「誰を見捨てるか?」でなく「みんなを助ける」
いまや地方では長崎屋やイトーヨーカ堂などメジャーな商業店舗が次々に撤退し、かたや地元の商店もとっくに寂れて駅前がすっかり空洞化し商店街にはシャッター通りが並ぶ。
いまや地方の中心部はさんざんな状態だ。
で、学校を出た若者はみんなこぞって都会へ行く。だが例えば東京では、非正規雇用やワーキングプアで所得が低く異性と出会うチャンスがない独身者がそこらじゅうでメンタルをやられ、うつ状態になってバタバタと自死している。もうすさまじい数だ。
たとえば
世界保健機関資料(2023年2月)によれば、G7各国における自殺死亡率は日本がダントツの1位である。
これでは当然、少子高齢化は進む一方だ。
だが政府は、この状況を放置している。彼らを助ける気など毛頭ない。
例えば地震で壊滅的にやられた能登に、いつまでたっても政府の助けがロクに行かないのを見ればわかる。もはや日本では「弱い者から順に勝手に死んで行け」という国家レベルでの放置プレイ、すなわちトリアージ(選別)が行われているのだ。
トリアージとは、例えば災害時などで十分に医療が行き届かないような場合、最後の最後は残った2人の患者のうちどちらを助け、どちらをあきらめるか? という究極の選択を行う行為をいう。
つまりこの30年間、経済がすっかり停滞し、貧富の差と少子高齢化が進んで自殺者が鰻登りの日本では、国家規模でのトリアージ、つまり「だれを見捨て、誰を生き残らせるか?」という壮大な切り捨て政策が行われている。
まったく信じられない話だが、それが現実だ。
このまま自公政権にまかせていては、そんな冷酷な体制が完全に固定化してしまう。
政権側はこうして保障を薄くし国民の命をふるいにかけ、国家予算を節約しながら人口を減らして所得の高い高学歴エリートや大企業だけを生き残らせて国家運営しようとしている。放置されたあの能登の悲惨な状況を見れば、それは明らかだ。
選挙へ行って投票率を上げよう
そんななか、今月27日に投開票が行われる第50回衆議院選挙では、いったい何が争点になるのか?
まずみんなで選挙に行き、投票率をグンと上げることだ。で、政界の勢力図を変え、少しでも政界再編・政権交代の可能性を高めて行くことだ。
なぜなら日本ではもうずっと、政治をあきらめた有権者の50%が選挙に行かない。棄権している。で、残りの票を自民・公明が岩盤層である企業や宗教などの組織票で固めて政権を握る構図が続いているからだ。
だが直近では、例えば先日の東京都知事選挙で元安芸高田市長の石丸伸二候補が出馬して人気を集め、それまで選挙を棄権していた若者の投票率を大きく引き上げて可能性を見せた。事前の予想をまったく覆し、石丸氏は有力だった蓮舫氏を抜いて2位にまで迫った。
あの現象を全国規模で起こせば、必ずひっくり返せるはずだ。
カギは経済政策にある
第二に必要なことは、今の日本の窮状に合った政策を行う政治家や政党に投票することだ。ならば政策的には、ひとことでいえば「誰も見捨てない、助ける社会」を作ることだろう。そのためには、まず経済をよくしたい。景気対策と生活を保証してくれる経済政策が肝心だ。
具体的には、政府が積極的に財政支出する「積極財政」を行い、国じゅうにおカネをマンマンと行き渡らせる必要がある。例えば消費税減税や給付などで低所得者対策や産業・企業の振興を行い、景気や暮らしを守る。
こんなふうに消費減税や積極財政を唱えると「財源はどうするんだ?」とすぐツッコミを入れたがる人がいるが、そんな心配はいらない。カギは国債発行だ。
日本はEU諸国などとちがい、円という独自の自国通貨を持っている。つまり日本は自国通貨建て国債の国だから、新たに自国通貨を刷れば必ず国債は返済される。財政破綻の心配はない。だから政府が大胆に財政支出できる。(雑な言い方をすれば)カネを刷ればそれで終わりだ。
例えば隣の中国なんて、以下のように大規模な積極財政を始めている。
『
中国、景気底上げへ積極財政出動 財政相会見要旨』(ロイター)
積極財政が「党是」の政党を選ぶ さて、では具体的にどこの政党を選べばいいのだろうか?
今回の選挙で消費税減税など積極財政を優先的に唱える政党は、山本太郎代表が率いる「れいわ新選組」や「国民民主党」、「参政党」などがある。そのなかから選べばいい。
ただしなかには選挙が終われば、コロッと言うことが180度変わる政党もあるので注意が必要だ。例えば少なくとも、れいわ新選組はずっと一貫して積極財政をイチ押しし、一年中、積極財政を訴えている。
次は投票のしかたをカンタンに説明しよう。
選挙へ行くのが初めての人にはちょっとややこしい話だが、日本の衆院選では「小選挙区」と「比例代表」という2つの投票を一度に行う。つまり投票用紙が2枚ある。
小選挙区では「候補者の名前」を書き、比例代表では「政党や政治団体の名称」を書こう。例えばれいわ新選組なら、選挙区のほうは「大石あきこ」「奥田ふみよ」などと立候補者の名前を記入する。
比例代表は各党名簿の上から順に当選者が決まる
一方、政党や政治団体名で投票する比例代表の投票では、一例としてれいわ新選組であれば「れいわ」の三文字だけ書けばOKだ。これで各地域ブロックごとに、各党の名簿の上から順に当選者が決まる。
もっともこんな仕組みはわざわざ覚えて行かなくても、投票所へ行けば手取り足取り書き方を教えてくれるので大丈夫だ。不安に思うことはない。
よくわからない人は、事前に下のリンク先にあるNHKの「特設サイト」を見ておくといい。このサイトはなかなかの優れモノだ。
まず自分の選挙区が「何区か?」が、わかっている人は、上記サイト最上段にある緑色の帯で囲まれた「候補者アンケート」をクリックし、該当する選挙区に出ている候補者の政策を見くらべてほしい。
一方、自分の選挙区が何区なのかわからない人は、今度は同サイトのトップページ下段にある日本地図をクリックし、まず自分の住所をもとに選挙区がどこなのか確認しよう。
で、その情報から、上記した「候補者アンケート」を読んで候補者の政策を調べてほしい。もちろん立候補者の党名とフルネームがわかれば、別途、グーグル検索などでその人物の詳しい政策を調べてもいい。
また、お目当ての党に所属する候補者が自分の選挙区にもし出てなければ、次善の策としてそこに立候補している候補者がどんな政策を掲げているかを見て、なるべく自分の考えに近い人に決めてほしい。
あとは「比例代表」の投票の仕方だ。こちらは「政党や政治団体の名前」を書く。この場合、例えば「東京ブロック」「北信越ブロック」など、自分が住んでいる各地域のブロックに出ている政党や政治団体の中から選ぶ。
この比例代表では、各政党や政治団体があらかじめ候補者の「優先順」を決めた名簿を作っており、獲得した議席数に応じて名簿の上から順に当選者が決まるしくみだ。
さあ、みなさん選挙へ行きましょう。
【関連ページ】「
れいわ新選組 衆院選2024」
「
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