4/7 あれはいつだった? 第72話
数日後の夜、旭の大学以来の友人が訪れた。
三浦という名前だったが、友人間ではウラで通っていた。
ウラは旭の新しいおもちゃを見に来たと言った。
友人かじたち3人が来たとき旭はこの男も呼んだけど
その時はそれほど興味を示さなかった。
でもかじやその他の仲間に聞いて見たいと思ったと言った。
ああ、でも彼女が傷ついてもう止めにしたんだ と旭は答えた。
それにもう寝てしまったし。
旭はウラに何か暗い裏?を感じて、今はもう直子を見せたくなかった。
しかし、このまま追い返すわけにも行かず、旭はウラと飲み始めた。
真夜近くになって運悪く直子がネグリジェでフラフラ出てきてしまった。
おや、この子がおもちゃかい?
うらは素早く立ち上がると直子を抱き上げた。
直子は目を閉じて半分眠っていた。
目を開けて、目を開けてよとウラがささやいた。
ウラは結構やさしい声をしていて、直子は何も考えないで目を開けた。
そして旭ではない別な男にまず驚き、それからウラの目を見て直子に恐怖が走った。
泣いちゃうと感じた旭は、脱兎のように飛びだし直子を奪い取った。
ウラがなんだよ、それ と不満げに旭を見た。
俺はただおもちゃをちょっと鞭うちたいだけだよ
旭は直子を毛布で包むと、おもちゃじゃないんだ、この子は
とウラに言った。
旭は直子を毛布で頭からすっぽり包んだ。
それから もう遅いし帰ってくれと直子をソファに置くと
ウラを促して玄関にむかった。
ウラはさらに直子を見ていたけど、近寄ろうとした。
旭はその前に立つと、駄目だと強く言った。
僕はこの子に責任があるんだ。
ウラは黙って出て行った。
翌日、旭は管理人に電話すると入口の暗証番号を変え、ガードを固くするように頼んだ。
直子は旭のひざの上に戻るとありがとう、旭 と言って
首を伸ばすと唇を旭の唇にそっとつけた。
旭、直はね、旭が大好きだから旭が望めば娼婦でもメス犬にでもなるわ
でも他の人は嫌、直子の目は涙でいっぱいだった。
旭は直子の尻の下に手を回して、スベスベのお尻を撫でていたとき
直子は言った。
直はね、旭の印を体にもっているの、嬉しい
とっても幸せと消えそうな声でささやいた。
直子、ごめんね、ごめんね 痛くしてごめんねと旭は直子を抱きしめると
頭を直子の肩に埋めておえつした。
思い出してもあの時の気持ちは苦しかった。
快感と後悔のまじった複雑な感情で旭がまだ自分で分析できない感情だった。
旭は指先で涙を拭いた。
旭は誰もいなくなった広いマンションでいつまでもじっとしていた。
あの時直子は言った。
アキー、聞いて。 直はね、体も心も好きな男の人、旭が初めてなの
旭の体、大好き 旭に抱かれるの大好き 旭の・・・・直子なんて言ったかな
その後・・・
旭はクッションを枕にソファに横になった。
ふっと眠りが旭を襲った。
旭の胸になにか重みを感じた。
直子が旭に覆いかぶさってきていた。
直子は何も着ていなかった。
気持ちいい、直子の肌スベスベ と言いながら
旭は直子の体を手でなでまわした。
アキー抱いて、直子の声がした
またかい? 今日何回目だよ もうできないよ
まだ3回しかやってないと直子のイライラした声がした。
直子が自分の下半身を旭の体にすりつけてきた。
旭を自分の中に入れようとして、
できない、やってと泣きそうな声でせがんだ。
そうだ、あの時からだ 旭が直子の体、と言うか性欲がうとましくなったのは。
あんなに感じて、それなのにちょっとするとまた欲するって
どういう体なんだい?
でももう他の男に直子の性欲をまかせるのは絶対避けたかった。
食欲を抑える薬があるけど、性欲を抑制する薬ってあるんだろうか?
医者に相談する気はしなかった。
直子のことを他人に話すのは嫌だった。
だってしょうがないじゃないって直子は言った。
ちょっと食べると急に空腹を感じることってあるでしょ?
あんな感じで欲しくなるの。
でも直、たくさん食べれば普通の人は満腹になるんだけど
直は満腹にならない、食欲と違うのよ。
いつからそうなったんだい?
旭に会ってから。
最初に旭とメイクラブして、大好きって感じたの。
俺が原因かい!!
そういう間も直子は旭を刺激し続けていた。
直ちゃん、もう止めて。もうできない、少し休ませてよ。
直子の手を押さえつけた。
直子がうらめしそうに旭を見た。
旭は起き上がった、直子も起き上がらざるをえなかった。
旭は直、あそこから好きな鞭を持っておいでと言った。
直子はびっくりして、目を見開いて旭を見て、頭で嫌いやをした。
持ってきて 旭は直子を押した。
直子は立ち上がって鞭のかかっている壁に向かってノロノロ歩いた。
直子の好きな鞭でいいよと後ろから旭が言う。
壁の前で直子は鞭をとれなかった。
旭が近寄ってきて、直子の体に片腕回して聞いた。
どれが好き?
どれで鞭されるのが好き?っと意地悪く言った。
直子は許してと小さい声で言った。
直子の許してを無視して、旭は細くて長いのを選んだ。
これ初めてじゃない?
直子が旭の腕にしがみついた。
旭は簡単に直子を抱くとソファまで引きずって行った。
それから直子をひざに寝かせると、サ、お尻を出してと言った。
直子はひざから逃げようともがいた。
なんだ、さからうのか?
直子を床に突き飛ばすように床に落とすと
その細くて長い鞭を振り下ろした。
旭は本当に痛くするのは望んでなかった。
しかし、痛いことに変わりはなく、直子は悲鳴を上げ、
床をはいずり回って逃げた。
それを追っては鞭をふるった。
何発か直子を鞭打ってから直子を捕まえた。
ワーワー色気もなく泣く直子を見ながら旭は言った。
直子は僕にぜんぜん従順じゃないよ
直子は僕の欲望をいつも無視するんだ
直子は僕にさからうことしか考えてないんだ。
立て続けに旭は直子に文句を言った。
そしてまだ泣いている直子をひざに乗せると
直子、本当に僕のこと好きと聞いた。
うんと直子がうなずいた。
それならなぜ僕の好みをわかってくれないの?
直子はまたピーと泣き出した。
だって、だって痛いんだもんと今度は幼子のようにワーと泣き出した。
直ちゃん、直ちゃんは痛いとよくなるの知ってる?
直子は旭の声なんか聞こえていなかった。
旭は直子の中に指を入れた。
指をだんだん奥にすすませて中をそっとなでた。
ほら、ここ好きでしょ?と直子の中の壁をなでた。
この中がね、すごくよくなるの 痛くするとね
直子は信じられない顔をして旭を見つめた。
直子は指をギューと締め付けてきた。
それからもっとと小さい声で要求してきた。
足をもっと開いてと直子に言って旭は二本目の指を入れた。
そして直子を体を斜めにして自身の片腕に寝かすと
指で直子の中を行ったり来たりゆっくりなでた。
直子の口から獣じみた声がしだして、
直子の尻がゆっくり動いた。
直子の尻と旭の二本の指でメイクラブが始まった。
直子に尻が激しく動きだした。
旭の目の前で旭の指を求め、直子の尻は激しく、だんだん早く動きだした。
そしてなんとも表現のできない叫び声とともに直子は果てた。
直子はもう離さないというように旭の指を握り締めしめている。
直子の顔の歪みをしっかり見た。
旭はこれがソリューションだと思った。
そうだ、この手でよかったんだ。
旭の直子に対する殺意は薄らいだ。
そして直子と別れる気も薄らいだ。
直子は飽きっぽかった。
旭は知っていた。
鞭はいい刺激になったけれど、これがいつまで直子を引き留めておけるか
旭はひんぱんに考えていた。
コイットってどういう姿勢でやっても最終的には1つの方法しかない。
オーラルとかアニュスの方法もあるけど
旭はあまり好きではなかった。
旭は直子の体が欲しい。
だけど、どうやって直子を自分に惹きつけておけるだろう?
しかも自分は直子の欲求には答えられない。
いや、悪いのは直子なんだ。
あいつの性欲は異常だ。
あいつ、おれのせいだって言ったな おれの何が気にいったんだろう?
旭はレテワークをフルに活用し、書斎で仕事をすることが多かった。
その日は11時近くに会議が終了し、パソコンの画面はちょうど旭のデスクトップだった。
目覚めた直子がスケスケのネグリジェで書斎に入って来た。
旭はあわてて直子に駆け寄り、腕をつかんで書斎から出した。
そして今やリビング化している大広間に連れて行くと
直、僕が仕事中の書斎に入るのは禁止だよと言った。
ふくらんだ顔で直子が旭を見上げた。
テレ会議中に他の人にこんなカッコの直子が見えて
社長の奥さんはってみんなに思われたらこまるだろ?
直子はうつむいた。そしてうなずいて寝室にむかった。
一安心した旭は書斎の机の前に座って、ハッとした。
おれ、奥さんって言ったかも。
旭は直子と結婚したかった。
あの金とダイヤの指輪を渡したときも
プロポーズどころか、結婚指輪だよって言いたかった。
なのにそう言えなかったのはどうして?
一生待っても直子とのような出会いは絶対にない。
直子みたい女は絶対にいない。
直子を妻にすればもうどうどうとどこにでも行けるのに・・・・・
人に見られる懸念もなくなるのに・・・・
直子はベッドにもぐりこむと奥さんだ、私、旭の奥さんだと
そこら中飛びはねたい気持ちだった。
それから旭の指輪をそっと指でなでた。
そうだ、お昼に支度をしようと直子はパンツとT-シャツに着替えると
キッチンに行った。