四温かと思へば三寒春寒し
「三寒四温」とは良く云ったものだ。季語は「春寒し」ということにした。
気の緩む温い日があったかと思うと、昨日、今日のように雪交じりの寒い日が来る。
丁度今時分から1ヶ月間くらいの時期で、探梅のシーズンとも重なる。
その後は本格的な春到来で、桜前線が駆け上り人々は何故かそわそわしている。
「年度末と年度替りの様相」は、「希望と失望」の繰り返しにも似ている。
毎年訪れる春、人々を浮かれさせたり、気落ちさせたりの春だ。
子供さんはクラス替えで、よく友人の顔ぶれが変わったりするけれど、
それも「希望と失望」のドラマかな。


数年前、小柄な美人の熟年女性が来店されて、お出かけ用に春のジャケットを
購入されたことがあって、そのサイズが9号寸だったので、ご自分で7号寸に
さっと直して他県での同窓会に着て行かれた。
このご近所に家を借りて引っ越して来たとのことだった。
それからも時々来店されてすっかり気が合い、お直しもしてくれるとのことで
お世話になり、家へもお呼ばれしたので、ミコちゃんも手土産にクロワッサンを焼いて
持って行ったり(そのころはパイシートを買って、ガスオーブンで焼いていた)したことが
思い出される。お宅は二人家族の為かキチンと整理整頓されていて、
彼女お手製の木目込み人形や、粘土に着色し上薬をかけた美しいロマンドールが
沢山飾られていて、その趣味の高度さにうっとりと圧倒された。しかしその後、
ご主人が定年退職されて転勤族から卒業された為、四国に帰られてしまった。
聡明で優しく、本当に敬愛していたのにと残念だった。