ボランチとCBのポジション争いが見物だ
森保ジャパンは来年1月5日から、アジアの盟主を決めるアジアカップ2019(UAE開催)に参加する。決勝戦まで全7試合と長い戦いになる同大会では、スタメンをうまくローテーションしながら、かつ全勝優勝を狙いたい。とすれば俄然おもしろくなるのは実戦での先発争いだ。
特にセントラルMFとCBは完全に横一線である。まずセントラルMFを見ると、年齢的に青山は次のW杯ではもう選ばれないだろう。ゆえに若い守田にも十分チャンスはある。
守田はバイタルにステイし全体のバランスを取る、長谷部タイプのアンカー的なスタイルでプレイできる。森保ジャパンにはいないタイプの得難いキャラだ。
現状のように前へ出るスタイルのボランチばかりでは「だれがバイタルを埋めるのか?」という難題にぶち当たる。ここが森保ジャパン最大のキモだ。ゆえにこの課題解消のためにも、特に相手がはるか格下のグループリーグではぜひ守田に先発のチャンスをやり実戦で力を見たい。
セントラルMF組では絶対的な存在になるはずの柴崎が、所属チームで試合に出られていない。そのため強化マッチでは試合勘の問題からか、いまひとつ試合に入れてなかった。相対的に遠藤航が伸びてきており、そのためレギュラー争いは混沌としている。新鋭の守田も含めた4人の候補が実戦で先発ローテーションしながら、激しいデッドヒートを繰り広げそうだ。
一方、実力伯仲のCBはレギュラーが固い吉田以外は、残る全員にポジション争いへの挑戦権がある。若くて大きな伸びしろのある冨安は楽しみな存在だし、フィジカルとセンスに優れる三浦も魅力的だ。
またハリルホジッチ前代表監督に個人指導されメキメキ伸びた槙野は、ハリルの足枷が外れるとまたぞろファウル癖が顔を出すなど、プレイスタイルの再度の修正を迫られているが……能力は折り紙付きだけに期待は大だ。
両WGも決してレギュラー確定じゃない
もちろん競争が激しいのはセントラルMFとCBだけじゃない。長友と酒井がレギュラーを固める両SB以外は、森保ジャパンでは激しい生き残り争いが予想される。
例えば中島と堂安が一歩リードしている両ウイングを見ても、劇的なスピードと超絶ドリブルの伊東が虎視眈々とレギュラーを狙っている。
一方、圧倒的な運動量を誇り、守備も含めた泥のような粘りのハードワークができる原口は森保ジャパンにいないタイプのオンリーワンであり、ポジション争いに参加する資格を当然備えている。リードしている試合で守備固めに途中起用するなど、彼は起用法に柔軟性がある点も魅力だ。
このように伊東と原口にも十分チャンスがあり、ゆえに両ウイングは右の堂安と伊東、左の中島と原口による全面戦争が繰り広げられるだろう。
ゴールさえ取ればFW武藤は大迫を抜く?
かたや大迫が鉄板と見られているワントップも、あながちそうは言い切れない。追加招集されたFWの武藤が大迫にどこまで迫れるか、どう追い抜けるか? も非常に興味深い。
大迫が鉄板なのは前でポイントを作るポストプレイであり、逆に致命的な得点力のなさとゴールに迫る貪欲さの欠如は彼の大きなウイークポイントでもある。
一方、武藤は大迫のようなポストプレーヤーではないが、得点力と鋭く裏抜けするスピードなら大迫よりはっきり上だ。もし彼が先発すれば、武藤ならではの「まったく別の日本代表」を演出する力がある。ここの争いもおもしろい。
残るはトップ下(というよりセカンドトップ)だが……森保監督はトップ下には香川のようなゲームメーカー・タイプでなく、ゴールに迫れるセカンドトップ型を求めている。ゆえに、南野と北川が選ばれている。
いまは南野が一歩リードしているものの、強化試合で鋭いダイレクトプレイからきらめく可能性を見せつけた北川もいい仕事をしそうだ。この争いも見物である。
森保ジャパンでは中島と堂安、南野のワンダースリーばかりが注目され、あたかもレギュラーはもう決まったかのような印象がある。だがこれまで見てきたように、実は案外、そのレギュラー争いこそがおもしろいのだ。
しかもアジアカップでは単に優勝するだけでなく、大会中のド本番の実戦で、試合ごとに先発ローテーションしながらライバル同士がレギュラー争いの激闘を繰り広げるシーンが至る所で見られる。
つまりアジアカップの敵は対戦相手だけでなく、ポジション争いする味方こそが最大の「敵」なのだ。選手はスタメン生き残りをかけ、実戦で激しくアピールしようとするだろう。ゆえに大会のヒートアップは必至だ。
楽しみである。
森保ジャパンは来年1月5日から、アジアの盟主を決めるアジアカップ2019(UAE開催)に参加する。決勝戦まで全7試合と長い戦いになる同大会では、スタメンをうまくローテーションしながら、かつ全勝優勝を狙いたい。とすれば俄然おもしろくなるのは実戦での先発争いだ。
特にセントラルMFとCBは完全に横一線である。まずセントラルMFを見ると、年齢的に青山は次のW杯ではもう選ばれないだろう。ゆえに若い守田にも十分チャンスはある。
守田はバイタルにステイし全体のバランスを取る、長谷部タイプのアンカー的なスタイルでプレイできる。森保ジャパンにはいないタイプの得難いキャラだ。
現状のように前へ出るスタイルのボランチばかりでは「だれがバイタルを埋めるのか?」という難題にぶち当たる。ここが森保ジャパン最大のキモだ。ゆえにこの課題解消のためにも、特に相手がはるか格下のグループリーグではぜひ守田に先発のチャンスをやり実戦で力を見たい。
セントラルMF組では絶対的な存在になるはずの柴崎が、所属チームで試合に出られていない。そのため強化マッチでは試合勘の問題からか、いまひとつ試合に入れてなかった。相対的に遠藤航が伸びてきており、そのためレギュラー争いは混沌としている。新鋭の守田も含めた4人の候補が実戦で先発ローテーションしながら、激しいデッドヒートを繰り広げそうだ。
一方、実力伯仲のCBはレギュラーが固い吉田以外は、残る全員にポジション争いへの挑戦権がある。若くて大きな伸びしろのある冨安は楽しみな存在だし、フィジカルとセンスに優れる三浦も魅力的だ。
またハリルホジッチ前代表監督に個人指導されメキメキ伸びた槙野は、ハリルの足枷が外れるとまたぞろファウル癖が顔を出すなど、プレイスタイルの再度の修正を迫られているが……能力は折り紙付きだけに期待は大だ。
両WGも決してレギュラー確定じゃない
もちろん競争が激しいのはセントラルMFとCBだけじゃない。長友と酒井がレギュラーを固める両SB以外は、森保ジャパンでは激しい生き残り争いが予想される。
例えば中島と堂安が一歩リードしている両ウイングを見ても、劇的なスピードと超絶ドリブルの伊東が虎視眈々とレギュラーを狙っている。
一方、圧倒的な運動量を誇り、守備も含めた泥のような粘りのハードワークができる原口は森保ジャパンにいないタイプのオンリーワンであり、ポジション争いに参加する資格を当然備えている。リードしている試合で守備固めに途中起用するなど、彼は起用法に柔軟性がある点も魅力だ。
このように伊東と原口にも十分チャンスがあり、ゆえに両ウイングは右の堂安と伊東、左の中島と原口による全面戦争が繰り広げられるだろう。
ゴールさえ取ればFW武藤は大迫を抜く?
かたや大迫が鉄板と見られているワントップも、あながちそうは言い切れない。追加招集されたFWの武藤が大迫にどこまで迫れるか、どう追い抜けるか? も非常に興味深い。
大迫が鉄板なのは前でポイントを作るポストプレイであり、逆に致命的な得点力のなさとゴールに迫る貪欲さの欠如は彼の大きなウイークポイントでもある。
一方、武藤は大迫のようなポストプレーヤーではないが、得点力と鋭く裏抜けするスピードなら大迫よりはっきり上だ。もし彼が先発すれば、武藤ならではの「まったく別の日本代表」を演出する力がある。ここの争いもおもしろい。
残るはトップ下(というよりセカンドトップ)だが……森保監督はトップ下には香川のようなゲームメーカー・タイプでなく、ゴールに迫れるセカンドトップ型を求めている。ゆえに、南野と北川が選ばれている。
いまは南野が一歩リードしているものの、強化試合で鋭いダイレクトプレイからきらめく可能性を見せつけた北川もいい仕事をしそうだ。この争いも見物である。
森保ジャパンでは中島と堂安、南野のワンダースリーばかりが注目され、あたかもレギュラーはもう決まったかのような印象がある。だがこれまで見てきたように、実は案外、そのレギュラー争いこそがおもしろいのだ。
しかもアジアカップでは単に優勝するだけでなく、大会中のド本番の実戦で、試合ごとに先発ローテーションしながらライバル同士がレギュラー争いの激闘を繰り広げるシーンが至る所で見られる。
つまりアジアカップの敵は対戦相手だけでなく、ポジション争いする味方こそが最大の「敵」なのだ。選手はスタメン生き残りをかけ、実戦で激しくアピールしようとするだろう。ゆえに大会のヒートアップは必至だ。
楽しみである。