もっと注意していれば、この事故は防げた。よく耳にする意見である。大抵はその通りである。落ちてきた隕石に後ろ頭をどつかれて死亡と云う場合でも、上空の監視を怠らなければ防げる(多分)。これがICBMだと回避の手段は極めて限られるのであるが、そんなもん撃ち込まれない様に外交努力をする代議員を選んでいれば、防ぐ事は可能である。投票にはきちんと足を運んでおくのが身の為であろう。ただ注意散漫を原因として事足れりとするのは、少々考えものである。事故の責任を誰に負わせるか決めるのには有効だが、そもそも人間は気が散り易い生き物である。指差し確認やチェックシートも悪くは無いが、まずは「押したらダメなボタンが目の前に配置されていないか」を検証すべきだろう。それを押してしまうのは注意散漫だからだが、押されて困るなら無くす方向に改善出来ないものか。私を始めとするウッカリさんは、古今東西を問わず珍しい存在ではないのである。