所得税は過熱したインフレを抑制する自動安定化装置になる
MMTについてふれた記事を過去に2本書いた。だが、まだまだ書き足りないことがたくさんある。そもそもMMTをブログのたかが1エントリーで書き切るなんて不可能だ。ゆえにしかたないのだが、とはいえ気になってしかたない。
2本の記事を書き終えたいま、「あそこが足りない。ココも足りない。緊縮派にツッコまれるんじゃないか?」。そう思うと不安で夜も眠れない(どないやねん)。で、過去記事で泣く泣く省略したポイントを今回書いておくことにした。
まず国債を発行して財政支出できるなら、無税国家が作れるんじゃないか? という人がいる。まあ理論的には可能だが、とはいえ税には税の役割がある。例えば累進性を持つ所得税は、過熱したインフレを抑制する自動安定化装置になってくれるのだ。
景気がよくなり儲かった人は、そのぶん所得税を多く取られる。つまり政府が税という形で世の中からお金を抜き取り、過熱したインフレをさますわけだ。こんなふうに累進性を持つ税があれば、自動的に景気を調節してくれてインフレが嵩じないよう保ってくれる。
一律に課税し消費をジャマする消費税
その意味では累進性がなく、消費に一律に課税する消費税は欠陥だらけの税なんだ。経済の命である「消費」という貴重なものに課税することで、人々が消費する意欲をなくさせてしまう。
しかも消費税には、累進性がある所得税のような「富を再分配する機能」もない。つまり所得税は富める者からお金を取り、財政支出という形で所得の低い者に再分配してくれる。
唯一、消費税に意味があるのは安定財源だって点だ。だが、そもそも国債を発行して財源を作れるんだから、消費税なんて必要ない。「安定財源だ」などとありがたがるのは、人々からお金をむしり取って緊縮財政を進めたい財務省だけだ。
税金を納められるからお金には価値がある
また一方、税はお金の社会的地位を保証してもいる。
つまりお金で税金を納められることによって、お金の価値が担保されるのだ。お金で税金を払えるのだから、人びとにとってお金はありがたい。税金を払えるからこそ国民はこぞってお金を所有しようとする。だからこそお金には価値があるのだ、って話だ。
最後に財政支出の意義について。例えば90年代の日本みたいに、景気浮揚策として財政出動して「空席ばかりの市民ホール」や「飛行機が着陸できる農道」を作ったりするのは、イマジネーションの欠如以外の何物でもない。
いまの日本なら深刻化する社会保障に思い切って財政支出できるし、土木工事をするにしても本当に人々の役に立つ事業を考えるなんてたやすい。支出を渋って止まっている、老朽化して劣化の激しい公共インフラへの投資などいくらでも案は考えられる。
現にいま、崖やら道路やらが不意に崩れたりしているではないか? 真の意味でのワイズ・スペンディング、国土強靭化が必要である。
MMTについてふれた記事を過去に2本書いた。だが、まだまだ書き足りないことがたくさんある。そもそもMMTをブログのたかが1エントリーで書き切るなんて不可能だ。ゆえにしかたないのだが、とはいえ気になってしかたない。
2本の記事を書き終えたいま、「あそこが足りない。ココも足りない。緊縮派にツッコまれるんじゃないか?」。そう思うと不安で夜も眠れない(どないやねん)。で、過去記事で泣く泣く省略したポイントを今回書いておくことにした。
まず国債を発行して財政支出できるなら、無税国家が作れるんじゃないか? という人がいる。まあ理論的には可能だが、とはいえ税には税の役割がある。例えば累進性を持つ所得税は、過熱したインフレを抑制する自動安定化装置になってくれるのだ。
景気がよくなり儲かった人は、そのぶん所得税を多く取られる。つまり政府が税という形で世の中からお金を抜き取り、過熱したインフレをさますわけだ。こんなふうに累進性を持つ税があれば、自動的に景気を調節してくれてインフレが嵩じないよう保ってくれる。
一律に課税し消費をジャマする消費税
その意味では累進性がなく、消費に一律に課税する消費税は欠陥だらけの税なんだ。経済の命である「消費」という貴重なものに課税することで、人々が消費する意欲をなくさせてしまう。
しかも消費税には、累進性がある所得税のような「富を再分配する機能」もない。つまり所得税は富める者からお金を取り、財政支出という形で所得の低い者に再分配してくれる。
唯一、消費税に意味があるのは安定財源だって点だ。だが、そもそも国債を発行して財源を作れるんだから、消費税なんて必要ない。「安定財源だ」などとありがたがるのは、人々からお金をむしり取って緊縮財政を進めたい財務省だけだ。
税金を納められるからお金には価値がある
また一方、税はお金の社会的地位を保証してもいる。
つまりお金で税金を納められることによって、お金の価値が担保されるのだ。お金で税金を払えるのだから、人びとにとってお金はありがたい。税金を払えるからこそ国民はこぞってお金を所有しようとする。だからこそお金には価値があるのだ、って話だ。
最後に財政支出の意義について。例えば90年代の日本みたいに、景気浮揚策として財政出動して「空席ばかりの市民ホール」や「飛行機が着陸できる農道」を作ったりするのは、イマジネーションの欠如以外の何物でもない。
いまの日本なら深刻化する社会保障に思い切って財政支出できるし、土木工事をするにしても本当に人々の役に立つ事業を考えるなんてたやすい。支出を渋って止まっている、老朽化して劣化の激しい公共インフラへの投資などいくらでも案は考えられる。
現にいま、崖やら道路やらが不意に崩れたりしているではないか? 真の意味でのワイズ・スペンディング、国土強靭化が必要である。