと、たちまち牙をむき出しにして攻めて来る。試合開始早々の前半8分。左から中央に鋭いラストパスを通され、キム・ジュニェントにゴールされた。先制点だ。

 日本は押し込まれると、中央の敵アタッカーを簡単にフリーにしてしまう。守備がガタガタだ。これでは何点取られるかわからない。

 だがそんな40分、右サイドから佐藤龍之介がマイナスのクロスを入れた。するとなぜかスペインの中央の守備が甘く名和田我空がフリーになっており、彼はゴール右にコースを狙ってシュートを決めた。同点だ。

 しかし74分にはライン裏に斜めのスルーパスを出され、CFマルク・ギウに見事なゴールを決められた。日本の冒険はこれで終わった。

 結論として、このチームはサッカーがわかってないし、駆け引きがまるでなってない。根本からコンセプト自体を考え直さなければダメだろう。

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【W杯アジア2次予選】はるか格下相手に快勝する 〜日本 5-0 ミャンマー

2023-11-17 08:47:40 | サッカー日本代表
問題はW杯本大会で格上相手に「これ」ができるか? だ

 サッカー日本代表は11月16日、2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の初戦でミャンマー代表と対戦し、5-0と快勝した。

 ワントップに入った上田綺世はハットトリックだ。それだけでなく南野拓実が2アシスト、鎌田大地が1ゴール、堂安律が1ゴール1アシストした。スタメンで出た彼ら4人は大暴れだった。

 ただし相手がはるか格下のミャンマーではできるのが当たり前だ。問題はW杯の本大会で格上相手に同じことができるかどうか? である。

 特に代表のテストマッチで思うように点が取れてない上田にはそれがいえる。これで喜んでいる場合じゃないだろう。

試合は冒頭からハーフコートマッチ化する

 予想通り、この試合は冒頭から森保ジャパンが一方的に攻め立てた。ミャンマーは全員が自陣に立てこもり、日本が縦横にボールをつなぐ展開だ。そして上田や鎌田大地らが大量5点を取り、しっかりゲームを終わらせた。

 試合は前半開始から、いきなり日本のハーフコートマッチになった。ミャンマーは5-4-1から7-2-1に変化し自陣にブロックを作って守り倒そうとする。日本はアンカーの田中碧が最終ラインの前にポジショニングし、ボールを左右に振り分け攻撃を差配していた。さすがのプレーぶりだ。

 相手が格下のミャンマーとあって、代表では力んで力を発揮できてない南野もさすがにカラダの力が抜けている。彼はさっそくアシストした。それは前半11分だった。

 南野が敵陣中央からゴール前へ縦にフワッとした柔らかい浮き球を送り、と同時に前へ走り込んだ上田が軽くジャンプしてヘッドでゴール左に叩き込んだ。日本の先制点だ。

 相手にガッチリ引かれて無得点のままただ時間だけが過ぎて行くーーというパターンが日本にとってはいちばんイヤな展開だった。だが早めに点が取れたので、これですっかりあとがラクになった。

 日本のフォーメーションは4-1-4-1だ。守備時は4-2-3-1に可変する。スタメンはGKが大迫敬介。最終ラインは右から毎熊晟矢、谷口彰悟、町田浩樹、中山雄太。アンカーは田中。2列目は右から堂安、鎌田、南野、相馬勇紀。ワントップは上田だ。

所属チームでは不遇な鎌田も躍動する

 日本の2点目は28分だった。田中が縦に短いパスを入れ、受けた鎌田は左足でゴール左に矢のようなミドルシュートを決めた。鎌田は所属のラツィオではあまり試合に出られてないが、代表ではウソのように躍動していた。

 この日の日本はたとえ一度ボールを失っても、相手がミャンマーだけにすぐ奪い返せる。そしてまた日本の攻撃だ。

 42分には中山がひどいバックチャージを受けた。だが審判はファウルさえ取らない。こういう試合でケガしてしまうのがいちばんつまらない。審判はああいう場面できちんとファウルを取り、以後のファウルを防いで試合を落ち着かせるべきだ。

 さて前半のアディショナルタイムに入った49分。堂安が右のポケットから、プラスのダイアゴナルなグラウンダーのパスを出す。これに反応して縦に抜け出した上田が右足でゴールにボールを流し込んだ。3-0だ。

 日本には一度もピンチらしいピンチが来ないまま、かくて前半が終わった。

攻守によく働く佐野海舟は使える

 そして後半に入り、立ち上がりから谷口に代えて渡辺剛、鎌田に代えて佐野海舟が投入された。佐野はアンカーに入り、代わりに田中は右インサイドハーフに回った。

 後半5分、4点目が入る。谷口から縦パスを受けた南野が、2タッチ目で縦にパスを入れる。受けた上田がこれをゴールに押し込み彼は3ゴール目。ハットトリックを達成した。

 後半19分には南野がドリブルから敵陣ボックス内へ持ち込みシュートしたが、ワクへ行かない。大舞台で力んで実力が出せないタイプの南野だが、このミャンマー戦ではリラックスできており2アシストした。だが結局シュートは決められない。これが彼の限界かもしれない。

 続く後半22分、日本は上田に代えて細谷真大、南野に代えて守田英正を投入した。守田はアンカーに入り、アンカーだった佐野が左インサイドハーフに回った。佐野はこの日、非常にいいプレーをした。要所で相手の攻撃の芽を摘み、セカンドボールもよく回収していた。彼は今後も代表に定着しそうだ。

 さて最後は41分だ。堂安が守田からの浮き球の縦パスをワントラップし、左足でゴールした。見事にGKの股を抜いた。締めて5-0である。日本はこれで久保と伊東、浅野拓磨、遠藤航、伊藤洋輝、菅原由勢ら主力組6人を温存し、第二戦のシリア戦に挑むことになる。

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【日本代表メンバー発表】ガチのメンバーを選んだ森保監督の「愚」

2023-11-09 08:50:57 | サッカー日本代表
改革の意思がない監督とそれを擁護するサッカーメディア

 きのう行われた2026年北中米W杯・アジア2次予選の代表メンバー発表記者会見が、「やれやれ」なことになっていた。

 ちなみに私はこの会見が開かれる直前に書いたブログ記事で、「欧州チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ等と日程が重なり過密日程になるアジア2次予選をきっかけに、日本代表はAチームとBチームを作るべきだ」と唱えた。

 そして対戦相手が日本とは大きくレベルの劣るアジア2次予選では、「国内組を主体としたBチームで臨むべきだ」と提案した。過密日程を避けて選手の消耗やケガを防ぐと同時に、将来の若い日本代表選手を育てるためだ。一石二鳥である。

森保監督が「2次予選は甘くない」と反論する論拠は?

 すると、私の案とは相反して誰でも想像がつくガチなメンバーを発表した森保監督は、会見の席上、「2次予選はそんなに甘くない」と主張した。

 そして「なぜ甘くないか?」を裏付ける傍証として2つの過去のケースをあげた。ひとつは次の通り、前回の予選におけるミャンマー戦での話だ。

「カタール・ワールドカップの予選の際も、ホームのミャンマー戦は10点取ったが、アウェーのミャンマー戦では2点しか取れなかった」

 そして傍証の第二点として「アルベルト・ザッケローニ監督時代のアジア3次予選では、3勝1分け2敗という結果だった」という逸話を語った。

 だから「2次予選は甘くないんだ」というわけだ。

まったく別のチームを例に挙げるのは論理が破綻している

 では、わかりやすい2点目の論拠から反論しよう。いやいや、「ザッケローニ監督時代の予選では〇〇だった」などと、今とはまったく別のチームを例に挙げて「だから2次予選は甘くないんだ」などと論述しても根拠になってない。

 だって、それは今とはまるでレベルが違う別のチームのお話なのだから。

 では続けて森保監督が傍証として挙げた一点目の論拠へ行こう。繰り返しになるが、それはこういうお話だ。

「カタール・ワールドカップの予選のときもホームのミャンマー戦は10点取ったが、アウェーのミャンマー戦では2点しか取れなかった。ゆえに、2次予選は甘くないのだ」

 いやいやカタールW杯における日本代表は、典型的な「カウンターのチーム」だった。だがその後、久保健英が台頭し彼がトップ下でゲームを作れるようになった今の日本代表は、例えば「ポゼッションでも勝てる」だろう。

 つまり今の代表はカタールW杯における日本代表とは、まったく別のチームになっているわけだ。

今の冨安と遠藤、守田は「神レベル」だ

 いや久保だけじゃない。今の代表にはカタールW杯当時にはいなかった、強力な右SBの菅原由勢もいる。それに冨安だって、カタールW杯当時とくらべれば格段に進歩した。いまや冨安はアーセナルで「神レベル」だ。

 それだけじゃない。

 遠藤航と守田英正のボランチ・コンビにしても、カタールW杯当時とくらべればもはや「別のコンビ」に進化したと言っていい。それとも森保監督は今年10月17日に行われ、日本が圧勝したあのチュニジア代表戦での遠藤と守田、冨安の3人のプレーぶりを見ておられないのだろうか?

 いやいや、そんなわけはない。なにしろ現に森保監督ご自身が、あの試合を指揮しておられたのだから。

ポストプレイでひと皮むけて進化した浅野

 おまけに森保監督のイチのお弟子さんでもあるFWの浅野拓磨も、10月シリーズのカナダ戦では「今まで彼が一度も見せたことがなかった」ような見事なポストプレーをしていた。

 そんな浅野は、カタールW杯当時から長足の進歩を遂げたといえる。それとも森保監督は、「いや浅野はまったく進歩していない」とでもおっしゃるのだろうか?

 こんなふうに要素を上げて行くと、カタールW杯当時と今の代表とではレベルやスタイルがまったく別のチームになっていることがわかる。

 にもかかわらず森保監督はカタールW杯予選当時の日本代表のケースを例に挙げ、「アウェーのミャンマー戦では2点しか取れなかった。だから2次予選は甘くないんだ」などと、ヘンちくりんな例示をなさっている。

 いや、それは今とはすっかり別のチームだった過去の時代のお話だ。挙げる例示や傍証が論拠になっていない。論理が破綻している。

 なぜなら問題は、「今の代表はどうなのか?」なのだから。

炭鉱のカナリアは鳴かない

 しかも笑ってしまうのは、森保監督が記者会見の壇上でこんな「トンデモ理論」を開陳しているのに、その会見に詰めかけたメディア陣からまったく異論が出なかった点だ。

 いや、森保監督に反論しなかっただけじゃない。森保監督とナアナアで一蓮托生の彼らメディアは、きのう揃って自社が公開した代表メンバー発表会見の記事タイトルで堂々と「2次予選は甘くない」などという大見出しを立てて森保監督にこびへつらっている。

 これでは岸田政権とベッタリ癒着し、岸田官邸のヨイショ記事ばかり書いている官邸メディアとまるで同じだ。

 彼らは森保監督に嫌われたら商売上がったりなのである。

 つまり「体制側」と利益を同じくしているヨイショ・メディアなのだ。

 当然、彼らは森保監督に反論するどころか、「2次予選は甘くない」などと今回ガチのメンバーを選んだ森保監督を擁護する記事を書く。

 こんなふうにメディアが自浄作用を失ったら終わりだ。

(唯一、過密日程で「ケガは考えないのか?」と森保監督に厳しく質問されていた記者さんが1人おられたが)

 結局、彼らは、岸田官邸を取り巻く腐敗した記者クラブ・メディアが絶対に岸田首相を叩かないのと同じだ。そして彼らサッカー・メディアは、岸田首相を批判しないことで結果的に「日本を滅ぼそう」としている官邸メディアと同じことをしている。

 炭鉱のカナリアは、鳴かなくなったら終わりである。

 やれやれ、だ。

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【第2次森保ジャパン】日本代表はAチームとBチームを作るべきだ

2023-11-08 11:20:26 | サッカー日本代表
低レベル化が心配なワールドカップ

 2026年北中米ワールドカップのアジア枠は、「4.5」から「8.5」に拡大された。これが意味するところは大きい。まず杞憂されるのは、ワールドカップの「低レベル化」だ。

 いや例えば欧州チャンピオンズリーグでさえ、現在行われているグループステージはレベルの劣るクラブが混じっており、あんまり見る気がしないくらいだ。あの「チャンピオンズリーグでさえ」である。

 それに対し、今度のワールドカップの場合はレベルの低いアジア枠が「8.5」もあり、そのぶんさらなる低レベル化が心配される。

 欧州チャンピオンズリーグのグループステージでさえ試合によっては観る気がしないのに、アジア枠が「8.5」もあるワールドカップのグループステージなど観る人は激減するのではないか? と心配される。

 まあアジア枠を広げたのはビジネス的な理由もあるのかもしれないが、いずれにしろワ-ルドカップの低レベル化が進むことだけはまちがいないだろう。

アジア2次予選に「欧州組総動員」で臨む愚かなJFA

 さて、本題だ。

 本日の午後3時から、第2次森保ジャパンのワールドカップ・アジア2次予選(ミャンマー戦・シリア戦)に向けたメンバー発表が行われる。

 おそらく森保ジャパンは、アジア枠が「8.5」に広げられたというのに欧州組を総動員した全力のメンバーで臨むのだろう。

 愚かなことだ。

 すでに何度か書いたが、ただでさえ現在サッカー界は、欧州チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグ、およびカラバオカップやFAカップなどの大きな大会や国内カップ戦がぞくぞく行われている過密スケジュールの真っただ中だ。

 各クラブは、自国リーグ戦とこれらの大会に並行して選手を出すため、四苦八苦でやりくりしている。

 そこへ持ってきて、ワールドカップのアジア2次予選である。しかもアジア枠が「8.5」に拡大され楽勝必至の同大会の2次予選に、こともあろうに第2次森保ジャパンは「欧州組も総動員した大政翼賛体制」で臨むのである。

 バカバカしいことこの上ない。

Bチームの組織化は代表の底上げになる

 昔から言われてきたように、いいかげん日本代表はAチームとBチームを作って両輪体制で運営するべきなのだ。おそらくAチームは欧州組中心、Bチームは国内組中心になるだろう。

 そしてワールドカップのアジア2次予選やアジアカップなどは、Bチームで戦うべきなのだ。日本人選手のレベルは、もうすでにその域に達している。

 いやそれだけでなくBチームの選抜やその活動は、日本代表の大いなる底辺拡大と底上げ、レベルアップに大きく貢献するはずだ。

 具体的には、今回の「10月シリーズ」のカナダ戦やチュニジア戦などはBチームで臨み、ワールドカップ・アジア2次予選への「Bチーム参加」の地ならしをすべきだった。

 こうした計画的で実効的な組織運営をせず、ワールドカップの「たかが」アジア2次予選へ欧州組まで総動員した大政翼賛体制で臨むなんて実にバカげている。

 選手が疲弊するだけだ。

 日本サッカー協会は、そろそろ日本代表の「Aチーム・Bチーム」化に本気で取り組むべきだろう。

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【なでしこ無気力試合】批判している人は矛盾に気づいてない

2023-11-04 08:49:59 | サッカー日本代表
「ドーハの悲劇」で日本はいったい何を学んだのか?

 私はこの件に関して賛成でも反対でもないので取り上げるつもりはなかったのだが、気が向いたのでひとこと言及してみる。

 ネット上ではすでに大騒ぎになっているので説明は不要だろう。なでしこジャパンが来年のパリ五輪出場をかけたアジア2次予選・ウズベキスタン戦の件である。

 この試合、なでしこジャパンは2点を取り2-0とリードした時点で、準決勝で強豪オーストラリアと当たるのを避けるため、それ以上、点を取るのをやめた。で、70分間以上、彼女たちはただひたすらボールを回して時間を消費した。これが「無気力試合だ」として批判されている。

 ここでちょっと思うのは、では1993年10月28日に行われたイラク戦、つまりあの「ドーハの悲劇」で日本はいったい何を学んだのか? ということだ。

 それは「勝ち試合を勝て」「勝ち試合を殺し切れ」である。

「時間をうまく使え」が教訓だったのでは?

 あのドーハの悲劇でのイラク戦。試合終了間際まで日本は2-1で勝っていたのに無理攻めし、相手ボールになった。で、イラクのCKから「一発」を浴びて2‐2の同点とされ日本のアメリカW杯行きは露と消えた。

 あのとき日本中で巻き起こったのは、「日本はリードしているのに、なぜボールを安全にキープしてうまく時間を使わなかったのか?」という指摘だった。

 つまりドーハの悲劇のときは日本中が「なぜ攻めたのか?」と批判し、かたや、今回のなでしこジャパンの無気力試合では「なぜ攻めなかったのか?」と批判している。

 まったく矛盾しているのだ。ダブルスタンダードである。

時間稼ぎの「さじ加減」で許される、許されないが決まるのか?

 いや、もしかしたら、こういう言い分なのかもしれない。

「ドーハの悲劇のときは試合終了間際だった。だから『時間をうまく使う』行為は許された。だが今回のなでしこジャパンのケースでは「70分以上」にわたり時間稼ぎをしたから悪いのだーー。

 こういうことなのだろうか?

 ではいったい、勝っているときボールを保持してうまく時間を使う行為は、試合が残り何分以内なら許されて、残り何分以上あれば許されないのか?

 もちろんそんな決まりなんてない。

 結局、この件を批判してる人は論理性も何もなく、その場の「情動」や「気分」で叩いているだけじゃないのか? そんな気がする。

 実はこの問題を究極的に突き詰めると、「勝つためのマリーシアを認めるのかどうか?」という壮大なテーマに行き着く。マリーシアを認めない人は「正々堂々と戦え」と言ってなでしこジャパンを叩くし、認める人は叩かない。そういうことでしかない。

 つまり両者は永遠に交わらないのだ。

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【第2次森保ジャパン】対照的だった南野拓実と中村敬斗【10月シリーズ】

2023-10-19 14:13:46 | サッカー日本代表
余計な雑念がシュートをミスさせる

 カナダ、 チュニジアと対戦した10月シリーズの南野拓実を見ていると、どこか彼には「気負い」や「焦り」があるように感じられた。

 どういうことか?

 これは南野をめぐる状況を考えればわかりやすい。ただし推論だ。

 所属チームのモナコで昨季不振だった彼は、今季、就任した新監督が彼を理解する馴染みのアドルフ・ヒュッター監督に代わった。

 で、彼に合わせてポジションも変わり、プレイしやすくなり絶好調になった。その流れで落選していた日本代表にもまた選ばれた。

「ここで絶対に結果を残し、代表に定着しなければ」

 彼はそんな心境だったのではないか? で、その強い思いが逆に気負いや焦りとなり、肩に力が入って肝心のシュートチャンスで決められないーー。

 こういうメンタルの流れが手に取るようにわかる。

 比較対照すると理解しやすいのが、中村敬斗だ。

「氷の心臓」をもつ彼はシュートを打つとき、まったく余計なメンタルの動きに左右されない。雑念がない。平易な言葉でいえば「平常心」でシュートすることができる。だからあんなに高確率でゴールを決められるのだ。

 とすれば南野が代表に定着できるかどうかは、どこまで彼が「無の境地」になれるか? にかかっているような気がする。

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