リリとの別れ
4月30日午前10時10分リリが旅だった。
わが家に迷い込んでから1年8か月の短い命だった。
短い期間だった。わたしにとっては長く楽しい時間だった。
籐椅子の上に冷たくなって横たわるリリ。
苦しかった病気との闘いから解放された。
ほつと、安堵しているような、やすらかな顔だった。
背中を撫ぜていると微かな温もりが伝わってくる。
絹を触っているような滑らかな毛。
今にもめをぱっちり開け、大きなアクビをして、手足を思い切り延ばしておもむろに歩き出しそう。
5ヶ月リリは精一杯頑張ってくれた。
わたしのエゴで1ケ月半も嫌がるリリに注射器で食事を与えてしまった。
今は色々後悔することばかり。
時間を戻すことはできない。
リリを迎えたとき、わたし達はリリより先に死ねないね。
頑張ろうと夫と心に誓ったのに。
「どうしてこんなに早く逝ってしまったの」
リリを思うと涙がせきを切ったようにあふれてくる。
爪とぎ、おまる、どんぐり、小さな紙を丸めたボール……涙を誘うものばかり。
1日中泣き明かしてもリリは戻ってこない。
弟のSもわたしを心配してきてくれた。
リリに流動食のおやつを買ってきてくれたが間に合わなかった。
その夜は弟と夫とわたしの3人でリリを偲んだ。
5月1日出張ペット火葬をたのんだ。
午後1時に来ることになった。
冷たく硬くなったリリの手をにぎりしめた。
そのまま……時間が少しでも遅く過ぎることを願った。
刻々と過ぎていく時間が恨めしい。
到着の電話が入った。
わたしの体は一心硬直した。
どうきが激しく打つのが分かった。
いよいよリリとお別れ。
硬直したリリを抱えてわたしは泣きじゃくっていた。
「大好きなリリ。もうすぐリリの形はなくなってしまうね」
リリを火葬する音が家の中まで微かに伝わってくる。
夫はわたしの気をまぎらわせようとしている。
いろいろと、話題をかえて話しかけてくる。
でも、わたしの、涙は止まらない。
「リリはわたしの中でいつも一緒だよ」
「リリ本当に楽しい日々ありがとう」
滂沱と流れおちる涙は、とどめようもなかつた。
在りし日のリリ





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4月30日午前10時10分リリが旅だった。
わが家に迷い込んでから1年8か月の短い命だった。
短い期間だった。わたしにとっては長く楽しい時間だった。
籐椅子の上に冷たくなって横たわるリリ。
苦しかった病気との闘いから解放された。
ほつと、安堵しているような、やすらかな顔だった。
背中を撫ぜていると微かな温もりが伝わってくる。
絹を触っているような滑らかな毛。
今にもめをぱっちり開け、大きなアクビをして、手足を思い切り延ばしておもむろに歩き出しそう。
5ヶ月リリは精一杯頑張ってくれた。
わたしのエゴで1ケ月半も嫌がるリリに注射器で食事を与えてしまった。
今は色々後悔することばかり。
時間を戻すことはできない。
リリを迎えたとき、わたし達はリリより先に死ねないね。
頑張ろうと夫と心に誓ったのに。
「どうしてこんなに早く逝ってしまったの」
リリを思うと涙がせきを切ったようにあふれてくる。
爪とぎ、おまる、どんぐり、小さな紙を丸めたボール……涙を誘うものばかり。
1日中泣き明かしてもリリは戻ってこない。
弟のSもわたしを心配してきてくれた。
リリに流動食のおやつを買ってきてくれたが間に合わなかった。
その夜は弟と夫とわたしの3人でリリを偲んだ。
5月1日出張ペット火葬をたのんだ。
午後1時に来ることになった。
冷たく硬くなったリリの手をにぎりしめた。
そのまま……時間が少しでも遅く過ぎることを願った。
刻々と過ぎていく時間が恨めしい。
到着の電話が入った。
わたしの体は一心硬直した。
どうきが激しく打つのが分かった。
いよいよリリとお別れ。
硬直したリリを抱えてわたしは泣きじゃくっていた。
「大好きなリリ。もうすぐリリの形はなくなってしまうね」
リリを火葬する音が家の中まで微かに伝わってくる。
夫はわたしの気をまぎらわせようとしている。
いろいろと、話題をかえて話しかけてくる。
でも、わたしの、涙は止まらない。
「リリはわたしの中でいつも一緒だよ」
「リリ本当に楽しい日々ありがとう」
滂沱と流れおちる涙は、とどめようもなかつた。
在りし日のリリ







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朝から涙がとまりません…。
数日前の日記で少し元気になってくれて良かったなあと安堵していたのに…。
迷子だった子猫が優しい人たちに出会えて、暖かい家族とともに過ごした日々。いつもリリちゃんはとっても幸せそうに見えました。
さようならリリちゃん。またいつかどこかで会おうね。
良くなっているのかしらと?と思っていたら・・・・・
mimaさんご夫婦の悲しみ、痛いほどわかります。
私もモモ、そして加奈子を続いて見送ったから。
リリちゃん、短い猫生だったけどmimaさんご夫婦の愛情をいっぱい受けて幸せだったと思います。
だからご自身を責めないで下さいね。
人も生まれた時から一生が決まっていると聴きます。
リリちゃんも生まれた時から天使になる時間が決まっていたのでしょうね。
だから、短い猫生を思いっきり幸せに生きられる
mimaさんご夫婦の元へ迷い込んで来たのでしょうね。
そして、いっぱいの愛情に包まれて旅立って行ったと思います。
だから後悔やご自身を責めないで下さいね。
※どの画像のリリちゃんもすべて愛くるしいですね。
mimaさんご夫婦に愛されたのが良くわかります。
リリちゃんのご冥福をお祈りいたします。
そして、mimaさんご夫婦の悲しみが少しでも早く癒えますように。
imiさんも、悲しい別離をなんどもあじわっていますものね。
みなさんから寄せていただいた百種の言葉を、ひとひらひとひら読み返しながら、薄紙をはがすように私の悲しみもうすらいできました。
ありがとうございました。早く立ちなおりますからご安心ください。