ビーフだけにあらず松阪〜その2〜
ちょこっと「修行体験」。
その後も、ちょこっと…。
伊勢山上 飯福田寺(いせさんじょう いぶたじ/三重県)
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朝9時をちょこっと過ぎたあたり、
松阪の駅前よりタクシーに乗る。
東京では、地下鉄代も惜しむ身ではあるが
今回は大奮発、ではなく、
実のところはバスの便がないので
仕方なくではあるが、ともかくタクシーに乗る。
向かうは「飯福田寺」。
こちらは修験道の開祖である
「役小角(えんのおづぬ、またはおづの)」が
約1300年前に開いたとされる霊場で、
以来修験道の“道場”として今日にいたる場所である。
明治以降は、一般にも解放されており、
今日は、煩悩まみれの身の戒めと鍛錬に
訪れた次第である。しかし松阪の駅から遠い。
そろそろ予算もオーバーなので、タクシーは
バスなら最寄りの下車地点となる「うきさとむら前」まで。
ここからトボトボ歩く。
20分も歩くとお寺の前に。早速手続き。
多分住職とおぼしき方より注意事項を拝聴し、
500円の入山料を払い、名簿に名前と入山時間を記入。
さあいよいよ登山、いや修行開始である。
コースは右回りに1周、所要時間は2時間だそうだ。
それではスタート。のっけから鎖場、
途中で一旦は山道歩きとなるが、その後は最後まで
岩に取りつき、そしてまた降る、この連続。
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ホールド、スタンス、鎖はしっかりしているので、
注意して行動すれば問題はない。ではあるが、さすがは
修験の地。スリリングな岩場が、今度はどうだ、
これならいかがといわんばかりに現れる。
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ただ足元ばかり見ているのはもったいない。
周囲を見渡すと、これまた絶景。
お陰で、ひとつ岩をクリアすれば大休止。
居合わせた方との談笑タイムも長くなる。
おっと待て待て、修行中は無言が原則だったような
気もしたが、ここはちょこっと修行の身。
大目に見ていただきましょう。
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時計に目をやると、スタートから1時間半。
あまり遅いと、心配をかけるかなと
後半はちょこっと急ぎ足。フィニッシュとなる
石段を降り、再びスタート地点に着いたのは
出発してちょうど2時間後だった。
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これで無事終了、ではなかった。
右回りの次は左回り。修行のコースには続きがある。
ではこちらもトライと、再び歩き出す。
左回りは鎖場と岩に登って下ってが、それぞれ1ヵ所。
こちらはあっという間、したがって無言でクリア。
今度こそ、無事終了である。
身も心も、ちょこっと清められたような。
それでは町へ、松阪駅まで戻りますか。
帰途の足はバスである。朝来た道を、またトボトボ。
だが修行で心身を清めると、ラッキーも訪れる。
先程、話を交わした方の車に出会い、
さらには「乗っていきますか」と、
ありがたきひと言。いや大丈夫ですと
声を発しながらも
車のドアに手をかけていた。
あらためまして、車に同乗させていただきまして
ありがとうございました、林様。
バス便であれば松阪の駅に到着するのは夕方。
すぐに電車に飛び乗り、東京へと
戻らなければだったが
ちょっこと時間に余裕ができた。
せっかく松阪にお邪魔したのだから、有名な
松阪牛の“片りん”でもと、駅前を散策してみる。
高級料亭の前で、今度ねと実現未定の約束をし、
飲食店のメニューに、う~ん、これもまたねと
ため息をついていると、精肉屋さんの看板だ。
どれどれ100グラムはいくらかなと、冷やかしに
入店してみると、おっと大発見。
私のような懐の寂しい人向け用の商品が
売られていた。その名も「ちょこっと松阪牛」。
これならと、松阪牛と旬の味・栗の入った
金324円のビーフメンチカツを1個購入である。
駅へと戻る道すがら、アツアツの1品に
かぶりついてみる。
ウマイ、さすがはブランド牛だ。
瞬時にペロリである。
完食してふと思った。
確か修行というのか仏様の世界では
肉食や刺激の強い野菜の類を口にするのは
よろしくなかったような。
まあ、ここは修行も牛も
ちょこっとつながりということで、
お許しをいただきましょうか。
それでは、ごちそうさまでした。
ちょこっととはいえ
修行を終えたばかりだというのに。
いかん、早くも煩悩に
毒されつつあるようだ。
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〜2018(平成30)年10月17日、
ちょっこと修行と称して、岩とたわむれる〜
ちょこっと「修行体験」。
その後も、ちょこっと…。
伊勢山上 飯福田寺(いせさんじょう いぶたじ/三重県)
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朝9時をちょこっと過ぎたあたり、
松阪の駅前よりタクシーに乗る。
東京では、地下鉄代も惜しむ身ではあるが
今回は大奮発、ではなく、
実のところはバスの便がないので
仕方なくではあるが、ともかくタクシーに乗る。
向かうは「飯福田寺」。
こちらは修験道の開祖である
「役小角(えんのおづぬ、またはおづの)」が
約1300年前に開いたとされる霊場で、
以来修験道の“道場”として今日にいたる場所である。
明治以降は、一般にも解放されており、
今日は、煩悩まみれの身の戒めと鍛錬に
訪れた次第である。しかし松阪の駅から遠い。
そろそろ予算もオーバーなので、タクシーは
バスなら最寄りの下車地点となる「うきさとむら前」まで。
ここからトボトボ歩く。
20分も歩くとお寺の前に。早速手続き。
多分住職とおぼしき方より注意事項を拝聴し、
500円の入山料を払い、名簿に名前と入山時間を記入。
さあいよいよ登山、いや修行開始である。
コースは右回りに1周、所要時間は2時間だそうだ。
それではスタート。のっけから鎖場、
途中で一旦は山道歩きとなるが、その後は最後まで
岩に取りつき、そしてまた降る、この連続。
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ホールド、スタンス、鎖はしっかりしているので、
注意して行動すれば問題はない。ではあるが、さすがは
修験の地。スリリングな岩場が、今度はどうだ、
これならいかがといわんばかりに現れる。
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ただ足元ばかり見ているのはもったいない。
周囲を見渡すと、これまた絶景。
お陰で、ひとつ岩をクリアすれば大休止。
居合わせた方との談笑タイムも長くなる。
おっと待て待て、修行中は無言が原則だったような
気もしたが、ここはちょこっと修行の身。
大目に見ていただきましょう。
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時計に目をやると、スタートから1時間半。
あまり遅いと、心配をかけるかなと
後半はちょこっと急ぎ足。フィニッシュとなる
石段を降り、再びスタート地点に着いたのは
出発してちょうど2時間後だった。
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これで無事終了、ではなかった。
右回りの次は左回り。修行のコースには続きがある。
ではこちらもトライと、再び歩き出す。
左回りは鎖場と岩に登って下ってが、それぞれ1ヵ所。
こちらはあっという間、したがって無言でクリア。
今度こそ、無事終了である。
身も心も、ちょこっと清められたような。
それでは町へ、松阪駅まで戻りますか。
帰途の足はバスである。朝来た道を、またトボトボ。
だが修行で心身を清めると、ラッキーも訪れる。
先程、話を交わした方の車に出会い、
さらには「乗っていきますか」と、
ありがたきひと言。いや大丈夫ですと
声を発しながらも
車のドアに手をかけていた。
あらためまして、車に同乗させていただきまして
ありがとうございました、林様。
バス便であれば松阪の駅に到着するのは夕方。
すぐに電車に飛び乗り、東京へと
戻らなければだったが
ちょっこと時間に余裕ができた。
せっかく松阪にお邪魔したのだから、有名な
松阪牛の“片りん”でもと、駅前を散策してみる。
高級料亭の前で、今度ねと実現未定の約束をし、
飲食店のメニューに、う~ん、これもまたねと
ため息をついていると、精肉屋さんの看板だ。
どれどれ100グラムはいくらかなと、冷やかしに
入店してみると、おっと大発見。
私のような懐の寂しい人向け用の商品が
売られていた。その名も「ちょこっと松阪牛」。
これならと、松阪牛と旬の味・栗の入った
金324円のビーフメンチカツを1個購入である。
駅へと戻る道すがら、アツアツの1品に
かぶりついてみる。
ウマイ、さすがはブランド牛だ。
瞬時にペロリである。
完食してふと思った。
確か修行というのか仏様の世界では
肉食や刺激の強い野菜の類を口にするのは
よろしくなかったような。
まあ、ここは修行も牛も
ちょこっとつながりということで、
お許しをいただきましょうか。
それでは、ごちそうさまでした。
ちょこっととはいえ
修行を終えたばかりだというのに。
いかん、早くも煩悩に
毒されつつあるようだ。
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〜2018(平成30)年10月17日、
ちょっこと修行と称して、岩とたわむれる〜
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