マウンティングを取りたがる動物である。人間をその様に再定義しようとしたが、猿も犬も牛も象もマウンティングの習性が有るらしい。そもそも後背部に乗っかって自分の優位性を誇示する猿の行為を人間関係に転用した言葉らしいので、定義自体が無理筋だった様である。「そんな事も知らなかったのか」とマウンティングしたい方は、是非乗っかって頂きたい。この儘では悔しいので「序列を決めないと気が済まない動物」と言い換えてみたい。猿はギリギリ定義に引っ掛かりそうだが、親戚みたいなものだから問題ないと強硬に話を進める。序列が必要な理由は明白で、何かを決める際にいちいち殴り合わずに済むからである。実用的な面の他にも、他人を見下す以外に自尊心を満たす手段が無い場合の自我防衛行為として有効である。自尊心を傷付け合わずに序列を付けるのは難しいが、物理的にマウントしないで済ませると云う点だけは、猿より賢いのかも知れないのである。