すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ロシアW杯】いかに相手のよさを消すか? がカギだ

2018-01-29 14:51:05 | サッカー戦術論
究極のリアクションサッカーは結果を出すのか?

 対戦相手のスタイルを徹底的に分析し、敵のストロングポイントを殺して勝つーー。ロシアW杯で、ハリルジャパンはそんな戦い方をすることになるはずだ。それはハリルのキャラクターから考えて明らかである。

 自分たちからどう仕掛けるか? でなく、仕掛けさせて相手のよさを消して勝つ。となれば日本サッカー界史上、初の究極のリアクションサッカーがW杯で展開されることになる。

 これは日本のサッカー界に脈々と流れる「自分たちのよさを出し、積極的なアクションサッカーで勝つべきだ」という日本人らしい正々堂々の思想に対する強烈なアンチテーゼである。

 果たしてこの戦い方は、結果を出すのか? 非常に興味深い。

 そこにはポゼッションか? カウンターか? という二項対立への問いも含まれているし、アクションサッカーか? リアクションサッカーか? なる永遠のテーマも同時に連なる。

 それらのお題をまとめてひとことで言えば、「真っ向から行くか? 搦め手から攻めるか?」ということになる。

 日本でJリーグが始まって以降、サッカー界ではさまざまな議論が行われてきたが、今度のロシアW杯ではそれらのクエスチョンに対する一定の答えが出そうだ。それは同時にサッカーというカルチャーを日本人はどう考えるのか? という自問自答でもある。

 興味津々である。

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【ハリルジャパン】原口ら現レギュラー陣はがっちり同じ方向を向いている

2018-01-13 07:57:18 | サッカー日本代表
同じ戦術眼を共有してない香川&本田の行方は?

 1月8日にテレビ朝日で「日本サッカー新時代 ~2018年への旅~」なる番組を観た。ハリルジャパンのメンバーである大迫や原口、長友、久保、浅野らが出演し、ロシアW杯について語る内容だ。特に全員がハリルの志向する守備からの速いカウンターをよく理解しており興味深かった。一体感を感じた。と同時に、であるがゆえに香川や本田ら「同じ戦術眼を共有してないメンバー」が今後代表に食い込むのはもはや難しいのではないか? と感じさせられた。

 番組では長友が、左サイドの守備で敵をハメようとしているときの「逆サイド」にいる右の浅野のポジショニングに注文をつけるなど、なかなか深い内容だった。こんなふうに全員がカウンターを意識した発言をしていた。

 なかでもいちばん戦術理解度が高かったのは原口だ。「ワールドカップで点を取るには何が必要か?」という、なんだか意味不明な質問に答えた原口は「守備だ」と言い放ったのだ。

 繰り返すが、「点を取るにはまず守備が必要だ」と彼は答えたのだ。すなわち相手にボールをもたせ、守備からの速いカウンターを狙うハリルジャパンのスタイルを彼はひとことで言い切ったわけだ。「点を取るには守備なんだ」と。原口はよくわかっているなぁ、と感心させられた。

 一方、カウンターとは真逆であるポゼッション志向の香川や本田は、この同じ価値観を共有していない。それどころか折に触れ彼らは「カウンターだけじゃだめだ。もっとボールを繋がないと」という主旨の発言している。本田あたりは監督と話しチームのスタイルを変えようと画策したフシもある。(この記事やこの記事参照)

 現レギュラーの原口や大迫らと、香川&本田との戦術的な乖離は大きいのだ。

 当然だが、チームは同じひとつの方向を向いている必要がある。特にハリルは対戦相手を徹底的に研究し、敵のストロングポイントを消す戦い方をする。そんなやり方をするチームにあって、一部の選手がてんでバラバラなスタイルで勝手にプレイしていては空中分解してしまう。

 とすれば香川や本田は仮に代表メンバーに選ばれたとしても、途中出場で流れを変えるワンポイントリリーフ的な使われ方に留まるのではないか? 

 この番組を観て、現レギュラー陣全員の戦術理解度があまりに高いのを目の当たりにして、思わずそんなことを感じてしまった。

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【高校サッカー・決勝】高校離れした「個の力」 〜前橋育英1-0流通経大柏

2018-01-09 07:18:09 | Jリーグ
速いボールスピードで前橋が圧倒

 正確なパスの繋ぎと前線の選手の圧倒的な「個の力」で、試合は前橋育英が終始ペースを握った。流通経大柏は守備は固いが守ってばかりで鋭いカウンターがあるわけでもなく、勝者にふさわしいのは明らかに前橋だった。だが敵の堅固な守備にあい点が取れない。後半アディショナルタイムに決勝ゴールをこじ開けたときにはホッとした。なかなか熱い試合だった。

 前橋育英の怒涛の攻撃を、ローブロックで堅陣を敷く流通経大柏が受け止める展開が続いた。前橋は盛んにポゼッションして攻め立てるが、ゴール前に人垣を作って守る敵の前にゴールが割れない。前橋の攻撃と流経大の守備がガッチリ噛み合った好ゲームだった。

 それにしても前橋育英の速いボールスピードには驚いた。彼らは下手なJリーグの選手より強いパスが出せる。狭いエリアでちょろちょろと弱いショートパスばかりを交換したがるJリーグとはえらい違いだ。「育成の効果が出てきてるんだな」と安心した。

 前の選手の技術の高さと破壊力にも感心させられた。流通経大柏の集中守備をかいくぐり、左サイドをうまく使って「ここ」というところにズバリとパスを突き刺す。高い「個の力」が圧倒的だった。

 一方の流通経大柏にもチャンスはあった。だが頻度があまりに低い。固い守備から、相手が前がかりになったところを突いてもっと速いカウンターを何度も繰り出せれば勝機は見出せた。だがせっかくボールを奪ってもパスがほとんど繋がらない。課題は攻撃だろう。

 いずれにしろ、強くて速いパスが出せる前橋育英に日本サッカーの明るい未来を見せてもらった試合だった。

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