ab Cuore 

帰国した時ノンポリだった私が見たのは≒無政府状態の日本。
ショック、怒り、希望をこのブログに書きました。

4/30 あれはいつだった? 第102話 完

2024-04-30 14:40:46 | あほ

4/30 あれはいつだった? 第102話


長野、2人の兄はピンクのスーツケースは誰のものと考えた。

そして直子のルビーの婚約指輪をどうして彼が質屋に入れることができたか?


長野がインターチエロホテルの防犯カメラを見せてほしいと刑事に頼んだ。


刑事はそれを許可した。


長野は兄2人とともに彼が出発した4月28日から始めた。

旭はチェックインしている。

そして直子も一緒だ。

室内のカメラはなかった。

廊下の防犯カメラが動いたのは翌日の昼過ぎだった。

誰か男が10階のエレベーターを降りて、旭の部屋に行った。

旭がピンクのスーツケースを渡した。

何か話しているけど声は入っていない。


男はそれを持ってエレベーターに乗った。

それから10分弱して旭が部屋を出た。

直子はいなかった。

エレベーターの防犯カメラではスーツケースの男はパーク1で降り、

旭はパーク2で降りた。


パーキングの防犯カメラはそれぞれの階で数台の車の出入りを録画していた。


2人の車がどこに行ったかそれ以上はわからなかった。


信兄はあのスーツケースに直子が入っていた可能性はなくもない。と言うと、

長野がすぐ同意した。


スーツケースに直子が入れられていたとすると

すでに直子は殺された? みんなが無言でそのことを思った。


長野があのホテルまでの路を調べてくださいと刑事に頼んだ。


警察はすぐに動いてくれた。

それと当時に長野と兄2人は展示会場近くの防犯カメラを探してもらった。

あのホテルのパーキング場の防カメがみつかった。

3人は刑事に連絡し、まもなく刑事も3人も防犯カメラを見始めた。


4月29日12時ごろから見始めた。

まもなくあの男と旭が見つかった。

旭がスーツケースを受け取った。

そしてそれを押しながらチェックインしていた。

部屋は8階だった。

8階のあの部屋だ。

部屋にスーツケースを押しながら入ったのを防犯カメラで確認できた。


男はまだ指輪を受け取っていない。

さらに防犯カメラを追った。

30日朝、旭は10時前にチェックアウトした。

パーキング場であの男が待っていた。

旭は男にスーツケースを渡し、何かさらに渡した。

手元を拡大するとそれは直子のルビーの婚約指輪だった。


東山旭の逮捕状を取れと刑事が指示を出した。


長野、信兄、秀兄は茫然としていた。

東山旭が直子を殺したのは明白だった。


長野は目を閉じて、しばしうつむいていた。

信兄と秀兄はお互いに見合ってうなずいた。

そして、長野にじゃ、後ほどと言ってその場を去った。


その夜今村家の4兄弟は車で外出した。


4人の車は旭のマンションについた。

管理人室はもう誰もいなかった。

管理人は奥の休憩室にいる時間だ。

あれ以来、秀兄は清掃会社に働き続けた。

管理人室の防犯カメラをオフにした。

暗証番号を押すと、4人は何の苦もなくエレベーターに乗れた。

旭の部屋の階につくと4人は音もなく、旭の部屋の前に立った。

ブザーを鳴らした。

どなたですか? いぶかしく思いながら旭が答えた。

直子です と末っ子が言った。

直子とつぶやく旭の声がドア越しに聞こえた。


そして何の確認もなくドアを旭があけた。

廊下は真っ暗だった。

4人が立っていた。

旭がなにと言う風に4人を見ると、好古がもう一度直子ですと言った。

そして旭の反応を待つまでもなく、

4人は中に入りドアに鍵をした。

大広間・リビングに入った。

4人に追われるように旭は後ろに下がった。

旭は素裸に白いバスローブを着ていた。

4人はそれぞれ、警察官かガードマンがモツような黒い鉄の棒を持っていた。

4人はそれを振って旭を追い立てた。

誰か一人が電気を消した。

旭はバスローブの紐をほどいて振り回した。

旭はベランダのガラス窓に追い詰められた。

4人の誰かがガラス窓を開けた。

旭は武器になるものを探したがなにもない。

そのままベランダに出てしまった。

旭はバスローブを脱ぐとそれを振り回した。

しかしもう後ろがなかった。

4人の一人がベランダに近い最後の灯りを消した。

旭は追い詰められて行った。

誰かの鉄棒が旭の体をかすった。

もう1本も旭の肩、それから胴、と次々にかすって行く。

旭は片腕をベランダの柵に伸ばし、柵を握ろうとしている。

誰かの鉄棒が旭の又の間をかすった。

旭の足が浮く、その足を誰かがつかんだ。

ゴム手袋の感触。

旭の体が浮く。

旭の短いあっと言う声がした。

そして旭は落ちた。

高台の上のマンションの最上階。

暗闇の中で誰も見ていなかった。


4人は何の問題もなく車に乗った。

秀兄は防カメを作動させ、管理人はなにも気がつかなかった。


旭は翌日から海外出張ということになっていたので

誰も旭の不在を疑問に思わなかった。

妻マリコは実家だった。


旭が発見されたのはそれから5週間も経ってからだった。

妻が帰宅したが予定を過ぎても旭が帰らず、

迷ったけれど、会社に電話したことで会社はやっと旭の不在に気がついた。

旭の不可解な死はニュースになった。


警察は旭の逮捕に会社に行った。

そして旭が海外出張で1か月は帰国しないことを知った。

旭を探す人は誰もいなかった。


会社と妻が行方不明届を出した。

旭の変死体を見つけたのは警察だった。



リビングにおかしなことろはなかった。

ソファに旭のバスローブが無造作に置かれて、灯りがひとつついていた。

テーブルの上に飲みかけのウイスキーの水?氷?とクリスタルのアイスボックスに

水がたまっていた。


警察は事故と自殺で捜査したが旭と家族の指紋しか出なかった。

酔って落ちた線が有力となり事故死で処理された。


秀兄の清掃会社は念いりに廊下やエレベーターの掃除をしていた。

秀兄は清掃会社をその後も続けた。


旭の変死のニュースを長野は見た。

旭の死体が巣裸で発見されたことに何か引っかかった。

でも長野は何もそれについては触れずに信兄と電話で話した。


東山旭が死んだそうですね。

ニュースで見ましたと信兄。

一件落着ですかねと2人が同時に言った。


それから長野は好古ちゃんの休みが始まったら遊びに来てください。

バーベキューでも庭でしましょう。

と提案し、

信兄もそれはいいと賛成し、2人は日取りの段取りをした。



完。
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4/29 あれはいつだった? 第101 話

2024-04-30 07:46:25 | あほ

4/29 あれはいつだった? 第101 話


信兄と秀兄は長野から旭について多くのことを知った。

そして遺族ということで長野(直子の婚約者)と3人で警察に行くことにした。

長野は直子に渡したルビーの婚約指輪を回収してきたと刑事に見せた。

信兄は逗子に言ったときのことを話した。

直子のワンピースを旭が持っていたことを言った。

その後、そのワンピースとか他の直子のものを返してもらった話もした。

警察は渋い顔をした。

しかし、直子がその家にいたということで家宅捜査はできると

県警と合同捜査をすることまでえ話が進んだ。

それから直子の指輪を質入れした男について

3人は根掘り葉掘り質問した。


直子の婚約指輪を質屋に入れた男は

どうしてその指輪をもらったんだろう?

誰が指輪を男にやったんだろう?

受けた仕事ってなんだろう?

指輪が代償の仕事って何?


警察は男は指輪をくれた男の名前を知らないと言ってますと言った。

あの指輪は30万以上するものです。

仕事ってなんですか?

長野は食いついた。

請求書とか領収書はないのですか?

スーツケースを貸したとかまでは話してくれたんですが。

そのスーツケースは今どこにあるのですか?

もう捨てたとか・・・・・

その男と話をさせてください

と3人は刑事につかみかからんばかりの勢いでせっついた。


3人は刑事に3時間近く責め寄った。


それでも何もこれと言うことは得られず、その日は別れた。

直子の死体が見つかった場所を長野はぼんやり考えていた。

それからすごく重要なことに気がついた。

あのホテル、国際食品かレトルト食品展がある周辺のホテルのひとつだ。


長野は別れたばかりの信兄に電話した。

そして直ちゃんの遺体がみつかった場所にあるホテルは

展示会用のホテルで旭の会社はその展示会に出品していると言った。


その晩、長野も直子の兄たちも担当刑事に電話した。

翌日、10時ごろに長野も兄たちもホテルに到着し

刑事のくるのを待った。

直子が発見された年月よりも前の年、死後1年以上ということで

その当時に開催されたこの食品展を探した。

そして旭の会社の名がホテルの宿泊者名簿から見つかった。

ちょうど1年6か月前、旭の会社はホテルに宿泊していた。

刑事は客が書き込みカードの提出をホテルに言った。

ホテルはちょっと時間がかかったが、宿泊者が自分で書きこむカードを

持ってきた。

そこには旭の会社名と旭自身の名が記載されていた。

しかし、直子の名前はどこにもなかった。

長野はその日付をじっと見ていた。

黙っている。考えている。

それから長野が話しだした。

この時期は私がイタリア・フランスに行っていた時期で

直子にはインターチエロホテルを予約してあります。

旭も直子と泊まっているはずです。

そしてさらに思い出したことがあった。

僕が日本を出発した日は4月28日、この夜から直子はインターチエロに

泊まっているはずで、旭も一緒です。

しかし、よく朝、旭から電話があり、直子が逃げたという連絡を受けました。


信兄が思い出した。

そうだ、長野さんはその次の週に電話をよこして直子のことを聞いたんだ。


このホテルのチェックインは4月29日、当時の防犯カメラを見せてもらう運びになった。

旭の画像はあった。

大きなピンク?明るい紫色のスーツケースがひとつ。

直子はいない。

旭一人だ。

旭の部屋は8階だった。

全員、その部屋に行ってみた。

時間が経ちすぎている。

しかも開くような窓はない。

長野が窓を開けてみた。

わずかに開くけど、とても直子は通らない。

秀兄も窓に触った。

秀兄は窓が開いてからさらに押してみた。

窓枠が音を立てて外れた。

ワワと秀兄の悲鳴に刑事が駆け寄った。

窓枠は外れた。

風が吹きこんでくる。

刑事は下を覗きこんだ。

彼は何も言わなかったけれど、直子の白骨死体が見つかったのはこの下だと

思い出していた。


今や問題はピンクのスーツケースになった。


















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