すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

ミニチュアダックスのマック君

2023-01-29 09:17:56 | エッセイ
昼寝のじゃまをするヤツは……

 彼女の家でうつ伏せで寝ていると、首筋に何かヌルっと湿ったものが当たった。

「うわっ! なんだ?」

 驚いて飛び起きると、ちっちゃなミニチュアダックスが首をかしげてこっちを見ている。その向こうでは彼女が笑っている。

 ダックスが私の首筋を舐めたのだ。これが私とマックとの出会いだった。彼女の親戚が飼い始めた犬である。

 このマックとの思い出も多い。なんせ彼女がしょっちゅう親戚から借りてきては、私と遊んでいたからだ。すごく賢い犬だった。

駆けっこのルールを理解する犬

 例えばあるとき彼女の親戚の家へ行くと、マックと近所の子供たちが遊んでいた。

 どうやら地面にスタートラインを引き、駆けっこをしているらしい。

 子供たち3人が「よーい」と言って構えると、マックもスタートラインを前に構えている。で、「ドン」で子供たちと一緒にマックも駆け出す。

 ゴールラインに到達すると、マックはしっぽを振りながらまたスタートラインに戻ってくる。で、また「よーいドン」で子供たちと駆けっこを繰り返すーー。

 つまりマックは駆けっこのルールを完全に理解し、子供たちと遊んでいるのだ。

駆けっこは私の勝ち

 ミニチュアダックスは足が短い。

「こいつになら勝てるかも?」と思い、公園のトラックをいっしょにぐるりと走ったこともある。

「マック、来い!」と叫んで私が駆けだすと、意図を察してマックもついてくる。で、トラックを回ったが、結果は私の勝ちだった。案の定だ。

 公園では、マックをつないだリードを使った遊びもした。

 距離を取り、私がリードの端を握って、「マック、行くぞ!」と身を低くすると、マックも構えて号令を待つ。

「それ!」と私が叫んでリードを引っ張ると、マックが首に繋がったリードの端をくわえて引く。

 それに負けじと私はリードを跳ねさせながら引く。

 要はリードを使った綱引きだ。

 私がリードを握って身を低くすると、マックも身構えて身を低くする。そして引っ張り合う。1人と一匹は、飽きもせずしばらく綱引きで遊んだ。

 またマックと遊びたいなぁ。

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【第2次森保ジャパン】日本は試合巧者のクロアチアを見習え

2023-01-22 05:00:00 | サッカー日本代表
相手のやり方に応じて押し引きできるチームになる

 日本はカタールW杯で、3-4-2-1システムの両WBが要所で引いて守備的に戦う5-4-1を効果的に使った。

 前半は腰を低くして後半勝負。そして前半から後半にかけては5人交代制になった新ルールを生かし選手交代によって盛り返し、逆転したあとは5バックで賢く守り切った。

 だがその守備的な戦い方ゆえ、W杯後は「もっと能動的に戦え」「ポゼッションスタイルをめざせ」という世論が形成されている。

 だがちょっと待ってほしい。

 サッカーには相手がある。自分たちがやりたいようにやるだけじゃダメだ。

 ゆえに攻撃一辺倒のスペインみたいなサッカーではなく、相手のやり方や試合展開に応じて押し引きできるクロアチアのようなスタイルを日本はめざしてほしい。

放り込みで敵の守備ブロックを縦に引き伸ばす

 例えばクロアチアはポゼッションもできる。だがカタールW杯では日本の分厚い守備に対応し、ときには割り切ってロングボールを放り込んでいた。それによって日本の厚い守備ブロックをタテに引き伸ばそうとしてきた。

 まったく抜け目のないクロアチアの深謀遠慮である。日本にもこういう曲線的な戦い方が必要だ。

 とはいえ日本もカタールW杯では、守備重視ながらショートカウンターを織り交ぜた曲線的な試合ができていた。

 あとはそこにポゼッションを部分的に取り入れ、攻撃的に押す。かと思えば、有利を稼いだら要所で守備的に引く、という、流れに応じた戦い方をしたい。

「特攻」「玉砕」の一直線な戦い方はしない

 日本人はとかく「特攻」「玉砕」の一直線なお家柄だ。そのため「能動的に戦え」となったら直線的にそればかりめざす。ゆえに押し引きできない、という欠点がある。

 そうではなく、例えばショートカウンターで点を取ってリードしたら、ポゼッションしてうまく時間を使う。守備を厚くして逃げ切りを図る。あるいは先に自軍が失点したら、一気呵成のハイプレスによって前からボールを奪い攻め切ってしまう。

 そんな相手の戦い方や、試合展開に応じた曲線的な戦い方をしたい。

 クロアチアのようにズル賢く、流れを読む戦い方を身につけてほしい。

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【第2次森保ジャパン】スルーパスで古橋の裏抜けを生かせ

2023-01-21 05:42:53 | サッカー日本代表
丁寧にビルドアップして能動的に攻める

 第2次政権に入った森保ジャパンに求められているのは、能動性だ。わかりやすくいえばポゼッションすることであり、攻撃のバリエーションをふやすことである(もちろん「能動的な守備」という意味もあるが)。

 森保ジャパンは、テストマッチのアメリカ戦で確立したFW前田を中心とするプレス&ショートカウンターを柱に、カタールW杯を戦った。またディフェンスは5-4-1の分厚い守備が特徴だった。

 そのためややもすると「守備的すぎる」「受動的だ」という印象も受けた。そこを第2次体制ではより攻撃的にし、ゲームのイニシアティブを握るように改善しようというわけだ。事実、森保監督も「自陣からビルドアップして主導権を握りたい」と話している。

 さて相手が保持したボールにプレスしショートカウンターをかける攻撃と、自陣でのビルドアップからポゼッションし攻撃するのとでは要求されるノウハウはまったく異なる。

 ビルドアップからの攻撃の場合は必然的にポゼッション率が高くなり、繋ぐパスの本数も多くなる。そこで最大の問題になるのは、フィニッシュである。

スルーパス&裏抜けを「勝負形」に

 これまでの代表は勝負形が速いショートカウンターだったため、例えばライン裏に出るスルーパスにFWが走り込み、裏抜けで点を取るような得点パターンは森保ジャパンにはまったくなかった。

 だが今後、ビルドアップを中心にした遅攻を取り入れ、それに合ったフィニッシュをゼロから作るのであれば、FWのランニングに対し鮮やかなラストパスを出し点を取るような形も求められる。

 そして日本には、それにぴったりの人材がいる。セルティックで気を吐くFWの古橋亨梧である。

 前述のようにこれまでの日本代表の得点パターンはプレッシング→混戦からのショートカウンターだった。だからその形に合わない古橋は森保ジャパンとは相性が悪かった。実際、点も取れてない。

 だがそれはあくまで古橋の能力が低いのではない。森保ジャパンのフィニッシュが彼の「勝負形」にならないために、ミスマッチが起こっていただけだ。

 もし森保監督が自陣からのビルドアップを取り入れるなら、当然、それに合わせて得点パターンにもスルーパス&裏抜けが加わる。そこで古橋である。彼がスペースに走り込み、松木玖生(FC東京)が絶妙なラストパスを出すーー。そんな近未来も考えられる。

 自陣から丁寧にビルドアップしてゲームの主導権を握り、最後は古橋の目の覚めるようなゴールで攻撃を締める。第2次森保ジャパンでは、そんな爽快なシーンをひんぱんに見ることができるかもしれない。

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【政治】れいわ新選組、参院ローテーション制の「正体」

2023-01-20 03:41:35 | 政治経済
1人が1年務め辞表を出す行為をくり返す

 うつ病で休養していたれいわ新選組の参議院議員、水道橋博士氏が16日に辞職した。

 同党は比例選出の博士の後任を「ローテーション制にする」と発表しているーー。

 政治に疎い人ならそう聞いても、「ああ。そうなのか」くらいに思うだけだろう。

 そういう人向けにこのローテーション制なるものをわかりやすく説明しよう。れいわ新選組の5人の人間が5年半の任期中、それぞれ1年づつ議員を務めては自分で辞表を出すのだ。で、得票順で繰り上げ当選した次の同僚は、以下、同じやり方で議席を順繰りに同僚に引き継いで行く、という仕組みである。

 どうだろうか? 

「ローテーション制にする」とだけ聞けば、「代わりばんこでやるんだろうな」ぐらいにしか感じられない。

 だが「1人が1年間、議員を務めては辞表を出す行為をくり返す」と聞けば、だれしもギョッとするんじゃないだろうか?

 つまりこのローテーション制なるものは制度の盲点を巧みに突いており、5人の人間が意図的に1つの議席を「共有する」ものなのだ。

 しかもれいわ新選組は明らかに、「めいめいが辞表を出す」という点を「ローテーション制」などと巧妙にボカしている。それによって明らかに批判を免れようとしているわけだ。

 おまけに繰り上げ当選で5年半の任期をもらえるはずだった大島九州男氏は、おもしろいはずがない。こういう山本太郎の独断、専横によって、党には徐々に亀裂が入って行くーー。

 ハッキリ明言するが、私はれいわ新選組の「支持者」である。

 だがそんな私でさえ、ぶっちゃけ今回の件には違和感を覚えずにはいられない。

「次の選挙では、れいわに入れるのをやめようかな?」と思っているくらいだ。

 どう考えてもれいわは「辞表を出して同僚に引き継ぐ」ことをあいまいにし、説明してないとしか思えないからだ。

「有権者はバカだから気づかないだろう」と考えているとしか思えない。

他党とメディアから批判殺到。だが……

 それくらいだから他党やメディアは、いっせいにこの「ロ-テーション制」を批判している。

 だがなぜかどのメディアも、「辞表を出して同僚に引き継ぐ」という点を明示して説明していない。

「そこを書かなくてどうするんだ?」という感じだが、つまりそれを書かずにスルーするほど「当たり前のこと」であり、であるがゆえに「政治に疎い人」にはピンとこない、といううまい仕掛けになっている。

 ホレボレするほど巧妙だ。

 いかにも山本太郎の「才能」を感じさせる。

 だが同時に自分の才能を「こんな形」でしか使えない人間に投票するのはもうやめよう、と感じさせるに十分である。

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駅でゴールデンレトリバーを拾った話

2023-01-19 08:14:12 | エッセイ
忠犬ハチ公みたいなやつ

 あるとき近所の駅を通りかかったら、駅の改札に向かってお座りしている巨大なゴールデンレドリバーと出会った。そいつは飼い主を出迎えに来て待ってでもいるのか、微動だにしない。

 だがおかしなことに、彼は首輪をしていないのだ。

「どうしたんだろう?」

 私は思わず彼に走り寄り、向かい合わせにしゃがんで首を抱いた。人には完全に慣れているようだ。

 主人の帰りを待っているにしては、首輪をしてないのはおかしい。放置しておくと、保健所に連れて行かれてしまうーー。このまま立ち去るわけにもいかなくなり、しばらく彼に寄り添っていた。

 だがこれでは埒が明かない。私は意を決して彼を家に連れて帰ることにした。迷い犬かもしれない。首に抱きつき、「何をしているの? 僕と一緒に行こうよ」と声をかけると、まるで人間の言葉がわかるかのように私についてきた。

 その角を曲がれ、というとその通り道を曲がる。完全に人間の言葉を介しているとしか思えない。首輪もリードもないのに命令するとついてくるのだ。

 私は当時、駅の近くのマンションの4階に住んでいた。マンションに着き、「階段をあがれ」というと、なんと彼はすぐ階段を上がって行った。

「とりあえずベランダにいてもらおう」

 マンションの4階で巨大なゴールデンレトリバーなど飼えるはずがないのに、とっさにそう思いベランダに誘導してドアを閉めた。

ひとまず検査を受けさせる

 とりあえずこれで幽閉した。何日も外をほっつき歩いてハラが減ってないだろうか?

 まず首輪とリード、それにエサを買ってくることにした。買い物が終わり、ベランダに通じるドアをあけると、彼はちゃんとお座りして静かに待っていた。

 鍋にエサを入れて出すと、ガブガブと食うわ食うわ。あっという間に平らげてしまった。やっぱりハラが減っていたのか? 買ってきた赤い首輪を装着し、彼と目を合わせた。赤い首輪がよく似合っている。かわいい。

「これから何すればいいのか?」

 そうだ。なにか病気にかかっているといけない。近くの獣医さんに連れて行き、まず検査してもらおうーー。

 リードを引いて外へ出ると、近所のおじさんとすれ違った。

「あれ松岡さん、犬なんて飼ってたの?」

「いや、駅で拾ったんです」

 そんな間抜けな会話をしながら獣医さんに着いた。入り口を入り、出てきた女性に事情を話し、ひとまず検査を受けさせたいんだ、と言った。

 するとその人は、「あれ? これ、3丁目の○○ちゃんじゃないかな?」と言う。

 もしや、その人が飼い主か? だがすでにすっかり飼う気でいた私は非常に複雑な心境になった。だが仕方ない。

飼い主さん登場

 女性が飼い主さんらしき人に連絡するというので待った。女性に事情を聴くと、その家は庭付きの大きな家で、庭でゴールデンレトリバーを3匹、放し飼いにしていると言う。

 で、よく柵を飛び越えて脱走しては、そのへんを徘徊しているらしい。

 しばらくすると飼い主さんらしき人が来た。やっぱり〇〇ちゃんだったのだ。

「すみません。ありがとうございます」

 どうやら常習犯らしいので、私はあえて厳しい態度を取ることにした。

「せめて首輪をさせてください。首輪なしで犬がほっつき歩いていると保健所に連れて行かれますよ」

 私は以前、犬を収容している保健所の取材をしたことがあった。それはもう悲惨だった。

 犬たちは捕獲日ごとにガラス張りのケージに入れられ、処刑の日が来るのを待っていた。1日が過ぎると犬は隣のケージに移され、また処刑の日が1日近くなる。そういうシステムだ。

 捕獲からの経過日ごとにケージはいくつも並んでおり、犬たちは1日たつごとに隣のケージに移される。移された彼らはうすうす自分の運命を知っており、処刑が近い犬は泣き叫び、ガラスにべったり唾液を吐いたりしている。

 処刑が近い犬は明らかにメンタルをやられており、毛並みが激しくけば立っている。それはもう、とても正視に絶えない有り様だった。

飼い主さんを説得する

 飼い主に保健所の話をし、もし散歩に連れて行けないなら私がしましょうか? と申し出た。

「いいえ、大丈夫です」と飼い主は言う。

 いや、大丈夫なワケがないのだ。現にゴールデンレトリバーは何度も柵を飛び越えて脱走している。首輪なしで脱走=保健所に捕獲、という構図がわからないのだろうか?

 私は何度も噛んで含めるようにその仕組みを説明し、お願いですから庭に放し飼いするならせめて首輪をつけるか、リードでつないでおいてください、と懇願した。

 印象としてはなんだか無責任な人で、どうも実感しているとは思えない。だが念のためにと何度も保健所の仕組みを言い含め、動物病院をあとにした。

 まあどうせマンションの我が家じゃ、とうてい飼えなかったわけだから仕方ないや。

 かくて私の「へっぽこ1日飼い主」の巻は終わった。

 やれやれ。

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【第2次森保ジャパン】W杯ベスト8?「どんなサッカーで?」がカギだ

2023-01-13 07:05:29 | サッカー日本代表
堅守速攻なら先は見えたが……

 気がつけば世の中的にはW杯で日本は「ベスト8」が目標になっている。だが片や、JFAは「ポゼッションサッカーで戦う」を並行して同時に目標にしようとしている。

 となると必然的に「ポゼッションサッカーでベスト8」がなんとなく目標になりつつあるが、ぶっちゃけそれは時期尚早だと思う。

 つまり「どんなサッカーで戦いベスト8なのか?」が非常に重要なのだ。

 例えば日本はカタールW杯で、堅守速攻で戦いベスト16だった。ドイツやスペインを破るなど、ジャイアントキリングも成している。

 おそらくこのまま堅守速攻で戦えば、ベスト8はそう遠くないのかもしれない……。

ポゼッションならイチからやり直しだ

 だが「ポゼッション縛り」で戦うとなれば話は別だ。またゼロからやり直しになりベスト8は遠のくだろう。つまり同じベスト8をめざすのでも、「どんなサッカーで戦うのか?」が大きなカギになるのだ。

 ベスト8と「ポゼッション縛り」がすぐ同時に実現できるとは思えない。

 W杯本大会をポゼッションサッカーで戦うとなったら、また「雑巾がけ」から始めなければならないだろう。

 まずはGS突破を目標にして何大会かを戦う。そして徐々に出世してやがてはベスト8に到達する、という段取りになるのではないか?

 くれぐれも楽観は禁物だ。

 カタール大会でドイツとスペインを破ったからといって、急に都合よくスタイルをポゼッションに切り替え、早期にベスト8が達成できる、なんて甘いもんじゃない。

 ポゼッションで行くなら、ポゼッションなりの積み上げ期間がそれなりに必要だ。

 ローマは一日にして成らず、である。

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【ポゼッションサッカー】第2次森保ジャパンが見習うべきは横浜FMか? 川崎Fか?

2023-01-12 06:47:43 | サッカー日本代表
横浜FMはインテンシティが高い

 第2次森保ジャパンでは「今後どんなポゼッションサッカーをするのか?」が話題になっているが、同じポゼッションといってもタイプが分かれる。

 そんなポゼッションスタイルのちがいについて、個人的に超・期待している若手選手である横浜F・マリノスの藤田譲瑠チマ選手が、インタビューに答えている。

 非常にうまい分析にうならされたので、少し長いが以下、引用しよう。

「育成年代で例えると、フロンターレはユースチームのようなサッカーをしていて、F・マリノスは高体連のようなサッカーをしているイメージですかね。どちらもポゼッションサッカーという括りで見られるとは思いますが、(22年の)F・マリノスはプラス、アグレッシブさがあったように感じます。“走る強度”がフロンターレとの違いでしょうか」(「GOAL」インタビューより)

 F・マリノスとフロンターレをくらべると、同じポゼッションとはいえF・マリノスのほうがインテンシティが高い。ハードワークするチームだ。

 特にプレス強度やパスのボールスピードに強さ、速さがある。藤田譲瑠チマ選手が言っているようにアグレッシブさや「走る強度」でもF・マリノスが勝る。

 日本代表がめざすべきはこっちだ。

 もちろんフロンターレにはフロンターレのよさがあるが、第2次森保ジャパンには個人的には、F・マリノスのようなガッツのあるポゼッションサッカーをやってほしい。

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【第2次森保ジャパン】ハイプレス&ポゼッションをめざせ

2023-01-10 06:17:50 | サッカー日本代表
ボールを握り主導権を取る

 前回の記事で、森保監督自身のコメントと反町康治技術委員長の言葉から、「第2次森保ジャパンはボールを握り主導権を取るサッカーをする確率が高い」と書いた。

 いわゆるポゼッションスタイルだ。

 だがひとくちにポゼッションといってもいろいろある。その中で森保ジャパンがめざすべきポゼッションサッカーとはどんなものだろうか?

ボールを即時奪還してカウンターを見舞う

 それはポゼッションから仮にアタッキングサードで攻撃してボールを失えば、素早いトランジション(切り替え)から即座にハイプレスをかけ、ボールを即時奪還してカウンターを見舞うサッカーだ。

 つまりポゼッションからそのまま攻め切れれば、それでよし。できなかった場合はリトリートせずにその場でカウンタープレスを見舞うようなスタイルである。

 そしてそれでも空振りした場合には、ミドルゾーンへリトリートしてミドルプレスを行う。要するにポゼッションとカウンター、ハイプレスがワンセットになったサッカーだ。

 W杯アジア予選などでは日本がひたすらポゼッションする展開も多いだろうが、W杯本大会で強豪国とやる場合には、こういう複数の概念をミックスした戦いが必要になる。

 ましてや日本は「ベスト8をめざす」などと言っているのだからなおさらだ。

GKも組み込んだビルドアップを

 また一連のカタールW杯記事で何度も書いたが、相手が引いている場合には精密にビルドアップする力が要求される。

 あるいはミドルゾーンでも理屈は同じだ。こちらがビルドアップしようとすれば、相手は当然、邪魔をしてくる。つまり相手のハイプレスをかわせる緻密なビルドアップの力が必要になる。

 カタールW杯中は気になって仕方なかったが、GKの権田はアバウトなロングボールを放り込むだけで、ビルドアップの第一歩になれてなかった。

 ポゼッションするなら、GKも組み込んだ上でのビルドアップ力が絶対に必須だ。森保監督にはぜひ考えてもらいたい。

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【サッカー日本代表】第2次森保ジャパンはどんなサッカーをするのか?

2023-01-09 11:09:54 | サッカー日本代表
W杯本大会で勝てるのは堅守速攻だけ?

 過去の日本代表を振り返れば、ざっくり相手が格下であるW杯アジア予選では、日本はボールを握ってポゼッションサッカーをした。逆に相手が格上のW杯本大会では堅守速攻で対応してきた。

 その中で本大会でもポゼッションスタイルを貫いたジーコジャパンとザックジャパンは、あえなくGSで敗退している。

 一方、堅守速攻でカタールW杯を終えた森保ジャパンに関しては、大会後、反町康治技術委員長が森保監督に「能動的なサッカーに力を注いでもらいたい」とオーダーした。また森保監督自身も「ボールを握って主導権を取るサッカーをやる」と応えている。

 さて、では第2次森保ジャパンは、次のW杯でどんなサッカーをするのだろうか? この状況から見てポゼッションスタイルを志向する可能性が非常に高い。

 となればカタールW杯で下がったように見えたハードルは、またグンと高くなる。日本はまだ強豪国相手にポゼッションスタイルで勝った経験が少ないからだ。

 カタールW杯でわれわれは一気に「世界」が近くなった、ように感じた。だが日本はこれから自らの足に「ポゼッション」という重い鎖をぶら下げて戦うことになる。

 では日本がポゼッションスタイルで勝つにはどんなサッカーをすればいいのか? 議論はつきない。

 まだまだ日本が試行錯誤するいばらの道は続きそうだ。

「自主性を生かす」の意味は?

 ところで日本とW杯の歴史でいえば、歴代で唯一、ハリルから政権を途中で引き継いだ西野ジャパンだけが、日本人の手で選手の自主性を生かした攻撃サッカーをしてラウンド16に進出している。

 西野朗監督の時代には、すでに選手たちはヨーロッパの有名クラブに所属し最新の戦術で戦っていた。そこで急きょ監督に就任した西野監督は「自分は世界を知らない。だから皆で話し合ってくれ」と選手たちにボールを投げた。これが功を奏したのだ。

 選手たちはイキイキと議論し、明朗闊達でダイナミックなサッカーを演じた。

 それを目の当たりにした当時の森保コーチ(現監督)は、「これだ!」と感じたのだろう。

 森保監督は「選手の自主性を生かしたサッカーをする」と宣言し、新チームを立ち上げた。この場合の「自主性を生かす」の意味は、「指示待ち人間になるな」ということだ。つまり状況に応じて自分の頭で考え臨機応変に対応しろ、ということである。

 ところが森保ジャパンを取り巻く世間では、「自主性」という言葉がいろんな意味で解釈されている。前述のような意味で肯定的にとらえる人もいれば、「選手が勝手に戦術を考えてプレイしろ、という丸投げか?」のように解釈する人もいる。

 結果、森保ジャパンについては、カタールW杯を終えても毀誉褒貶が相半ばだ。おそらく両者の溝はなかなか埋まらず、このままズルズル行くのだろう。

「自主性、是か非か?」の結論が出るのは次のW杯でベスト8を実現したそのとき、歴史が証明してくれるのだろう。 

 前段の話に引き付けて言えば、「日本はどんなポゼッションサッカーをすべきなのか?」に対する結論が出るのは、そのときだ。

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新・チワワのクーちゃん

2023-01-01 08:18:12 | エッセイ
バーニーズに吠えかかる

 新年あけましておめでとうの記事は、チワワのクーちゃんの思い出を書こう。

 いつものようにクーちゃんが飼われている靴屋さんの店先に行くと、クーちゃんは相変わらず店先のショーウインドウの上にちょこんと座り、神社の狛犬みたいな状態で町の通りを眺めていた。

「クーちゃん」と声をかけると激しくしっぽを振る。さっそく靴屋のおじさんにお散歩道具を借り、いっしょに町の通りに出た。

 すると通りの向こうから、巨大なバーニーズ・マウンテン・ドッグがやってきた。ふだんクーちゃんはめったに吠えないのだが、この時とばかりは激しく吠えかかる。

 おいおい、こいつは自分のカラダの大きさを知らないのか? 相手は何倍の大きさだと思ってるんだよーー。

 このときに限らず、クーちゃんは自分より大きい犬を見ると激しく戦いを挑む習性があるようなのだ。まったく何を考えているのやら。

主人の帰りを静かに待つ

 しばらく歩き、疲れたので犬同伴OKのオープンカフェに入った。

 するとまた間の悪いことにトイレへ行きたくなった。クーちゃんのリードをどこかに縛っておこうとさがしたが、あいにく見つからない。

 しかたがないから言い聞かせることにした。

 クーちゃんの前にしゃがんですわり、地面を指さしながら「ここにいろ」と何度も命令した。ただならぬ雰囲気に、クーちゃんは何事かとジッと私の目を見つめている。

 状況を察した様子だったので、私は店の中のトイレへ一目散だ。

 用を足し戻ってくると、待ちかねたとばかりにクーちゃんが飛びついてきた。

「おお、クーちゃん、えらいね。じっとしてたんだね」

 ほっとした私はクーちゃんにご褒美をあげた。

まだ帰りたくない

 散歩が終わり、靴屋さんが見え始めるとクーちゃんの様子がおかしい。

 靴屋さんの向かいの店へわざと行き、店先のおばさんに愛嬌を振りまいたりしている。ふだんはそんなことするヤツじゃないのだが。

 どうやらまだ帰りたくない様子で、なんと時間を稼いでいるのだ。

 まるで人間の子供みたいな犬である。

 それを見ていた飼い主の靴屋のおじさんがひとこと、「クー!」と叫ぶと、クーちゃんは弾かれたように靴屋の店先に飛び込んだ。
 
 やっぱり飼い主さんの命令が絶対なんだなぁ。

 じゃあクーちゃん、また明日だね。

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