今年の冬は、雪の振り方が尋常ではないですねえ。日本海側は豪雪ですね。先週もこの冬一番の寒波とか。ちょうど9日から車で出掛ける予定があったのですが、急遽中止延期としました。まあ瀬戸内や太平洋側はそれほど雪が降るとは思えないのですが、私の車は夏用タイヤのままですし、もしものことがあれば…、でありました。案の定、高速道路が通行止めになり、取り止めにしてよかったのでありました。はやり、雪は恐いですね。馴れてませんから余計恐い。
まあ、そんなで寒い1月であります。その中、今回はドニゼッティの歌劇『愛の妙薬』であります。ドニゼッティはおそらくかなり以前に『ルクレティア・ボルジア』を取り上げて以来であります。このドニゼッティ、イタリアの19世紀前半のベルカント・オペラの作曲家ですね。50才で逝去されるまでの約30年間に、セリアやブッファを合わせて約70も作曲した、まあ大した作曲家であります。一年に2~3作というペースですねえ。すごいです。
この『愛の妙薬』は、1832年ドニゼッティ35才のときの作品。予定されていた作曲家が放棄したために、急遽速筆で有名だったドニゼッティが約二週間で作曲したと言われています。あらすじも『トリスタンとイゾルデ』ばりに、愛の媚薬によって、真に愛した恋人と結ばれるという、まあ他愛のないお話。約二時間、それなりに楽しめるオペラであります。登場人物も、テノールとソプラノの主役カップルにバリトンとバスの計4人ということで、非常にバランスもいい。舞台を見なくても、登場人物の声質が重なったりすることがないので、たいそうわかりやすいのです。加えて、音楽も有名なアリアもいくつかありますが、その他のところも聴きやすく、お話があまりわかってなくても、耳を傾け楽しめる二時間でありました。
それで、この演奏ですが、ジェームス・レヴァインとメット盤がもっとも有名なんですかね。キャスリーン・バトル(アディーナ)、ルチアーノ・パヴァロッティ(ネモリーノ)、レオ・ヌッチ(ベルコーレ)、エンツォ・ダーラ(ドゥルカマーラ)、ドーン・アップショウ(ジャンネッタ) の配役も豪華ですね。他にもアラーニャとゲオルギュー、カレーラスとリッッチャレルリ、ドミンゴとコトルバシュの演奏もありますが、今回はこのレヴァイン盤ということで。このCD、1989年5・9月にニューヨークのマンハッタン・センターでの録音であります。そして発売されたときも、記憶があります。CD二枚組なので、4000円くらいの値段だったと思います。手元のCDは、中古で780円で買いました。オペラのCDは中古やさんでは安くなっていますねえ。
しかし、この主役ふたり、パヴァロッティはもう逝去されましたし、バトルももうその声を聞かなくなって何年経つんでしょうか。この録音は、バトルの最盛期のものですね。バトルの活躍は短く、加えてオペラでの歌声は、モーツァルトのスザンナ、デスピーナ(ムーティ盤)、ツェルリーナ(カラヤン盤)、ブロンデ(ショルティ盤)、パミーナ(レヴァイン盤)、他にも、Rシュトラウスのツェルビネッタ(レヴァイン盤)やこのアディーナなどとてもいいですえ。バトルを聴きたいから、ムーティのモーツァルトを、ということもよくありますね。バトルの歌声は、このオペラでも実に美しく可憐で繊細。アディーナとネモリーノとやドゥルカマーラとの二重唱など持ち前の美声でひときわの存在感があります。他にも第一幕の「あの美しいパリスが」のカヴァティーナは、ベルコーレなど他の共演者とともに、バトルの歌声がとてもいいですね。第一幕の第三場、アディーナとネモリーノの場面はバトルとパヴァロティの二重唱となり、楽しめますねえ。ただ、やはり高音が苦しいところや、声が少し小さいのが難ですかねえ。これは録音なので、バトルの歌を少し大きくしてもよかったのはとも思ったりであります。一方、パヴァロッティですが、伸びやかで輝かしい声は健在であり、爽快であります。『人知れぬ涙』や『なんと彼女は美しい』などは、百戦練磨の貫禄の歌声でありますし、随所に巧さを感じます。ただ、ここでは喜劇での崩したような歌唱になるときに、あざとさのようなものを感じてしまうのが、気になりました。映像をみればそんなことはないのでしょうがね。そして、ヌッチも存在感のあるベルコーレであり、レヴァインも手堅くまとめた、といった感じでしょうか。約2時間、たいそう楽しめる演奏でありました。
昨日は、昭和のころからのお付き合いのみなさんと新年会でした。楽しいお酒でしたが、二軒目のお店にマフラーを忘れてきました。そのお店の名も場所もよくわからずで、とほほであります。飲み過ぎは反省しないといいけません。
(DG 429 744-2 1990年 輸入盤)
まあ、そんなで寒い1月であります。その中、今回はドニゼッティの歌劇『愛の妙薬』であります。ドニゼッティはおそらくかなり以前に『ルクレティア・ボルジア』を取り上げて以来であります。このドニゼッティ、イタリアの19世紀前半のベルカント・オペラの作曲家ですね。50才で逝去されるまでの約30年間に、セリアやブッファを合わせて約70も作曲した、まあ大した作曲家であります。一年に2~3作というペースですねえ。すごいです。
この『愛の妙薬』は、1832年ドニゼッティ35才のときの作品。予定されていた作曲家が放棄したために、急遽速筆で有名だったドニゼッティが約二週間で作曲したと言われています。あらすじも『トリスタンとイゾルデ』ばりに、愛の媚薬によって、真に愛した恋人と結ばれるという、まあ他愛のないお話。約二時間、それなりに楽しめるオペラであります。登場人物も、テノールとソプラノの主役カップルにバリトンとバスの計4人ということで、非常にバランスもいい。舞台を見なくても、登場人物の声質が重なったりすることがないので、たいそうわかりやすいのです。加えて、音楽も有名なアリアもいくつかありますが、その他のところも聴きやすく、お話があまりわかってなくても、耳を傾け楽しめる二時間でありました。
それで、この演奏ですが、ジェームス・レヴァインとメット盤がもっとも有名なんですかね。キャスリーン・バトル(アディーナ)、ルチアーノ・パヴァロッティ(ネモリーノ)、レオ・ヌッチ(ベルコーレ)、エンツォ・ダーラ(ドゥルカマーラ)、ドーン・アップショウ(ジャンネッタ) の配役も豪華ですね。他にもアラーニャとゲオルギュー、カレーラスとリッッチャレルリ、ドミンゴとコトルバシュの演奏もありますが、今回はこのレヴァイン盤ということで。このCD、1989年5・9月にニューヨークのマンハッタン・センターでの録音であります。そして発売されたときも、記憶があります。CD二枚組なので、4000円くらいの値段だったと思います。手元のCDは、中古で780円で買いました。オペラのCDは中古やさんでは安くなっていますねえ。
しかし、この主役ふたり、パヴァロッティはもう逝去されましたし、バトルももうその声を聞かなくなって何年経つんでしょうか。この録音は、バトルの最盛期のものですね。バトルの活躍は短く、加えてオペラでの歌声は、モーツァルトのスザンナ、デスピーナ(ムーティ盤)、ツェルリーナ(カラヤン盤)、ブロンデ(ショルティ盤)、パミーナ(レヴァイン盤)、他にも、Rシュトラウスのツェルビネッタ(レヴァイン盤)やこのアディーナなどとてもいいですえ。バトルを聴きたいから、ムーティのモーツァルトを、ということもよくありますね。バトルの歌声は、このオペラでも実に美しく可憐で繊細。アディーナとネモリーノとやドゥルカマーラとの二重唱など持ち前の美声でひときわの存在感があります。他にも第一幕の「あの美しいパリスが」のカヴァティーナは、ベルコーレなど他の共演者とともに、バトルの歌声がとてもいいですね。第一幕の第三場、アディーナとネモリーノの場面はバトルとパヴァロティの二重唱となり、楽しめますねえ。ただ、やはり高音が苦しいところや、声が少し小さいのが難ですかねえ。これは録音なので、バトルの歌を少し大きくしてもよかったのはとも思ったりであります。一方、パヴァロッティですが、伸びやかで輝かしい声は健在であり、爽快であります。『人知れぬ涙』や『なんと彼女は美しい』などは、百戦練磨の貫禄の歌声でありますし、随所に巧さを感じます。ただ、ここでは喜劇での崩したような歌唱になるときに、あざとさのようなものを感じてしまうのが、気になりました。映像をみればそんなことはないのでしょうがね。そして、ヌッチも存在感のあるベルコーレであり、レヴァインも手堅くまとめた、といった感じでしょうか。約2時間、たいそう楽しめる演奏でありました。
昨日は、昭和のころからのお付き合いのみなさんと新年会でした。楽しいお酒でしたが、二軒目のお店にマフラーを忘れてきました。そのお店の名も場所もよくわからずで、とほほであります。飲み過ぎは反省しないといいけません。
(DG 429 744-2 1990年 輸入盤)
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