すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【総裁選】安倍支配は続くよ、どこまでも

2021-09-30 09:44:41 | 政治経済
岸田政権は安倍の傀儡だ

 あの岸田文雄が勝った総裁選。河野太郎陣営の戦略は「1回戦で勝ち切る」ことだった。膨大な党員票をバックに1発で勝負を決めるハラだった。

 一方、「どうしても河野以外」でなければ困る安倍は意図的に第三の候補である高市早苗を擁立し、票の分散を狙った。それにより河野が1回戦で過半数を取れないよう、票を薄めてバラけさせた。

 その戦略が見事に当たった。

 腹黒く薄汚い戦略にかけては、安倍は天才的だ。

 で、安倍の細田派は高市と岸田に二股をかけていたから、めでたく岸田が河野を破って安倍の思惑通り。安倍の劇勝に終わった。

安倍支配を変えるには政権交代しかない

 岸田はまちがいなく安倍にリモートコントロールされ、言いなりになるだろう。完全な安倍の傀儡政権である。

 岸田は「新自由主義からの転換」と「巨額の財政出動」を訴えているのが救いだが、ただ改憲で緊急事態条項を入れようとしている点が要注意だ。

 もっともそうは言っても「安倍下」で岸田がどれだけイニシアチブを取れるか? はまったく未知数だ。おそらく確実に安倍の軍門に下り、「自分の政治」などできないだろう。

 結論としては、日本を安倍支配から脱却させて「世の中を変える」ためには政権交代の一択しかない、ということになる。

 まあ、もし河野太郎が勝っていたらあの「小泉ブーム」なみの大旋風が起きていただろうから、野党にとっては地味な岸田でマシだったかもしれない。

 衆院選で野党が勝てるかは心もとないが、政権交代を信じてやり切るしかない。

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母が逝った。すばらしい女性だった

2021-09-27 08:06:50 | エッセイ
100年早すぎたスーパーウーマン

 9月20日、母が亡くなった。89歳だった。

 夜、眠っているうちに亡くなったから、きっと安らかな最後だったのだろう。

 母の思い出は数え上げればキリがない。

 和裁、洋裁、茶道、日本舞踊、阿波踊り、切り絵ができて、犬のしつけの名人だった。

 家にはいつも犬や猫、ニワトリ、金魚、カメなどがいて賑やかだった。

 とても専業主婦で終わるような平凡な人じゃなかったが、時代がそうさせなかったのかもしれない。

「本当は演劇がやりたかったが、親が許してくれなかった」と言っていた。

 ユーモアのセンスがあり、感性が豊かでハイセンス。どう見ても「ふつうの人」じゃなかった。そんな母が誇らしかった。

偏食の私を公園に連れ出し……

 子供のころからわがままだった私は、そんな才人に面倒ばかりかけていた。

 私は超がつくほど偏食で何も食べられなかった。学校の給食の時間は地獄だった。(今から思えば一種の摂食障害だったのかもしれない)

 そんな私を母は公園に連れ出し、楽しい演出をした上で弁当箱からソーセージを食べさせ、「息子がソーセージを食べた!」とうれし泣きしながらお祖母ちゃんに電話していた。

 一事が万事この通りで、子育ての面で私が母にかけさせた手間は想像を絶する。

 いっさい家庭を顧みない父を横目に、母は早朝から深夜までせっせと一人で家事をしていた。

 そんな女性を見て育ったので、てっきり女性とはそういうものだと思っていた。なんなら「女性の生きがいは家事なのだろう」などと考えていた。

(そんな妄想はいまの妻と出会って木っ端みじんに打ち砕かれたが。妻は「男は家庭でどうあるべきか?」を教えてくれた貴重な先生である)

自分の頭で考えろ

 そんな母にことあるごとに言われたことがある。

「私は家庭に入ったから、やりたいことができなかった。だからお前は将来やりたいことを思った通りにやれ」

 そう言われて育った(だから私はこんなグータラなのかもしれないが)

 もうひとつ子供のころから言われたのは、「自分の頭で考えろ」ということだ。「勉強しろ」なんて言われたことなどなかったが、これだけは本当にうるさく言われた。

 たとえば、他人は「こう言って」いる。世の中の常識もその通りだ。メディアも同じことを報道している。

「だが、それは果たして客観的事実なのか?」

 こんなふうに常に疑い、「自分の頭」で考えるクセがついたのは母のおかげだ。

まるで友達みたいだった母

 こうして挙げればキリがないが、「まるで友達みたいだった母」には本当に感謝している。

 生まれてくるのがもう100年遅かったら母は芸術家にでもなっていたかもしれないが、しかしそれでも母は「人間を育てる」という大仕事をまっとうして、いま天国にいる。

 あと何十年かして私もあちらへ行ったら、ちょっとは親孝行でもしようかなと思っている。

 ありがとう、お袋。

 あなたはすばらしい女性でした。

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【新型コロナ】医学界は利権のために間違いだらけのコロナ対策をやってきた

2021-09-17 06:43:46 | 新型コロナ
コロナは空気感染する

 新型コロナは、5μm(マイクロメートル)以下の微細な粒子である「エアロゾル」が空気中に滞留し、数十メートルの範囲で長時間浮遊することで感染する。特に、さらに小さい2~3μm以下の微小粒子なものは空気中で数時間も漂う。

 これがコロナ感染・最大の主要ルートだ。

 そのため「マイクロ飛沫感染」などとも呼ばれるが、実態的には「空気感染」である(厚生省は「イコールじゃない」とあくまで否定しているが。これについては後述する)。

 ゆえに換気の悪い、広い空間に15分間いただけで感染する可能性がある。

 ところが日本のコロナ対策を取り仕切っている「国立感染症研究所」(感染研)や厚労省の「医系技官」(医師免許を持つ官僚)といった感染症ムラは、「接触感染」と、ツバ・くしゃみなどによる「飛沫感染」の2つが原因だ、これらを洗い出せ、とばかりやってきた。

 そして人と人との接触や飛沫感染の疑いがある人物を「濃厚接触者」と認定し、もっぱら感染ルートやクラスター(患者集団)ばかりを追うコロナ対策が行われてきた。

 だが実際にはコロナの多くは空気を媒介に感染するのだから、濃厚接触者も感染経路もクソもない。とにかく感染者と同じ空間、および空気を共有した人間全員をごっそり隔離しなければ意味がないのだ。

 にもかかわらずそんな指導のもと世間では、人と人の間に「アクリル板を立てればツバが飛ばず大丈夫だ」などとやっている。

 つまり感染症ムラは、魚のいない(または少ない)ところに網をかけていたわけだ。おかげで感染がこれだけ蔓延したのである。

もともとWHOや米国CDCは「接触」と「飛沫」の2つが経路だと主張してきた

 さてここから2段落だけは、「2024年8月27日」に後から追記した後日談だ。

 上記の記述からのちの「2022年3月」段階になり、国立感染症研究所は以下の通り、感染経路の筆頭として「エアロゾル感染」をやっと取り上げるようになった。

【ご参考】

国立感染症研究所」ホームページ

 またその後、厚労省も遅ればせながら「マイクロ飛沫感染」を言い出した。

 だが(詳しくは後述するが)、彼らはそもそも「マイクロ飛沫感染と空気感染は違う概念だ」などと言い張っている。

 しかしそんな学術的で細かい定義なんて、一般庶民にとってはどうだっていい。

「とにかく空気を介してカンタンに感染るのだ」という点こそが重要だし、その客観的事実を正確に国民へ周知することこそ大切なんじゃないか? と思える。

感染症ムラの会合では「エアロゾル感染」が無視された

 例えば国立病院機構・仙台医療センターの西村秀一氏はこの点について、『空気感染、「3密」と言ってるのだから認めて当然でしょ』(日経メディカル・2020年8月7日インタビュー)と語っている。

 なのに過去を振り返れば、厚労省に対し新型コロナ対策について専門家の集団が必要な提言をする「アドバイザリーボード」では、2020年7月30日に行われた第4回議事の段階でも、依然として「エアロゾル感染」について以下の通り否定的な見解が述べられている。

◾️「厚生労働省ホームページ」第4回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年7月30日)

 ちょっと長くなるが面白いので、「エアロゾル感染」について個別の発言をそのまま引用してみよう(読みやすくするため、意味を変えずに少しだけ整形した)。

 ひとつ事前に注記すると、おそらくこの資料は会議を聞いた「医系技官」(医師免許を持つ官僚)が聞き書きしたものだろう。

 だから微妙に元の発言のニュアンスを変えて意味を意図的に(どうとでも取れるよう)曖昧にしたり、自分たちに都合のいい方向へ解釈できるよう操作している可能性はある。その点は含みおいて読んでほしい。

 さて、例えばまず西浦博氏(北海道大学大学院 医学研究員教授・当時)は、こう口火を切っている。

「いわゆる『エアロゾル感染』が起こる可能性が非常に低いかどうかは、直接、観察できてない部分は推測するしかない。エアロゾル感染が市中で起こってないと言い切れるだけのエビデンスがないのではないか。

『非常に低い』と言い切ってしまうと、観察できない部分に関するケアが後から問われかねない。ならば、エアロゾル感染が市中で起こる可能性は今後検討を要するということだと思う」

 なんだか判然としない論調だ。「ないとは言い切れないが、これをもし、ないと言い切ってしまうと後から責任を問われる。だから今後検討する、と逃げておこう」みたいな印象を受ける。

 ただし基本的には「エアロゾル感染が存在する可能性は低い」に傾いている感じだ。もっともそれを言い切るにあたっては「後から問われる」から「今後検討を要する」としておこうよ、みたいな、なんだか責任回避的な表現をしている。

 また押谷仁氏(東北大学大学院 医学系研究科微生物学分野教授・当時)はこう語る。

「我々が3密と言い出したということは、やはりエアロゾル感染があり得るということが非常に大きな理由であるが、空気感染、いわゆるエアボーン・トランスミッションが起きているのだったら、電車の中とかそういうところでもかなり起こるはずだし、そういうものとは違う概念なので、そのあたりはきちんと切り分けて説明をする必要があると思う」

 こちらはエアロゾル感染の存在には肯定的だが、「これは空気感染とは違う概念だから区別すべきだ」というご意見だ。

 この記事のちょっと上の方で私が「学術的にどうかは別の話だ。そんな専門的な定義なんて庶民には関係ない。肝要なのは、実効的な対策だ」と書いたのと対照的だ。

 そして最後に尾身茂氏(独立行政法人 地域医療機能推進機構理事長・当時)は、こうダメを押す。

「手洗い何とかということはもう当たり前なので、それよりエアロゾルというのは最近のキーワードであるが、これを聞いたら空気感染するのではないかと誤解される。そこの違いと、あとエアロゾルは3密で起きやすいという2つのことはぜひ絵を追加してもらえれば、もっと分かりやすくなると思う」

 まあこのコメントの最後(絵を使ってわかりやすく)は正論だが、前段の部分は相変わらず「空気感染とはちがう」ことにこだわっている。

 もっとも世界保健機関(WHO)や米国疾病対策センター(USCDC)自体が当初、「新型コロナの感染経路は飛沫感染と接触感染の2つだ」と主張してきたのだから、日本の専門家や厚労省が「親方の彼ら」にならうのは無理もないが。

 ただし実はこの会合に先立つ同じ2020年の同じ7月、しかもたった23日だけ早い7月7日に、そのWHOでさえ「空気感染」を定例会見で公式に認めているのに、だ。

(邪推になるが、そもそもこの第4回アドバイザリーボードが開かれたこと自体、「空気感染」を公式に認めたWHOの定例会見を意識して急遽、その直後に開かれたのではないか? とも思われるのだが)。

 ちなみに2024年1月22日に、東北大学大学院・理学研究科や総合研究大学院大学、東京大学大学院・法学政治学研究科の研究者らが出した「日本の現実を踏まえた新型コロナウイルス感染症対策を求める声明」では、「新型コロナウイルスは空気感染する」とハッキリ明示されている。

 またこの声明では、WHOや米国疾病管理・予防センター(CDC),ほかにも科学誌の「Nature」、「Science」、「Lancet」誌などでも同様に「空気感染する」と報告されているとしている。

 これがどう考えても正しい。

 このほか特に「不織布マスクの編み目はウイルスが含まれるエアロゾル粒子より大きいことを理由に、空気感染にマスクは効果が無いとの主張が見られるが、これは誤りである」と指摘されているのは大変参考になる。

遅れている日本の感染症対策

 では、いったい日本ではなぜこんなトンチンカンなコロナ対策が行われてきたのか?

 ひとつには、日本は欧米に比べてコロナ研究が立ち遅れていたことがある。

 また「コロナは空気感染する」などといえば社会的パニックを起こしかねない、という忖度もあったのかもしれない。

 そのため研究者もそれを伝えるマスコミも、うすうす気づいてはいたが「空気感染する」とはハッキリ言わなかったのだとも思える(肯定的に解釈すれば)。

 そして第三の理由として非常に大きいのは、感染症ムラの「利権の構造」である。

「積極的疫学調査」はカネのなる木だ

 感染症ムラでは、濃厚接触者をさがし特定する「積極的疫学調査」なるものがこれまで大々的に行われてきた。当時、この調査によって感染ルートが解明できると考えられていた。

 だが実はこの「積極的疫学調査」は、やればやるほど予算がつく。つまり感染症ムラにとっては、カネのなる木なのだ。

 ところが国立感染症研究所が出している公的文書によれば、濃厚接触者なるものの定義はもう笑ってしまうほどコロナの実態とかけ離れている。以下、文書の一部を抜粋しよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【濃厚接触者とは?】(2021年現在)

 濃厚接触者とは患者が感染可能な期間に、当該患者が入院、宿泊療養又は自宅療養を開始するまでに接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。

1)患者と同居または長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
2)適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護していた者
3)患者の気道分泌液、もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
4)手で触れることの出来る距離(約1メートル)で、必要な感染予防策なしで患者と15分以上の接触があった者
5)航空機内の場合は、国際線で患者の前後2列以内の列に搭乗していた者。また国内線では患者の周囲2メートル内に搭乗していた者

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

濃厚接触者の定義は「接触」と「飛沫」だけ

 一読してわかるが、これらはすべてコロナとは「接触感染か飛沫感染で広がる」という古典的な前提に立っている。

 バカバカしいので以下、割愛するが、なかでも「飛行機で患者の前後2列以内に乗っていた者は濃厚接触者だ」などというのは超お笑いだ。

 そんなもの、コロナは空気感染するのだから「同じ飛行機に乗っていた人間は全員」隔離しなければなんの意味もない。

 また空気感染を前提に考えれば、濃厚接触者と同様にクラスターという概念も時代遅れだ。

 日本ではこれまで、こんなザルそのものの概念に基づいてコロナ対策が行われてきたのだからどうしようもない。

 しかも感染症ムラはこうした「積極的疫学調査」を行えば行うほど予算がつくのだから、コロナの実態といかにかけ離れていようがおかまいなしなのだ。

感染症ムラは膿を出すべきだ

 テレビ等のメディアでは、いまだに「濃厚接触者」という古い概念の言葉が使われている。

 だが感染症ムラだけでなくメディアも含め、コロナ対策は最新の知見に基づいて行われるべきだ。

 もちろんそこには利権による誘惑などあってはならない。

 前回の記事でも書いたが、コロナ対策の基本は徹底した「検査」と「隔離」だ。医系技官の利権の温床であるPCR検査が適正に、かつ大々的に行われる必要がある。

 またそこでは空気感染を前提とした知見をもとに、最新の対策が行われるべきだ。

 利権にまみれた感染症ムラは、とっとと膿を出すべきである。

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【新型コロナ】対策の基本は「検査」と「隔離」だ

2021-09-10 07:30:46 | 新型コロナ
コロナに合わせた医療の再構築を

 いま新型コロナの医療の現場では、愚かしい「自宅放置」政策が取られている。

 厚労省上層部の「医系技官」(医師免許を持つ官僚)からの上位下達により、保健所はパルスオキシメータで血中酸素飽和度が96%以上あれば、どんなに熱があろうが体調が悪かろうが入院させず、機械的に「自宅放置」している。

 感染者を自宅なんぞにいさせれば、独身者ならたちまち日常生活に困る。また家族がいれば、家族にうつしてしまい感染をますます広げることになる。

 なぜこんなバカなことが起きているのだろうか? それはコロナ治療を念頭に置いた医療の再構築が行われないために、医療崩壊が起きているからだ。

PCR検査による「発見」が基本だ

 新型コロナ対策の基本は、PCR検査による陽性者の洗い出しと、それに基づく「隔離」が基本だ。隔離しなければ感染が広がってしまう。

 ところがPCR検査については組織に目詰まりがあり、思うように行われていない。これはひとつには前述した厚労省の医系技官の利権も関係している。

 彼らは保健所に天下りするのだが、PCR検査を所管するのはその保健所だ。つまり医系技官としては、PCR検査が推奨され保健所がオーバーワークでパンクしては、天下り先を守れなくなる。

 そこでPCR検査を抑制する政策を取っているのだ。利権のために、である。

 こんなことが許されていいのだろうか?

 例えば一説には、PCR検査を全国民に毎月2回づつ実施しても、約2~4兆円の予算でできるといわれる。コロナ対策の第一歩は検査なのだから、その程度の予算でできるなら絶対にやるべきだ。

公的病院を新型コロナ専用病床にせよ

 一方、コロナ対策のもうひとつの基本である「隔離」についてはどうだろうか? 検査して陽性者が見つかったとしても、他者に感染しないよう隔離する場所がなければお話にならない。

 例えばこの件について「職業政治家 小沢一郎」(朝日新聞出版)などの著書がある元朝日新聞記者でジャーナリストの佐藤章氏は、YouTubeチャンネル「一月万冊」で、公的病院をコロナ専門の病床に変えるよう提唱している。

 国立系などの公的病院には、国立病院機構(NHO)に140病院、約4万床の病床がある。ほかにも地域医療機能推進機構(JCHO)は57病院、約1万5000床の病床を抱える。このほか労働者健康安全機構が全国に設置・運営する労災病院もある。

 前出の佐藤氏によればこれらの病院は医系技官の天下り先であり、全病床数のうちのたった2%程度しか新型コロナ患者を受け入れていない。

厚労大臣の要請でコロナ専門病床にできる

 これらは公的病院なので厚労大臣の命令に近い「要請」によって、法律上、新型コロナ専門病床にできる。

 佐藤氏はこうした施策でこれらの病院にコロナ患者を受け入れさせ、すでに入院している通常の患者を地域の一般病院に振り替える医療の再構築を提唱している。

 また補助金をたっぷり受けている首都圏の私立大学病院にICUを拡張させ、コロナの重症・中等症患者を受け入れさせる。

 これらの施策がもし実現すれば救急車のたらい回しや「自宅放置」も減り、コロナ対策はかなり進むだろう。

 医療崩壊を解消するには、こうした抜本的な病院の組み換えが必要だ。検討の余地がある重要な案件だと思うが、どうだろうか?

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【カタールW杯最終予選】凡戦、されど勝ち点3 〜日本 1-0 中国

2021-09-08 06:17:14 | サッカー日本代表
前半の中国は腰がひけていた

 凡戦だったが、やはり勝ち点3を取れたのは大きい。

 前半の中国は5バックでゾーンを低く構えてカウンター狙いできた。

 だがポゼッション率63%と、ひたすらボールを支配下に入れた日本は付け入る隙を与えなかった。

 後半、中国は巻き返しを狙い、3枚替えで4バックにしてゾーンを上げてきたが、力及ばず。

 日本は最小得点の1点に終わったが、勝ち点3だ。考えうる最低限の結果は出した。
 
大迫がジャンプ一閃ゴールを取る

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが権田。最終ラインは右から室屋、吉田、冨安、長友だ。

 CMFは遠藤と柴崎。2列目は右から伊東、久保、古橋。ワントップは大迫である。

 一方、中国は5-3-2だ。彼らはディフェンディングサードにブロックを作り、ひたすらカウンターを狙っている。

 日本のビルドアップは長友と室屋がかなり高い位置を取る。

 かたや古橋は中に絞り、サイドに長友のためのスペースを作っている。ただし古橋の周りにはスペースがない。例えばワントップで使うなど、彼を生かす起用の仕方をやはりひと工夫する必要がある感じだ。

 前半23分。久保がシザースから右足でゴール左ポストを直撃するシュートを放つ。惜しい一撃だ。久保はかなり自由にポジションチェンジしながらプレイしている。

 前半40分。右サイドで伊藤がドリブルしてクロスを入れる。大迫がジャンプしながら右足の甲にうまく当ててゴールに決めた。大きな先制点だ。

1戦1戦、粘り強く勝ち点を積み上げろ

 後半に入ると、中国がゾーンを上げて追い上げにきた。

 日本としては、そのぶん彼らの後ろにできるスペースを狙いたいところだ。

 後半5分、傷んだ古橋に代えて原口を投入する。

 後半は中国もビルドアップから攻撃してくる機会がふえた。

 後半17分、中国は3枚代えに出る。そしてフォーメーションを4-4-2に変えた。反撃を狙っている。

 だが中国の狙いも虚しく、日本はなんとか試合を締めた。この試合、日本は前半に2〜3点取っていなければならなかった。点が取れないのは相変わらずだ。

 10月に対戦するサウジアラビアとオーストラリアは、ともに2連勝で勝ち点6を持っている。初戦敗戦のハンデを負っている日本は、ここから辛抱強く勝ち点を積み上げていかなければならない。

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【中国戦・希望スタメン】キーワードは世代交代だ

2021-09-06 09:05:25 | サッカー日本代表
若い力の爆発が胎動する

 日本代表は9月7日、カタールW杯・アジア最終予選グループB第2節で中国代表と対戦する。

 この試合、スタメンはどうなるだろうか?

 ベテランを使って失敗したオマーン戦を考えれば、中国戦では思い切って世代交代を図りたい。

 そこで選んだのが以下の11人だ。

 これは「予想」ではなく、あくまで個人的な「希望スタメン」である。

【希望スタメン】

FW オナイウ阿道
MF 古橋亨梧 久保建英 堂安律
MF 守田英正 遠藤航
DF 長友佑都 冨安健洋 吉田麻也 山根視来
GK 権田修一

大迫依存から脱したい

 まずワントップは古橋を使いたいが、南野がケガで離脱したため左SHが中国戦で出場した原口しかいない。

 となるとここはメンバーを変えたいので古橋を左SHで使い、ワントップはこちらもぜひ見たいオナイウ阿道を起用する(おそらく森保監督は大迫起用だろうが)。

 オナイウのポストプレイと、ゴールへの「渇望」をぜひ見たい。

 2列目の久保と堂安のコンビネーションは折り紙付きだ。東京五輪でも魅せた。彼らはポジションチェンジしながらプレイするので相手を幻惑できるだろう。

 また久保なら、古橋を前のスペースへ走り込ませるスルーパスを出せるだろう。となればサイドでも古橋の裏抜けは生きると見る。古橋は積極的にゴール前に飛び込んでほしい。

右SBの山根視来をぜひ見たい

 CMFの一角には待望の守田を起用し、CBには戻った冨安を使う。

 そして酒井宏樹が離脱した右SBには、期待の山根視来をフィーチャーしたい(おそらく森保監督は室屋起用だろうが)。

 山根はハーフスペースの魔術師だ。

 とすれば右SHは幅を取る伊東純也のほうが相性はいいかもしれないが、ここは久保・堂安のコンビネーションを優先した。

 さあ、中国戦はこの11人でぶちかましてほしい。

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【オマーン戦・敗因分析】チェンジ・オブ・ペースのなさが敗因だった

2021-09-03 09:35:53 | サッカー日本代表
固定スタメンと固定戦術の二重苦

 驚くほど得点チャンスを作れなかった、カタールW杯アジア最終予選・初戦のオマーン戦だった。

 まずスタメンを見て感じるのは、保守的で旧弊、過去の実績優先、チャレンジがない、といったイメージだ。

 フォーメーションも含め、すべてがパターン化し、硬直化した世界で同じシナリオの芝居を何度も見せられている感じがする。特に原口、鎌田、大迫、柴崎に存在感がなかった。

ストーミングでかき乱す

 試す価値があったのはストーミングだ。

 この試合はカウンタープレス、ハイプレスがなかった。

 例えば南野のケガの状態がわからないが、ストーミングが得意な彼がもし使えたのであれば南野と堂安をスタメン起用し、オマーンのディフェンスラインがボールを持ったらハイプレスをかけてボールを刈り取ってしまう。

 これで何もやらせない。それも一策だった。

「大迫ありき」のサッカーから脱する

 もう一点、感じるのは、日本代表は大迫のようにポストプレイで「時間を作る」タイプのFWにしか慣れてない点だ。

「大迫ありき」のサッカーである。

 日本は大迫が最前線でボールを受けてタメを作るので、そのぶん時間的余裕ができる。

 ゆえにトップにボールが入っても、すぐ動き出さなくても間に合う。日本はその「間」に慣れている。そのため、どうしても周囲の選手の動き出しが遅くなる。

 そうではなく、もっと古橋のようなスピードのある裏抜けタイプのFWに合わせたチーム作りもすべきだろう。

 つまり前のスペースに縦パスを入れ、瞬間的にFWを走り込ませるようなサッカーだ。FWのポストプレイと併せ、「裏抜け仕様」のパターンも持っておく必要がある。

古橋を使うならワントップだ

 例えばもしセルティックの試合を森保監督が観ているなら、途中で投入した古橋は(この試合のように)サイドでは使わないだろう。

 セルティックのポステコグルー監督も先日のレンジャーズ戦に左サイドで彼を使ってしまい、「まちがいだった」とミスを認めていた。

 古橋を出すなら大迫と交代させ、裏抜け狙いの一手だ。彼に敵の最終ラインと絶えず駆け引きさせ、ゆさぶりをかける。

 これで敵の集中力を落とさせ、敵のラインの高さを変えさせて勝負だ。

 森保監督に古橋と大迫の交代ができなかったのは、「大迫は不動だ」という固定観念があるから。森保監督の「硬直性」ゆえだろう。

鎌田にボールを当てろ

 またオマーンは中を締めていたため、「サイドだ」とばかりに日本はサイドからクロスを入れては弾き返されていた。クロスを入れても中には大迫1人しかいないのだから何も起きない。

 確かにトップ下を務める鎌田には敵のアンカーが付き、彼は消されていた。

 だがたとえ鎌田の後ろにマーカーがいても鎌田の正面にボールを当ててシンプルに落としたり、はたいたりして次の展開を図るのも一手だった。

 鎌田にボールを当てて敵がさらに中を締めればサイドが大きく開くし、あるいはもしそこで鎌田がボールをはたき、ワンツーをかまして振り向ければ大チャンスになる。

 結論をいえば、オマーン戦ではこれまで述べてきたように敵にゆさぶりをかけ、「変化」をつける戦術がなかった。

 ペースの変化、ゾーンの変化、ポジショニングの変化、爆発的なスピードの変化、プレッシングの変化である。

 オマーン戦は全員が決まったゾーンにポジショニングし、お決まりのようにサイドからクロスを入れ続けては弾き返された。

 スタメンも含め「変化」がなかったことが敗因だろう。

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【カタールW杯アジア最終予選】初戦敗戦、コンディションの問題か? 〜日本 0-1 オマーン

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【カタールW杯アジア最終予選】初戦敗戦、コンディションの問題か? 〜日本 0-1 オマーン

2021-09-02 22:12:39 | サッカー日本代表
日本は平凡な試合運びに終始した

 日本のスタメンは2列目に南野でなく原口を使うなど、ベテラン陣で手堅く固めてきた。

 だが日本は縦の変化に乏しく、フィニッシュもサイドからクロスを入れてシュートを狙う、というお決まりの形に終始した。

 選手は全体にカラダが重く、コンディションが悪そうだった。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが権田修一。最終ラインは右から酒井宏樹、植田直通、吉田麻也、長友佑都だ。

 CMFは遠藤航と柴崎岳。2列目は右から伊東純也、鎌田大地、原口元気。ワントップは大迫勇也である。

 一方、オマーンは中盤ダイヤモンドの4-3-1-2だ。

がっぷり4つの試合、簡単じゃない

 オマーンは思ったよりボールが持てる。攻撃的で簡単じゃない。彼らは守備時にも中盤センターは1人で、攻撃時の形のまま守備してくる。

 彼らは4-4のブロックを作りゾーンを下げて守備的に戦う、みたいなことをやってこない。最終ラインを上げて五分の戦いを挑んでくる。オマーンはまとまって事前合宿し、4試合のテストマッチをこなしてきているようだ。

 前半が終わったが、将棋でいえば日本はまるで「駒落ち」で試合をやってるみたいで、下手(したて)とガッチリ対等に噛み合ってしまっており嫌な予感がする。

 久保のように細かいことができ、個で違いを生み出せる選手がほしいかもしれない。

 あるいは南野と堂安を投入してハイプレスをかけまくるなど、変化が欲しい。

 ヘタをすると、このままなんとなく引き分けで終わってしまうような気配がする。後半のメンバー交代に注目だ。

 この試合は早めに動いたほうがいい。

日本は爆発的なスピードの変化がない

 後半の立ち上がりから、日本は原口に代えて古橋を投入した。さてセルティックでのぶっちぎりぶりを出せるか?

 後半6分。長友がハンドを取られたが、VARで取り消しになる。長友の腕は胴体にしっかりついていた。

 オマーンはクロスを意欲的に入れてくるが、さほど精度は高くない。ただし彼らは運動量があり、アジリティも高い。コンディションがよさそうだ。

 後半18分、日本は伊東に代えて堂安を投入。日本の選手は足が重く、すでに1試合やってきたかのようだ。反応も鈍い。オマーンの選手のほうが明らかに動きがいい。

 後半25分、日本は鎌田に代えて久保を投入。

 後半31分、日本はボール奪取してドリブルを始めたが、サポートが2人しかいない。この場面が典型だが、日本は速いトランジションからの機敏なサポートの動きがない。爆発的なスピードの変化がない。まったく同じテンポで試合をしている。

 フィニッシュも、日本はクロスを入れてシュート、みたいな平凡で読みやすい攻めしかしていない。2CMFも横並びのままで縦への変化に乏しい。柴崎はもっと上がってもいいのではないか?

 またメンタル面でも妙にサッパリしてしまっている。「石にかじりついても」という粘りや気迫がない。

 こうして後半43分。オマーンは右サイドからのクロスに合わせ、2番のイサム・アブダラ・アルサビが右足でゴール左にボールを押し込んだ。美しいクロスからのゴールだった。CBの植田はフィニッシャーをフリーにしてしまった。

 かくてこのまま試合は終了し、日本は痛い1敗を喫した。

 だが最終予選はまだ始まったばかりだ。次の中国戦で勝ち点3を絶対に取りたい。

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