クリスマス寒波でしょうか。かなり寒くなりました。私の家周辺は、雪が降ることはあまりないのですが、休日などは外には出たくないな、って思うような毎日です。この三連休は、一日は岡山に行き、あとは年賀状などを書いておりました。これまで年賀状はプリントごっごなどで作成していましたが、部品もなく、今年は全面パソコンとプリンターで。これは楽ですねえ。アッという間にできあがりました。もっと早くこれで作成すれば楽だったんですねえ。ほんと。
今回は、ベルリオーズ。幻想交響曲であります。私は、この曲、ほんとに好きです。いつも定期的に聴いております。今回は、ロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団の演奏。1977年11月1日クリーヴランドのマソニックオーディトリアムでのスタジオ録音です。マゼールの幻想交響曲の録音は、他にベルリン放送響との1961年盤、クリーヴランド管との1982年盤があります。三回も録音しているわけで、マゼールはこの曲、けっこう気に入っているのでしょうか。今回の1977年盤から5年後にテラークに再録音したのは、テラークで音響面を充実させたいからでしょうかね。この1977年盤は、先ほど発売された「Lorin Maazel Great Recordings」に収めれていたもの。このBOXを買わなければ、この演奏を聴くことはまずなかったでしょうねえ。
幻想交響曲の演奏、きらびやかな金管や弦が縦横無尽に交錯・咆哮するというのが一般的にいい演奏と言われるようです。しかし、このマゼール、少々趣が異なります。例えば、第4楽章や第5楽章ではずいぶんおとなしめ。テンポもはやい。怒り日など、地の底からの響きのようなものでもない。悪魔が跋扈するようなど派手で眩しい金管の音色とも異なる。確かに、この2楽章は少々ものたりなさを感じてしまうのは確か。でも、そんな価値基準ではないところにこの演奏も素晴らしさがあるのでは、と思ってしまう。まず、それぞれの楽器のブレンドが実に巧い。ベルリオーズの書いた管弦楽を非常に効果的に再現しています。そして、テンポは全体的には早めなんですが、決して一定ではなく、かなりの自由な緩急、それに強弱が加わり、その演奏はもう非常によく計算されているな、と唸ってしまいます。それぞれのフレーズが、緩急と強弱が変幻自在であり、それが実に効果的です。こののマゼールは天才肌の指揮者と言われていますが、これらの点からも、彼の才気が余すところなく現れた演奏と言えるのではないでしょうかね。
第1楽章、冒頭から芸術家の夢や情熱のボルテージの高さを大変うまく現し、様々な旋律を感情豊かに表現されています。テンポは速めだが、表現の巧みさで、それほどの速さを感じない。終結に向かって、次第に熱くなっていく様も、上手であります。第2楽章、舞踏会、他の演奏ではあまり聴かれないトランペットが活躍。ハープも効果的。鮮やかなワルツ、軽快というよりも、歯切れのいい豪快さを感じてしまう。第3楽章野の風景。全曲の中で一番いいです。夏の夕べの孤独と哀愁が心に染み込んでくる。写実的な表現がほんとうにいいですねえ。木管が実に渋い音色です。そして、終結部のオーボエとティンパニの絡みが、この夏の夕べとこの芸術家の境地をたいそううまく現しています。第4楽章断頭台への行進。断頭台へ速めの行進。この速さとあっさりした表現が今イチの気持ちであることは否定できない。重苦しく先を急がない行進とは異なる。しかし、これはこれで全体的には違和感はそれほどない。そして、第5楽章、魔女の夜宴の夢。前楽章から続き、爆発的な表現は押さえられている。また怖さもそれほどではない。でも表情は豊かです。全曲を通して聴くと、この楽章の表現も違和感も感じなくなるのがいいですねえ。マゼールによって、再現された新しい幻想交響曲といえば、オーバーかもしれませんが、たいへん興味ぶかい演奏でした。
このマゼールのBOX、発売されたと思ったら、あっという間に入手できなくなり、H○Vのネットではもう見ることができません。早めに買っておいてよかったですね。ほんと。
(SONY Lorin Maazel Great Recordings 2011年 輸入盤)
今回は、ベルリオーズ。幻想交響曲であります。私は、この曲、ほんとに好きです。いつも定期的に聴いております。今回は、ロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団の演奏。1977年11月1日クリーヴランドのマソニックオーディトリアムでのスタジオ録音です。マゼールの幻想交響曲の録音は、他にベルリン放送響との1961年盤、クリーヴランド管との1982年盤があります。三回も録音しているわけで、マゼールはこの曲、けっこう気に入っているのでしょうか。今回の1977年盤から5年後にテラークに再録音したのは、テラークで音響面を充実させたいからでしょうかね。この1977年盤は、先ほど発売された「Lorin Maazel Great Recordings」に収めれていたもの。このBOXを買わなければ、この演奏を聴くことはまずなかったでしょうねえ。
幻想交響曲の演奏、きらびやかな金管や弦が縦横無尽に交錯・咆哮するというのが一般的にいい演奏と言われるようです。しかし、このマゼール、少々趣が異なります。例えば、第4楽章や第5楽章ではずいぶんおとなしめ。テンポもはやい。怒り日など、地の底からの響きのようなものでもない。悪魔が跋扈するようなど派手で眩しい金管の音色とも異なる。確かに、この2楽章は少々ものたりなさを感じてしまうのは確か。でも、そんな価値基準ではないところにこの演奏も素晴らしさがあるのでは、と思ってしまう。まず、それぞれの楽器のブレンドが実に巧い。ベルリオーズの書いた管弦楽を非常に効果的に再現しています。そして、テンポは全体的には早めなんですが、決して一定ではなく、かなりの自由な緩急、それに強弱が加わり、その演奏はもう非常によく計算されているな、と唸ってしまいます。それぞれのフレーズが、緩急と強弱が変幻自在であり、それが実に効果的です。こののマゼールは天才肌の指揮者と言われていますが、これらの点からも、彼の才気が余すところなく現れた演奏と言えるのではないでしょうかね。
第1楽章、冒頭から芸術家の夢や情熱のボルテージの高さを大変うまく現し、様々な旋律を感情豊かに表現されています。テンポは速めだが、表現の巧みさで、それほどの速さを感じない。終結に向かって、次第に熱くなっていく様も、上手であります。第2楽章、舞踏会、他の演奏ではあまり聴かれないトランペットが活躍。ハープも効果的。鮮やかなワルツ、軽快というよりも、歯切れのいい豪快さを感じてしまう。第3楽章野の風景。全曲の中で一番いいです。夏の夕べの孤独と哀愁が心に染み込んでくる。写実的な表現がほんとうにいいですねえ。木管が実に渋い音色です。そして、終結部のオーボエとティンパニの絡みが、この夏の夕べとこの芸術家の境地をたいそううまく現しています。第4楽章断頭台への行進。断頭台へ速めの行進。この速さとあっさりした表現が今イチの気持ちであることは否定できない。重苦しく先を急がない行進とは異なる。しかし、これはこれで全体的には違和感はそれほどない。そして、第5楽章、魔女の夜宴の夢。前楽章から続き、爆発的な表現は押さえられている。また怖さもそれほどではない。でも表情は豊かです。全曲を通して聴くと、この楽章の表現も違和感も感じなくなるのがいいですねえ。マゼールによって、再現された新しい幻想交響曲といえば、オーバーかもしれませんが、たいへん興味ぶかい演奏でした。
このマゼールのBOX、発売されたと思ったら、あっという間に入手できなくなり、H○Vのネットではもう見ることができません。早めに買っておいてよかったですね。ほんと。
(SONY Lorin Maazel Great Recordings 2011年 輸入盤)
あたしはマゼールの幻想のLPやCDは所有していないのですが、実演で幻想を一度東京で聴くことができました。
2000年11月、バイエルン放送SOを率いて来日した時で、この時は幻想と自作を演奏しました。
幻想は大変な熱演でした。オーボエの何とかさんという人の演奏が特に印象に残っています。TVにも放映されました。
マゼールの幻想なら、LPかCDを手に入れたいですね。