私が音楽を聴き始めたころ、実年代でいうと1971年頃なんですが、巷では、ちょうど1000円盤というのが、発売されて話題になったころでした。通常盤が2000~2200円のころでしたから、安い印象は強かったですね。中には新世界・悲愴なんていう通常はLP裏表で収められている曲を裏表に一曲ずつ収めているものもあったり、または名前の知らない演奏家のものを安く発売していたものもありましたが、中にはメジャーな指揮者の録音を収めたものもあって、それらはたいそう話題になりました。そんな中で、EMIから発売された1000円盤、セラフィムというレーベルでしたが、それの目玉商品がアンドレ・クリュイタンスとフィルハーモニア管によるのベルリオーズの幻想交響曲でした。このLPを買ってよく聴いていたのですが、その時から、クリュイタンスの1964年に来日したときのことは、よく話題になっていて、幻想やラベルの演奏が語りぐさになっていたのでした。ですので、特にこの来日公演の幻想を聴いてみたかったのですが、先日Altusから発売されたのを知って、思わず注文したのでした。
きちんというと、アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団の1964年5月10日東京文化会館でのライブであります。いまからもう45年近く前の演奏なんですねえ。随分と昔になりました。そんな時期のライブですが、音はそれほど悪くありません。それもけっこう驚きました。そして、演奏もまたまたビックリ。一言でいうなら、「東京で燃えに燃えたクリュイタンス」って感じでしょうか。金管の天を切り裂くような咆哮、地面を轟く弦楽器の低音、激しく荒れ狂う打楽器、おどろおどろしく泣く木管、弓を限りまで弾き続ける弦楽器委、とまあ、なんとも聴き応えのある演奏になっています。幻想交響曲は、これまで二度ほど取り上げました。かなりのお気に入りの曲ですが、理想は「狂気のように激しく荒れ狂う」ってのでしょうか。この演奏、まず第1楽章の初めから、これは気合いの入った演奏だ、と痛感します。オケの一人一人の出す音が激しい激しい。香り豊かな風雅なんてものではなく、安定した低音に覆い被さるような金管の響きが快感です。第2楽章はワルツ。しかし、ここには軽快なリズムというよりも、むしろ重量級の響きで終始します。そして第3楽章、木管の響きが美しい。通奏低音のような弦の低音の上に乗っかっていいですね。オーボエが特にいい。いよいよ第4楽章。断頭台への行進、ただならぬティンパニの連打が爆発し、弦のい引きずるような響きが続き、減のピチカートも不気味、それにトロンボーンが炸裂。最終楽章、尋常ではない盛り上がりを見せます。金弦打の雄叫びがなんとも凄まじい。明快な鐘がなって、チューバの怒りの日が心臓に響きます。そして、まさに阿鼻叫喚のような最後となります。いやはや、ここまでやるか、という印象であります。
アンコールでの「ファランドール」もいいです。
きちんというと、アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団の1964年5月10日東京文化会館でのライブであります。いまからもう45年近く前の演奏なんですねえ。随分と昔になりました。そんな時期のライブですが、音はそれほど悪くありません。それもけっこう驚きました。そして、演奏もまたまたビックリ。一言でいうなら、「東京で燃えに燃えたクリュイタンス」って感じでしょうか。金管の天を切り裂くような咆哮、地面を轟く弦楽器の低音、激しく荒れ狂う打楽器、おどろおどろしく泣く木管、弓を限りまで弾き続ける弦楽器委、とまあ、なんとも聴き応えのある演奏になっています。幻想交響曲は、これまで二度ほど取り上げました。かなりのお気に入りの曲ですが、理想は「狂気のように激しく荒れ狂う」ってのでしょうか。この演奏、まず第1楽章の初めから、これは気合いの入った演奏だ、と痛感します。オケの一人一人の出す音が激しい激しい。香り豊かな風雅なんてものではなく、安定した低音に覆い被さるような金管の響きが快感です。第2楽章はワルツ。しかし、ここには軽快なリズムというよりも、むしろ重量級の響きで終始します。そして第3楽章、木管の響きが美しい。通奏低音のような弦の低音の上に乗っかっていいですね。オーボエが特にいい。いよいよ第4楽章。断頭台への行進、ただならぬティンパニの連打が爆発し、弦のい引きずるような響きが続き、減のピチカートも不気味、それにトロンボーンが炸裂。最終楽章、尋常ではない盛り上がりを見せます。金弦打の雄叫びがなんとも凄まじい。明快な鐘がなって、チューバの怒りの日が心臓に響きます。そして、まさに阿鼻叫喚のような最後となります。いやはや、ここまでやるか、という印象であります。
アンコールでの「ファランドール」もいいです。