何年か前に出張で行った香港・マカオ間の
港珠澳大橋での仕事を書いて見ます。
海上橋港珠澳大橋
Hong Kong–Zhuhai–Macau Bridge
は略してHZM大橋とも呼ばれ、
人工島トンネル工事のうち長さ5990m部分を
沈埋函工法による海底トンネルとする予定のようです。
何と200m近い長さのトンネル33函を3年で
中国交通局が製作し、沈埋工法(潜函工法)と呼ばれる技法で
敷設を行います。
実現すれば、海底トンネルとしては世界最長の
青函トンネル(53・85キロ)の2倍以上となります。
工事は遅れながらもだいぶ進み、沈埋トンネル部の函体制作も
進んで来ました。
沈埋函の誘導も目視で行える深さより深くなって来て
私が考えた超音波を使った「水中での沈埋函誘導システム」
の現地立会いとなりました。
日時は10月27日の小潮の日に沈設を行う事となり、
2日前に現地に赴きました。
沈埋函を現場まで持っていくのに
6時間以上かかるので、日本のように訓練は無く一発勝負です。
拝借した入門許可証です。
「建設世界級跨海通道」と書いてあり
跨線橋(こせんきょう)の意味から妙に納得です。
お借りしたヘルメットです。
中交朕合体と書かれ中国交通局と国とのJVの意味でしょうか?
早朝の沈埋函ストックヤードです。
沈埋函は1ヶ月に1函のペースで工場のように作られるそうです。
これから曳航して行こうとする沈埋函です。
プレーシングポンツーン工法は新しい沈設工法で、2隻の沈設ポンツーンから
沈埋函を吊下げて沈設する方式で、そのまま現場まで曳航します。
他に「タワーポンツーン方式」もあります。
沈埋函の曳航中の写真です。
旗には、中国交通建設と書かれています。
左右に付いているGPS取り付け櫓の写真
私の「沈埋函誘導システム」が水中で動作するまでは、
同じプログラムでGPSを使ったラフな誘導も行えます。
海上に計測塔とか櫓を立てずに、誘導が可能です。
接合時の引き寄せジャッキの取り付けを行っている最中です。
先端が黄色の棒が誘導ガイドです。
既設函に空いている穴のこの新設函に付いている誘導ガイドが
嵌れば、今回の私の仕事は終わる事となります。
1m以内に近づくとガイドの穴が、水中カメラで見えるようになります。
ポンツーン上にある司令室です。
接合位置まで運転者、担当、関係者の皆が
私が作成した「沈埋函誘導システム」を見ています。
船上で私を写してもらいました。
水圧接合は、現地時間24時頃完了して、
花火が30発程度打ち上げられました。
今回の「沈埋函 誘導システム」方式は、
これから世界に広がって行くでしょう。
沈埋トンネル工法で有名なのは10月29日にトルコで
開通式があったボスポラス海峡の物ですが、
今回の工事はそれよりも相当長いトンネルです。
最大深さ、潮流の流れも同じ程度ですが、
水の汚れが結構あるように思われます。
沈設誘導の立会いの日で接合終了が10月28日でした。
何かの縁を感じます。
沈埋函(ちんまい)工法でのトンネルの作成は、
東京オリンピックを控えた日本で再燃するかも知れません。
500m位の深さまでなら、
函体にタワーを建てないで構造物を精度10cm以内で据えつける事が可能となり、
第2青函トンネル、
韓国の甫吉島から済州島までのトンネル(日韓トンネル)でも使えます。
北海道まで走る新幹線が第2青函トンネルを使えば効率が上がります。
大水深構造物沈設システムとしてどんな構造物でも大丈夫と言う事です。
大分、愛媛の両県を結ぶ「豊予海峡ルート構想」の実現もこの工法で
出来ます。
この方法は、国際特許を取得してますので、よろしくお願い致します。
( 大型構造物 水中 誘導 システム )
新潟市信濃川港沈埋トンネル用
沈埋函誘導システム(ポシショニングシステム)
を1996年弊社が納入し最初に誘導している時の写真です。
立派なタワーが2個付いて、一方のタワーに運転室がありました。
位置と方位を計算させるのは、ジオジメータと呼ばれる
追尾型光波距離計を使用しました。
運転席側の主タワーともう一方の副タワーにミラーを載せ
誘導しました。
ゆっくりと沈設誘導をさせ、接合点近くになった時に超音波を
使った端面探査装置を作動して接合点まで誘導を行いました。
この時は、東亜建設工業株式会社様、五洋建設株式会社様
東洋建設株式会社様等色々なJV様と仕事をご一緒させて頂きました。
現在でも簡易誘導方法は、光波測距機がGPSに変わっただけで
弊社が作成した時代から、大きな進歩がありません。
あれから20年近く経ち技術が進歩して
今回のHZM大橋での誘導システムでは、
GPSで簡易に誘導も可能で、超音波を使い数センチの精度で
水中にある新設函全体の位置が正確にわかるようなりました。
これは、世界初の快挙とも言えるでしょう。
新潟での沈埋函誘導時の写真を持っていなかったので、
http://www.niigata.pa.hrr.mlit.go.jp/2006/tunnelke...
より拝借しました。
お次は、
デンマーク・ドイツ間の19kmの海峡を沈埋トンネルで結ぶ
プロジェクトかな、それとも東京?
<<応用範囲>>
今回のシステムの応用としては沈埋函以外では、
1)漁礁を綺麗に並べる
2)ケーソンの据付
3)水中工作機械の位置出し、誘導
4)海底の測量
等に色々使えそうです。
ご用命は下記アプリケーションテクノロジー株式会社へ
この方法は、NETIS 新技術情報提供システムには
登録してありませんが、
某建設会社で私の発案で特許取得済みです。
国際特許 構造体の沈設誘導方法(沈埋函)
沈埋函誘導システム特許
新潟沈埋トンネル通気塔
<<参考資料>>
「オーレスン・リンク」は、デンマークとスウェーデンの国境にある
オーレスン海峡を道路4車線、鉄道複線で連絡する大規模なプロジェクトです。
すでに開通しているリトルベルト、グレートベルト・リンクと併せて、
ユトランド半島とスカンジナビア半島を結ぶ自動車と鉄道のネットワークが完成します。
このプロジェクトは、1995年に着工。全長16kmで、
海峡中央付近に人工島(ペパー島部 4km)を造り、西側のデンマーク側は
沈埋トンネル(約3.5km)東側のスウェーデン側は橋梁(約8km)になります。
アプリケーションテクノロジー株式会社
港珠澳大橋での仕事を書いて見ます。
海上橋港珠澳大橋
Hong Kong–Zhuhai–Macau Bridge
は略してHZM大橋とも呼ばれ、
人工島トンネル工事のうち長さ5990m部分を
沈埋函工法による海底トンネルとする予定のようです。
何と200m近い長さのトンネル33函を3年で
中国交通局が製作し、沈埋工法(潜函工法)と呼ばれる技法で
敷設を行います。
実現すれば、海底トンネルとしては世界最長の
青函トンネル(53・85キロ)の2倍以上となります。
工事は遅れながらもだいぶ進み、沈埋トンネル部の函体制作も
進んで来ました。
沈埋函の誘導も目視で行える深さより深くなって来て
私が考えた超音波を使った「水中での沈埋函誘導システム」
の現地立会いとなりました。
日時は10月27日の小潮の日に沈設を行う事となり、
2日前に現地に赴きました。
沈埋函を現場まで持っていくのに
6時間以上かかるので、日本のように訓練は無く一発勝負です。
拝借した入門許可証です。
「建設世界級跨海通道」と書いてあり
跨線橋(こせんきょう)の意味から妙に納得です。
お借りしたヘルメットです。
中交朕合体と書かれ中国交通局と国とのJVの意味でしょうか?
早朝の沈埋函ストックヤードです。
沈埋函は1ヶ月に1函のペースで工場のように作られるそうです。
これから曳航して行こうとする沈埋函です。
プレーシングポンツーン工法は新しい沈設工法で、2隻の沈設ポンツーンから
沈埋函を吊下げて沈設する方式で、そのまま現場まで曳航します。
他に「タワーポンツーン方式」もあります。
沈埋函の曳航中の写真です。
旗には、中国交通建設と書かれています。
左右に付いているGPS取り付け櫓の写真
私の「沈埋函誘導システム」が水中で動作するまでは、
同じプログラムでGPSを使ったラフな誘導も行えます。
海上に計測塔とか櫓を立てずに、誘導が可能です。
接合時の引き寄せジャッキの取り付けを行っている最中です。
先端が黄色の棒が誘導ガイドです。
既設函に空いている穴のこの新設函に付いている誘導ガイドが
嵌れば、今回の私の仕事は終わる事となります。
1m以内に近づくとガイドの穴が、水中カメラで見えるようになります。
ポンツーン上にある司令室です。
接合位置まで運転者、担当、関係者の皆が
私が作成した「沈埋函誘導システム」を見ています。
船上で私を写してもらいました。
水圧接合は、現地時間24時頃完了して、
花火が30発程度打ち上げられました。
今回の「沈埋函 誘導システム」方式は、
これから世界に広がって行くでしょう。
沈埋トンネル工法で有名なのは10月29日にトルコで
開通式があったボスポラス海峡の物ですが、
今回の工事はそれよりも相当長いトンネルです。
最大深さ、潮流の流れも同じ程度ですが、
水の汚れが結構あるように思われます。
沈設誘導の立会いの日で接合終了が10月28日でした。
何かの縁を感じます。
沈埋函(ちんまい)工法でのトンネルの作成は、
東京オリンピックを控えた日本で再燃するかも知れません。
500m位の深さまでなら、
函体にタワーを建てないで構造物を精度10cm以内で据えつける事が可能となり、
第2青函トンネル、
韓国の甫吉島から済州島までのトンネル(日韓トンネル)でも使えます。
北海道まで走る新幹線が第2青函トンネルを使えば効率が上がります。
大水深構造物沈設システムとしてどんな構造物でも大丈夫と言う事です。
大分、愛媛の両県を結ぶ「豊予海峡ルート構想」の実現もこの工法で
出来ます。
この方法は、国際特許を取得してますので、よろしくお願い致します。
( 大型構造物 水中 誘導 システム )
新潟市信濃川港沈埋トンネル用
沈埋函誘導システム(ポシショニングシステム)
を1996年弊社が納入し最初に誘導している時の写真です。
立派なタワーが2個付いて、一方のタワーに運転室がありました。
位置と方位を計算させるのは、ジオジメータと呼ばれる
追尾型光波距離計を使用しました。
運転席側の主タワーともう一方の副タワーにミラーを載せ
誘導しました。
ゆっくりと沈設誘導をさせ、接合点近くになった時に超音波を
使った端面探査装置を作動して接合点まで誘導を行いました。
この時は、東亜建設工業株式会社様、五洋建設株式会社様
東洋建設株式会社様等色々なJV様と仕事をご一緒させて頂きました。
現在でも簡易誘導方法は、光波測距機がGPSに変わっただけで
弊社が作成した時代から、大きな進歩がありません。
あれから20年近く経ち技術が進歩して
今回のHZM大橋での誘導システムでは、
GPSで簡易に誘導も可能で、超音波を使い数センチの精度で
水中にある新設函全体の位置が正確にわかるようなりました。
これは、世界初の快挙とも言えるでしょう。
新潟での沈埋函誘導時の写真を持っていなかったので、
http://www.niigata.pa.hrr.mlit.go.jp/2006/tunnelke...
より拝借しました。
お次は、
デンマーク・ドイツ間の19kmの海峡を沈埋トンネルで結ぶ
プロジェクトかな、それとも東京?
<<応用範囲>>
今回のシステムの応用としては沈埋函以外では、
1)漁礁を綺麗に並べる
2)ケーソンの据付
3)水中工作機械の位置出し、誘導
4)海底の測量
等に色々使えそうです。
ご用命は下記アプリケーションテクノロジー株式会社へ
この方法は、NETIS 新技術情報提供システムには
登録してありませんが、
某建設会社で私の発案で特許取得済みです。
国際特許 構造体の沈設誘導方法(沈埋函)
沈埋函誘導システム特許
新潟沈埋トンネル通気塔
<<参考資料>>
「オーレスン・リンク」は、デンマークとスウェーデンの国境にある
オーレスン海峡を道路4車線、鉄道複線で連絡する大規模なプロジェクトです。
すでに開通しているリトルベルト、グレートベルト・リンクと併せて、
ユトランド半島とスカンジナビア半島を結ぶ自動車と鉄道のネットワークが完成します。
このプロジェクトは、1995年に着工。全長16kmで、
海峡中央付近に人工島(ペパー島部 4km)を造り、西側のデンマーク側は
沈埋トンネル(約3.5km)東側のスウェーデン側は橋梁(約8km)になります。
アプリケーションテクノロジー株式会社