何でもない日々

優しさの素は幸せ
幸せの素は楽しい
楽しく生きる人は優しい

情報と情緒の仕掛け

2024-09-05 15:45:41 | 詩はあいまいな哲学
複雑で微妙な人間は、自分自身の意図や視点を持ち、
その意識に従いニュアンスや陰影を音声や表情や或は手つきで伝えながらも
より微妙な意識せざる細部までは意識して制御することは困難となっている。

情報の重要性は
意識的な主張よりも意識せざる流動的な陰影の洩れ方に多く含まれている。
身体は明確に、言葉は立派な主張を表現しながらも、
個性や人柄といった滲みや揺らぎの陰影によって洩れる余計な内容を
制御することが出来ない。

情報の特質で「イメージ」というものは断片的で即自的で
絶え間なく生まれては陳腐化する。
人物であれ、風景であれ、静物であれ
現実の一部が全体のイメージとして捉えられると
同時に裏側のない無矛盾な存在に変え、見解の同一性を迫る。

イメージのみを伝え増幅させるマズメディアの発展は
イメージの訴求力を強めては物事や記名性を次第に失い
結局特定の存在としての訴求力を減らすということになった。

一見無用な群衆や街角の独特の個性を持った雰囲気の中で
デファクトスタンダードは絶えず新しくなり、
有機的なまとまりとして保たれ、名もない個性と個性の同一性は
常に思想や責任の情報を発信しながら受信し、
身体表現や位置に限定されない「第三劇場」が生まれ、
逆流して反響し非線形的に伝統も新たな造像の陰影も作られ続けている。

宇多田ヒカル「Automatic」Music Video(4K UPGRADE)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする