成長著しい葬儀業界の現在と未来

大事な方が亡くなったときにお世話になるのが葬儀屋さん。
葬儀業界も新規参入や価格破壊によって苦しい状態が続いているようです。

少し古い情報になりますが、マガジンハウス社の雑誌「ダカーポ」(2005年12月号)に、「今や成長著しい葬儀市場 農協など異業種参入でどうなる?」という記事が出ていました。
その記事によりますと2005年7月に公正取引委員会が行った我が国の葬儀事業の実態調査によりますと市場規模は7000億円。団塊の世代の高齢化に伴って、市場はますます拡大すると見込まれているそうです。

2005年の年間死亡者数は130万人ですが、2038年のピーク時には170万人を突破、単純計算で1兆円を突破するということらしいです。そうなると成長企業として異業種が新規参入してくる・・というわけで、農協の他、次のような業界から新規参入が相次いでいるとのことです。

■新規参入業者の業種とシェア
 農協 54.6%
 生花店 17.2
 生協 12.6
 ホテル 9.5
 鉄道事業者 6.0
 自治体 2.9
 その他 33.6

※出展
公正取引委員会/葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書より

それに伴い、価格競争がによる葬儀にかかる費用の下落が起こっているとのことです。(記事時点での一般の葬儀費用平均は約140万円)
また、記事によるとトラブルも発生し始めているらしいです。
例えば「本来、農協は組合員のためのものだが、組合員以外の葬儀も行い、地域の葬儀社が悲鳴を上げている」とか「農協の葬祭を利用しなければ融資を渋ったり、肥料/飼料の配給を遅らせるなどの締め付けがある」「病院から自宅への遺体移送時に葬儀をセットで契約しないと移送しないと言われた」とのことです。

利用者にとっては新規参入によって料金や価格が下がったり、サービスがよくなることは大歓迎ですが、業界が衰退してしまうのは考えものですね。

お墓もまたしかり。
亡くなる人が増えればお墓も増えるのは当たり前のことですが、よく質素なお墓の選択肢を設けなければ、お墓の高騰や自然破壊は止まりません…そんな風に感じています。


ps: 今日は町田ではじめて樹木葬の説明会を行います。
  はじめての会場はいつもわくわくします。



 神崎洋治
 樹木葬専用ガーデン墓地「千の風みらい園」のページもご覧ください。
 メールマガジン「墓石を使わない質素な「樹木葬」を知る」もやってます。
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