ほころびかけた蕾/紫雲

　　　紫雲のさいごの蕾が固まったままになりそうだった。
　　　せっかく蕾をつけたのに……。

　　　花を咲かせてくれることを願って、花瓶に挿して食卓に飾った。
　　　だいぶ前のことだ。

　　　「夜寒いときは袋をかけたらどうだろう」夫も一緒になって心配してくれた。
　　　夜は袋をかけてあげた。
　　　食卓の上は日がささないので、日中は窓辺に置いた。

　　　古民家で、外壁に断熱材など使っていない。
　　　外壁がすくなくほとんどガラス戸と窓。
　　　もちろん断熱ガラスなどではない。
　　　そこえきて盆地なので冬の寒さは厳しい。
　　　部屋にあるからといってそれほど暖かなわけではない。

　　　その甲斐があって蕾がごらんのように、ほころびかけている。
　　　がんばったね。紫雲。
　　　とねぎらいの言葉をかけた。
　　　今日は暖かだった。

　　　　　　　やっとほころびかけた蕾
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　

　　　　　　　秋の紫雲
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　

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すすはらい/ノイガー、フェチダス

　　　年末となると毎年忙しい。
　　　どうしても一年のすすはらいという習慣にせかされて動きだす。
　　　夫は泰然自若、動かざること山の如し、という性格だから、すべてわたしがする。
　　　部屋の広さが憎くなる。
　　　だいたい、いまだにこの家に部屋がいくつあるのか忘れてしまう。
　　　ガタピシ。
　　　隙間風の吹きいる寒さに、ここで育った娘たちにも敬遠される冬。
　　　わたしはマスクをして一部屋ずつ掃除をする。
　　　夫の書斎の乱雑さ「もういや」キレそうになるのを我慢する。
　　　「きれいは汚い、汚いはきれい」夫はマクベスの台詞を口ずさむ。
　　　「にくい」そういわれると何も言い返せなくなる。
　　　気は持ちよう。
　　　あまり汚れに潔癖なのも疲れるから、
　　　今年あたりは手を抜こうかしらとも思っているが……。
　　　性分はなおらない。
　　　「おねがいだから、書斎の整頓させて」
　　　「ここは城、あけわたすわけにはいかない」
　　　ですって。

　　　クリスマスローズ
　　　ノイガーはクリスマスに咲いてくれなかった。
　　　少しずつ白い顔をのぞかせるノイガー。
　　　開花まであと、どのくらいかかるのかしら。

　　　　　ノイガー
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　
　　　フェチダスはこんな感じのままなのかしら……。
　　　初めて育てたのでわからない。
　　　鈴のような花をたわわにつけて可愛い。

　　　　　フェチダス
　　　　　　　　　
　
　　　　　　　　　

　　　
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オヤスミ…紫雲・アイスバーグ

　　　ほほに突き刺さるような風がときおり吹く。
　　　この地方では黒髪颪といわれる寒風。
　　　体が寒さで縮こまる。
　　　今朝、庭に出てみるとすべての鉢の土がカチカチに凍っていた。
　　　葉は霜枯れしてだらんとしていた。

　　　軒下のアイスバーグの花を全部切花にした。
　　　もう一ヶ月以上咲いているわたしの白いバラ。
　　　あなたの心はもう眠りたがっている。
　　　オヤスミ。

　　　　　　　　

　　　　　　　　

　　　紫雲のこれでお終いという蕾が、もう寒さに耐えられず萎縮していた。
　　　切花にして食卓に飾る。
　　　すると蕾は微かに生気をとりもどしたかのようにわたしに微笑みかけた。
　　　暖かい部屋の中で開花するのを見守ろう。

　　　　　　　　　

　　　　　　　　　

　　　わたしは紫雲の蕾をみながら今年一年わたしを楽しませてくれた、
　　　薔薇の花々のことをおもっていた。

　　　　夕方の飛行機雲
　　　　　　　　　

　　　　あまりに空が綺麗なので
　　　　　　　　　

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根岸散策/ルドゥーテのバラのカレンダー

　　　金曜日東京泊。
　　　丸善でカレンダーをかった。
　　　今年こそバラのカレンダーをhomemadeしようとおもっていた。
　　　あまりに美しいバラのカレンダーが目にはいった。
　　　ルドゥーテの描いたバラのカレンダーだった。
　　　画家の目がとらえた優しい花色特徴のある葉、みていると幸せな気持ちに
　　　浸される。
　　　部屋に飾ったときのことをおもい、もうわくわく。トキメイタ。

　　　　　　　　　　　　　

　　　先週にひきつづき、夫と娘と根岸界隈を散策する。
　　　記憶の中の根岸の町を探して歩く。
　　　ここでもない。あそこでもない。
　　　「もっと猫がいたはずよ。喫茶店があって……それから」
　　　私の言葉に「あれから何年たっているとおもうのですか」と夫がいう。
　　　時代とともに町も変わってしまった。

　　　　　　　根岸の猫ちゃん
　　　　　　　　　　

　　　子規庵にたどりつく。
　　　それにしてもNHKの大河ドラマの影響はすごい。
　　　訪問者が後を絶たなかった。
　　　家々の塀や門には子規の句が短冊に印刷されて貼ってあった。
　　　まだ明治の風情を残す家を散見できてうれしかった。

　　　　　　　　

　　　　　　　　

　　　　　　　　

　　　帰りMデパートでドイツの「グリューワイン」を購入。
　　　Rさんのブログの記事にドイツは寒いのでホットでいただくワイン、
　　　と載っていたので飲んでみたいとおもっていた。
　　　家に帰ってホットにしていただく。
　　　ホットでいただくのは初めて。
　　　冷えた体にボーっと暖かく心地よかった。
　　　店員さんが「蜂蜜を入れると飲みやすいですよ」と教えてくれた。
　　　だが甘味もあって十分美味しかった。

　　　　　　　　

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花狂いはとまらない/プリムラジュリアン

バラがしばしの休眠にはいる。
あらあらどうしましょう。寂しくなるわ。
ところがホームセンターのガーデニングコーナー歩いていたら、
わたしを呼び止めるコーナーがあった。
プリムラのブースがあった。

プラスチックの小さな鉢に植えられたプリムラの花がびっしりならんでいた。
色とりどりの花の絨毯が敷きつめられているようだった。
わたしはわー綺麗といって、立ちどまり動けなくなった。

花狂いはとまらないと夫がニヤニヤしている。
先日はクリスマスローズのブースのまえで立ちどまりった。
これは買うのはあきらめた。
これ以上増やしても育てるのは無理と思いとどまった。

プリムラのバラを想わせる可憐な花に魅せられた。
きめた。
これ、いただくわ。
プラスチックのカゴに色あわせしながらいれた。
ピンク系にしてみた。
とりあえず３鉢。
ときめく。
わたしの性格を知っている夫は黙って笑っている。
　　
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　ジュリアン(キャンディインブライト)　１年草

　　　　　　　

　　　　　プリムラジュリアン　いちごのミルフィーユ　非耐寒性多年草　　　　　　　
　　　　　ホワイトからピンクへグラデーションが美しい
　　　
　　　　　　　

　　　　　プリムラジュリアン　ブライダルベル　非耐寒性多年草
　　　　　ピンクのフリルが可愛いプリムラ

　　　　　　　



　　　　　　　プリムラジュリアン　　いちごのミルフィーユ
　　　　　　　プリムラジュリアン　　ブライダルベル

　　　　　　　サクラソウ科　非耐寒性多年草　原産地ヨーロッパ　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　開花期　12月～3月
　　　　　　　草丈　約３０㎝
　　　　　　　管理　冬は日当たりの良い場所で、夏は風通しの良い半日陰を好む。
　　　　　　　用土は水はけの良い土で、１０００倍に薄めた液体肥料を週に１回程度与える。
　　　　　　　乾燥に弱いので、表土が乾きかけたらたっぷり水を与える。

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クリスマスローズ・ノイガーの蕾

クリスマスローズのノイガーの白い蕾が膨らみだした。

[クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の宿根草です。
本来クリスマスローズとは、クリスマスの頃に咲く原種のノイガーをさします。
2～3月に咲くオリエンタリスはきリスト教四旬節（レント）の頃に咲くのでレンテンローズとよばれています。日本では一般的にまとめてクリスマスローズと呼ばれています。］

クリスマスまであと14日咲いてくれるとうれしいな。
純白の清楚な花がうつむきかげんに咲くさまは奥ゆかしい。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

地味な花ですが大好きな花でした。
こんなに人気がでるとは思ってもいなかった。
木の下にたくさんのクリスマスローズを植えて、大株に育ててみたいと思い。
十年ぐらい前、裏庭の杏の木の下に植えたが日陰のため花は２つ３つ咲くだけだった。
そのうち花はさかなくなってしまい、可哀そうなので鉢植えにして楽しんでいた。

　　　　　　　

ブラッキーのしばらくぶりの写真。
またまた、寝ているところ。

　　　　　　　　　　　　　

シャッターの音に気づき慌てて、ついたての陰に隠れたつもり。

　　　　　　　

　　　　　　　

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上野・根岸界隈の散策/ディンティベス

昨日は春を思わせるような暖かさ。
東京へ向かう車窓から真っ白に化粧した富士がみえた。
一昨日の雨で地上から水分が蒸発し、気温が高いためか靄がたなびいていた。
霞のうえに富士の美しい稜線が見えて日本画をみているようだった。
頂上部分だけでなくこんなに綺麗に山の稜線までみえたのははじめてだった。
車窓からカメラを構えたが、ビルや木々の間に見え隠れしてなかなか捉える事ができなかった。

　　　　　ピンボケで微かに富士山みえますか。
　　　　　　　

娘たちが西宮や大阪に住んでいたころは、東海道新幹線にたびたび乗った。
新幹線の車窓から見る富士がとても楽しみだった。
列車が走るにしたがって風景が変わる。
違う角度から眺める富士の姿が楽しかった。

所要がすんでから、上野から根岸界隈を散策した。
春のような暖かさに人出が多かった。
上野の公園には相変わらず可愛い猫が群棲していた。
まだ大人になったばかりの初々しい猫ちゃんが、陽だまりでグーと体を伸ばし……そりかえっていた。
人も猫もカモもカモメもこのときならぬ陽気に、心が弾んでいる。
陽光のなかに輝いていた。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

根岸に瀟洒な日本家屋があった。
「都重宝　一円庵」とあった。
森鴎外居跡（現ホテル水月内に鴎外荘として保存されている）通り向かいに「一円庵」（都重宝文化財）があるが非公開。
こんな感じの日本家屋にも惹かれる。

　　　　　　　

デパートの食品売り場でRさんのブログで紹介されていたStollen［シュトーレン］ケーキがあったので好奇心の強いわたしはさっそく購入。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

シュトーレンはドイツの典型的なクリスマスのお菓子。
粉砂糖におおわれた細長い形がイエス・キリストのおくるみににているといわれている。
12月の初めに焼いたシュトーレンをクリスマス前ごろから一切れずつ切って食べるそうです。

Rさんが書いていたとおりかなりの甘さ。
でもドライフルーツの味が芳しくとても美味しかった。
わたしのお気に入りになりそう。

ディンティベスが蕾をほころばせていた。

　　　　　　　

　　　　　　　

アイスバーグもさらに開花。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　

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冬薔薇(ふゆそうび)/アイスバーグ

　　　　アイスバーグの最後のつぼみが花ひらく。
　　　　日陰の庭で健気に咲いてくれました。

　　　　純白の涼しげなおももちで気品にみちて。
　　　　アイスバーグのあたりは凛とした空気がはりつめているようです。
　　　　今年もバラたちにたくさんの喜びと癒しをいただきました。

　　　　１１月２６日ピンク色のつぼみ
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　開花
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　ドミニク・ロワゾーのつぼみがみずみずしく元気です。
　　　　咲かせていいものか、もう一度会いたい……心は乱れます。

　　　　　　　

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クリスマスローズ・フェチダスの蕾み

　　　古葉を取り除いた。
　　　風通しをよくしたクリスマスローズの株元に陽がよくあたるように。
　　　花芽が立ち上がりますように……と願いながら。

　　　クリスマスローズのフェチダスの蕾み（実は萼です）。
　　　ベルのような蕾みを鈴なりにつけました。
　　　きみどり色の蕾みからベルの音が聞こえてくるようでした。
　　　ずいぶん早く蕾みをつけました。
　　　ちょっと早すぎる感じもしますが……。

　　　クリスマスのころ花がいっせいに開花してくれたらうれしいな。
　　　小さなベルの音をならしながら……わたしへのプレゼント。

　　　　　バラ鉢８号
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　株元から新芽が２本成長しています。
　　　　　　　　
　　

　　　今年の２月神代植物園のクリスマスローズ展で購入した苗です。
　　　まだ小さい苗でした。
　　　こんなに大きく成長して感激です。　　
　　　
　　　フェチダスは茎が長い姿の原種。
　　　木立ちクリスマスローズとも呼ばれます。
　　　花と葉が一本の茎にともにあり、立ち上がって先端に花をさかせます。
　　　青臭さがありますが草姿の美しさはそれ以上に際立ちます。


　　　　　購入時の苗。
　　　　　　　

　　　ラベルには「フエチヅス」とついていました。
　　　昨年２月のブログには「フエチヅス」と載せましたが、
　　　検索したらどうや「フェチダス」のようです。

　　　　　　


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小さな野州路の旅/フユザクラ

12月4日　金曜日
ここ数日わたしは気だるいからだをもてあましていた。
夫の誘いに重い腰を上げ日光市上今市の「だいや川公園」にでかけた。

東武電車上今市駅で下車。
電車を降りると冷たい空気を顔に感じる。
旧杉並木の道と東武電車にはさまれて、杉並木水車公園がある。
世界の水車や日本の水車が何基もある。
水をぼってり含んだ水車。
苔むした水車。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

来春咲く白モクレンの蕾がすでに芽を膨らませていた。

　　　　　　　　　　　　　　

心地よい水の音を聞きながら歩いていくとかやぶきの屋根がみえてくる。
この辺りに二宮金次郎が住んでいたらしい。
その一角にあるお蕎麦屋さんでそばをいただく。

　　　　　民家
　　　　　　　

　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　

お蕎麦屋さんをでて先に進むと農道にでる。
素朴な山村の風景の中を歩いてだいや川公園に着く。
歩を進めるとすごく広大な雑木林にまよいこむ。

　　　　　　　

　　　　　　　

落ち葉を踏むと足が埋まる。
足の裏にやわらかい落ち葉の層を感じる。
風の中の枯れ葉の音。
枯れ葉の匂い。
大地の匂い。
小川のせせらぎの音。
枯れ葉の影から青い笹がのぞいていた。
自然の中に身をゆだねるのは心地よかった。

　　　　　日光連山
　　　　　　　

　　　　　男体山
　　　　　　　

　　　　　トンボの池
　　　　　　　

帰りに出口近くに小さな白い花をつけている木がある。
よってみると可愛い花が冬空に咲いていた。
はじめて見た「フユザクラ」だった。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

陰鬱な気分を癒してくれる小さな野州路の旅だった。




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雨を聞く/バラの切花

久しぶりに朝から雨となった。
気温も下がり冬の雨はどことなく陰鬱なかんじがする。
窓に吹き付ける風の音。
屋根に落ちる雨の音が風に吹かれてぱらぱらと音をたてている。
この葉の雨にたたかれる音。
色々な音に耳を澄ませるのは心地よい。

夜になって寒くなり雨はさらに強くなった。

　　　芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな

去年もこの芭蕉の句が炬燵で話題になったような気がする。
毎年晩秋から初冬にかけて冷たい雨が降るとこの句が話題になる。
築100年ぐらいになる古い家であちらもこちらも、ガタピシ、ゆがんでしまっている。
過日弟が来たついでにドアを直してくれたのでいつもより部屋は暖かい。

日々新しいのはバラだけ。
昨日もイングリッシュ・ミス、フレンチレースを切花にした。
フレンチレースは花径12センチもあり春より大きく咲いている。
ほんとうに長いあいだごくろうさま。
十分たのしませてもらいました。
休眠してまた春に会いましょうね。

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　


　　　
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電脳空間のバラ/アイスバーグほか

しみじみそう思う。
ブログを始めてよかった。
庭のバラたちが電脳空間で大輪の花を咲かせている。
皆さんに見ていただける。
こんなうれしいことはないです。

ついついそうゆうことになる。
マウスを持ったままうたた寝となる……たまちゃんからそうコメントをいただきました。
わたしもそうです。

「矢つき刀折れ」て、討ち死になんてことになります。
文章のアイデアもつき疲れ果て……横になる。
マウスをもったまま掘りごたつでうたた寝をします。
でもやるだけやった、といえ達成感でここちよい夢路にまよいこみます。

アイスバーグ、マチルダ、イングリッシュミス、まだ咲いています。
もうすぐ凋落のとき。
そしてバラは休眠にはいります。

　　　　　マチルダ
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　フレンチレース
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　マザーズディ
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　アイスバーグ
　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　

　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　
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