今年の大河ドラマ『光る君へ』も終わりましたね。平安時代を扱うということで、どうなるかと思ってましたが、題材も新鮮で毎週楽しく見ることができました。時代考証もしっかりしており、道長を中心とする摂関政治についても勉強になりました。風俗なども、宮中や貴族の館などが主な舞台だったので、それほども難しさはなかったんでしょうね。主人公の逢い引きの場所は、なんだか怪しげだったですがねえ。『源氏物語』は、読まないといけませんね。
さて、今回はパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーPOの演奏会から。12月14日に西宮芸術文化センターでの公演に行ってきました。直前に、ヴァイオリンのヒラリー・ハーンが病気ということで出演取りやめになり、急遽マリア・ドゥエニャスに変更になりました。これは驚きというか、ヤルヴィも聴きたかったですが、バーンのヴァイオリンも楽しみでした。さすがに対応は丁寧で、返金も可、という封書での連絡も届きました。うーん、少し悩みました。
でも、やはりヤルヴィとドイツKPOが聴きたい。私、恥ずかしながら、外国のオケってそれほど聴いたことないんです。というか、数えるほどしか…。記憶をたどれば、聴く度に外国のオケの凄さに感服することしきりだったんですね。今回も、そんな期待をしつつ、でありました。でも、会場に行くと、それなりに空席があり、やはりみなさん、ソリスト変更で躊躇されたんですねえ。ちなみに東京では、代役は樫本大進さんだったとか…。
ヤルヴィとドイツKPOの演奏、CDでは既にブラームスの交響曲まで聴けます。ブルックナーやマーラーは、フランクフルト放響と行った具合にオケの明確な使い分けをしています。ドイツKPOとは古楽の奏法や楽器での演奏。人数も40人ほど編成。両者の演奏の違いも興味深いものですねえ。
それで、演目はモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』序曲K.527、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に長調作品61、モーツァルト交響曲第41番ハ長調K,551『ジュピター』。このオケとなら、ブルックナーは無理としても、ベートーヴェンの交響曲も聴きたかったですね。でも、その代わりにヴァイオリン協奏曲、なかなか聴き応えのあるプログラムでした。
まず感じたのは、このオケの精度の高さでした。弦はしなやかで美しく均整が取れている。そして木管・金管が加わったときの合奏は、実に美しい。ああ、ドイツのオケはこんなに凄いんだ、と思わせるものでした。加えて、小人数にも関わらず、その豊かな表情や表現力、そして迫力にも驚かされます。どの曲も非常に新鮮で、曲の魅力を改めて実感できました。古楽の響きでの鮮烈な躍動感と機動力、そして、ヤルヴィの指揮は、動作にはそれほどの特徴ありませんが、ビデオなどで見ると非常に表情豊かで、表情で統率している様子。たいそうな一体感があふれてました。
ドン・ジョヴァンニ、最初のユニゾンの迫力と精緻な響きに圧倒され、全体の躍動感は心地よい。そして、どんどん高揚感が増してくるあたりに巧さ。ヤルヴィのオペラ演奏は?と思って、さあレポレロだ!と思わせて、終わってしまう残念感がありました。そして、ドゥエニャスとの協奏曲。第1楽章は様子見?で過ぎたが、終盤のいつもと違うカデンツァが耳に突き刺さった。そして、第2楽章からドゥエニャスの美音が迫ってきました。長いフレーズもしなやかに美しく弾かれ、繊細で丁寧、そして新鮮にベートーヴェンが鳴り響きました。第2楽章は、ドゥエニャスの繊細さにオケの優しさも加わり、極上の美しさでした。そして終楽章は、それまで以上の一体感で曲の中にのめり込んでいけました。
休憩をはさんでのジュピター。じっくりとヤルヴィとドイツKPOの演奏が聴けました。もう何度も聴いた曲だけど、非常に新鮮。第1楽章、鮮烈な合奏で始まり、各楽器がさまざまな方向へ歌い上げる。それぞれが有機的に繋がり、大きなひとつのエネルギーとなって私たちに迫ってくるのでした。これに心が躍らされる。第2楽章、優しい弦のとろけるような美。たいそう暖かいモーツァルト。それに包まれる快感。第3楽章メヌエット。一糸乱れぬ管弦楽が突き抜ける。そして終楽章。古楽の響きがとても気落ちよく躍動。そして小編成とは思えないような広がりとスケールで歌い上げる。フーガが終わるの拒むように展開する。終楽章に相応しい高揚感でありました。
終演後、帰路の電車でも頭の中をフーガのように、ジュピターが鳴り響いていました。こんなことは久しぶり。いつもは何らかの音楽を聴いているのですが、ジュピターの余韻に浸っていたのでありました。実にいい演奏でありました。ヤルヴィのCDを買おう!と思いました。
さて、今回はパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーPOの演奏会から。12月14日に西宮芸術文化センターでの公演に行ってきました。直前に、ヴァイオリンのヒラリー・ハーンが病気ということで出演取りやめになり、急遽マリア・ドゥエニャスに変更になりました。これは驚きというか、ヤルヴィも聴きたかったですが、バーンのヴァイオリンも楽しみでした。さすがに対応は丁寧で、返金も可、という封書での連絡も届きました。うーん、少し悩みました。
でも、やはりヤルヴィとドイツKPOが聴きたい。私、恥ずかしながら、外国のオケってそれほど聴いたことないんです。というか、数えるほどしか…。記憶をたどれば、聴く度に外国のオケの凄さに感服することしきりだったんですね。今回も、そんな期待をしつつ、でありました。でも、会場に行くと、それなりに空席があり、やはりみなさん、ソリスト変更で躊躇されたんですねえ。ちなみに東京では、代役は樫本大進さんだったとか…。
ヤルヴィとドイツKPOの演奏、CDでは既にブラームスの交響曲まで聴けます。ブルックナーやマーラーは、フランクフルト放響と行った具合にオケの明確な使い分けをしています。ドイツKPOとは古楽の奏法や楽器での演奏。人数も40人ほど編成。両者の演奏の違いも興味深いものですねえ。
それで、演目はモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』序曲K.527、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に長調作品61、モーツァルト交響曲第41番ハ長調K,551『ジュピター』。このオケとなら、ブルックナーは無理としても、ベートーヴェンの交響曲も聴きたかったですね。でも、その代わりにヴァイオリン協奏曲、なかなか聴き応えのあるプログラムでした。
まず感じたのは、このオケの精度の高さでした。弦はしなやかで美しく均整が取れている。そして木管・金管が加わったときの合奏は、実に美しい。ああ、ドイツのオケはこんなに凄いんだ、と思わせるものでした。加えて、小人数にも関わらず、その豊かな表情や表現力、そして迫力にも驚かされます。どの曲も非常に新鮮で、曲の魅力を改めて実感できました。古楽の響きでの鮮烈な躍動感と機動力、そして、ヤルヴィの指揮は、動作にはそれほどの特徴ありませんが、ビデオなどで見ると非常に表情豊かで、表情で統率している様子。たいそうな一体感があふれてました。
ドン・ジョヴァンニ、最初のユニゾンの迫力と精緻な響きに圧倒され、全体の躍動感は心地よい。そして、どんどん高揚感が増してくるあたりに巧さ。ヤルヴィのオペラ演奏は?と思って、さあレポレロだ!と思わせて、終わってしまう残念感がありました。そして、ドゥエニャスとの協奏曲。第1楽章は様子見?で過ぎたが、終盤のいつもと違うカデンツァが耳に突き刺さった。そして、第2楽章からドゥエニャスの美音が迫ってきました。長いフレーズもしなやかに美しく弾かれ、繊細で丁寧、そして新鮮にベートーヴェンが鳴り響きました。第2楽章は、ドゥエニャスの繊細さにオケの優しさも加わり、極上の美しさでした。そして終楽章は、それまで以上の一体感で曲の中にのめり込んでいけました。
休憩をはさんでのジュピター。じっくりとヤルヴィとドイツKPOの演奏が聴けました。もう何度も聴いた曲だけど、非常に新鮮。第1楽章、鮮烈な合奏で始まり、各楽器がさまざまな方向へ歌い上げる。それぞれが有機的に繋がり、大きなひとつのエネルギーとなって私たちに迫ってくるのでした。これに心が躍らされる。第2楽章、優しい弦のとろけるような美。たいそう暖かいモーツァルト。それに包まれる快感。第3楽章メヌエット。一糸乱れぬ管弦楽が突き抜ける。そして終楽章。古楽の響きがとても気落ちよく躍動。そして小編成とは思えないような広がりとスケールで歌い上げる。フーガが終わるの拒むように展開する。終楽章に相応しい高揚感でありました。
終演後、帰路の電車でも頭の中をフーガのように、ジュピターが鳴り響いていました。こんなことは久しぶり。いつもは何らかの音楽を聴いているのですが、ジュピターの余韻に浸っていたのでありました。実にいい演奏でありました。ヤルヴィのCDを買おう!と思いました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます