「選手まかせ」が生む森保ジャパンの無責任体制
日本はなぜコスタリカに負けたのか?
これにはさまざまな要素があるが、根底にあるものは大きく2つに分かれると考えられる。
ひとつは、グループリーグの第2節。5-4-1の守備的布陣を敷いてきた「前へ出てこない」コスタリカに対し、日本はどう対応するのか中途半端だった点だ。
例えば第1節のドイツ戦で望外の勝ち点3が取れた時点で、勝ち点をコスタリカ戦で「6」に積み上げ、一気にグループリーグ勝ち抜けを狙うのか?(それができる可能性があった)。
それともグループリーグを3試合トータルで考え、勝点を1つでも上げて有利を稼ぐのか?
そこの見極めだ。
こうした戦い方のコンセプトは大会を勝ち抜くための根幹に当たるが、巷間、選手のコメントなどから「チームはそこの意思統一ができていなかった」ことがうかがわれる。これは致命的な問題だ。
つまり選手によって考えが違ったのだ。
ゆえにコスタリカ戦を勝ちに行くのか? 勝ち点1でもよしとするのか? ここのコンセプトが不明確だった。
当然、森保監督はこのゲームプランを徹底しておくべきだったはずだ。アジア予選の頃からずっとそうだが、「選手まかせ」の森保体制はこういうところが甘くなる。
状況と方針が変わったのなら徹底すべき
そのためコスタリカ戦では、「行く」のか「ステイする」のかがあいまいになり、チーム全体として何をめざすのか? 焦点がボケた。
コスタリカ戦があの締りのない、何をやりたいのかハッキリしない中途半端なゲームになったのは、この点が大きいと思われる。
もちろんあえて監督のためにエクスキューズすれば、当初は初戦の強豪ドイツ戦でなんとか「勝ち点1」をもぎ取り、第二戦のコスタリカ戦で「勝ち点3」をめざす、というプランだったのならば、ドイツに勝った時点で用意していたシナリオが崩れることになる。
森保ジャパンはここが崩れたまま、コスタリカ戦になだれ込んだ感じがする。
そうではなく、状況が変わったならばその時点でシナリオをすみやかに修正し、新しいシナリオを選手に徹底しておくべきだった。
あのコスタリカ戦が、何をやりたいのか戦い方が不明確でぼんやりしていたのは、この点が大きいと推察する。
森保監督の「選手まかせ」の弊害だ。
「コスタリカは前から来る」という空想
一方、上にあげた問題と同根だが……戦前、スペインに0-7で大敗したコスタリカは最終ラインを上げて前から総攻撃をかけてくると考えていた選手と、そう考えてない選手が混在していたようだ。
試合後の選手のコメントなどからそう推察できる。
元来、コスタリカは5-4-1の堅陣を敷き、堅守速攻をゲームモデルにするチームだ。
ところが初戦のスペイン戦で0-7の大敗をしたためプランが狂った。そこで失地回復するため彼らは前から激しく仕掛けてくるに違いないーーそう考えた選手たちがいた。
これなども監督はミーティングで選手に徹底して意思統一しておくべきだった。そして敵が前から来た場合はこんなゲームモデルで行く。
あるいは前からこない場合はこのゲームモデルで対応する、というふうに対策をあらかじめ練り選手に注入しておくべきだった。
この点でも「選手まかせ」の森保監督の短所が出たといえる。
いうまでもなくこの問題はチーム立ち上げ時からずっと一貫して森保ジャパンが抱える「病巣」だ。それが図らずもカタールW杯のド本番で出た、という感じがする。
アジア予選のときから本ブログではずっとこの欠陥を指摘してきたが、監督がここを修正する気がないなら選手はそれなりにやるしかない。
そんなあいまいな調子でド本番まで来たわけだが、森保監督はこの問題をいったいどう考えるのだろうか?
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例えば第1節のドイツ戦で望外の勝ち点3が取れた時点で、勝ち点をコスタリカ戦で「6」に積み上げ、一気にグループリーグ勝ち抜けを狙うのか?(それができる可能性があった)。
それともグループリーグを3試合トータルで考え、勝点を1つでも上げて有利を稼ぐのか?
そこの見極めだ。
こうした戦い方のコンセプトは大会を勝ち抜くための根幹に当たるが、巷間、選手のコメントなどから「チームはそこの意思統一ができていなかった」ことがうかがわれる。これは致命的な問題だ。
つまり選手によって考えが違ったのだ。
ゆえにコスタリカ戦を勝ちに行くのか? 勝ち点1でもよしとするのか? ここのコンセプトが不明確だった。
当然、森保監督はこのゲームプランを徹底しておくべきだったはずだ。アジア予選の頃からずっとそうだが、「選手まかせ」の森保体制はこういうところが甘くなる。
状況と方針が変わったのなら徹底すべき
そのためコスタリカ戦では、「行く」のか「ステイする」のかがあいまいになり、チーム全体として何をめざすのか? 焦点がボケた。
コスタリカ戦があの締りのない、何をやりたいのかハッキリしない中途半端なゲームになったのは、この点が大きいと思われる。
もちろんあえて監督のためにエクスキューズすれば、当初は初戦の強豪ドイツ戦でなんとか「勝ち点1」をもぎ取り、第二戦のコスタリカ戦で「勝ち点3」をめざす、というプランだったのならば、ドイツに勝った時点で用意していたシナリオが崩れることになる。
森保ジャパンはここが崩れたまま、コスタリカ戦になだれ込んだ感じがする。
そうではなく、状況が変わったならばその時点でシナリオをすみやかに修正し、新しいシナリオを選手に徹底しておくべきだった。
あのコスタリカ戦が、何をやりたいのか戦い方が不明確でぼんやりしていたのは、この点が大きいと推察する。
森保監督の「選手まかせ」の弊害だ。
「コスタリカは前から来る」という空想
一方、上にあげた問題と同根だが……戦前、スペインに0-7で大敗したコスタリカは最終ラインを上げて前から総攻撃をかけてくると考えていた選手と、そう考えてない選手が混在していたようだ。
試合後の選手のコメントなどからそう推察できる。
元来、コスタリカは5-4-1の堅陣を敷き、堅守速攻をゲームモデルにするチームだ。
ところが初戦のスペイン戦で0-7の大敗をしたためプランが狂った。そこで失地回復するため彼らは前から激しく仕掛けてくるに違いないーーそう考えた選手たちがいた。
これなども監督はミーティングで選手に徹底して意思統一しておくべきだった。そして敵が前から来た場合はこんなゲームモデルで行く。
あるいは前からこない場合はこのゲームモデルで対応する、というふうに対策をあらかじめ練り選手に注入しておくべきだった。
この点でも「選手まかせ」の森保監督の短所が出たといえる。
いうまでもなくこの問題はチーム立ち上げ時からずっと一貫して森保ジャパンが抱える「病巣」だ。それが図らずもカタールW杯のド本番で出た、という感じがする。
アジア予選のときから本ブログではずっとこの欠陥を指摘してきたが、監督がここを修正する気がないなら選手はそれなりにやるしかない。
そんなあいまいな調子でド本番まで来たわけだが、森保監督はこの問題をいったいどう考えるのだろうか?
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